【第115回】奨学金と教育ローンをどう使い分ける?大学進学にかかる費用と賢い併用術を紹介
もちろん、奨学金を利用するという選択肢があるものの、「奨学金だけで足りるのだろうか?」「教育ローンを併用したほうがいいのでは?」と悩むご家庭も少なくありません。
この記事では、奨学金と教育ローンの違いや特徴、併用する際のポイントをわかりやすく解説します。
この記事は約12分30秒で読むことができます。
お急ぎの方、教育ローンのランキングを知りたい方は、このページ下部のこちらをご覧ください。
1. 教育ローンと奨学金の基本を理解しよう
ここではまず、教育ローンと奨学金の基本的な仕組みや違いを整理し、ご家庭に合った資金計画を立てるために役立つ知識を紹介します。
1-1 教育ローンとは?金融機関が提供する教育資金の制度
教育ローンとは、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関が提供する教育目的の貸付のことです。
資金使途が教育資金に限られるため、目的別ローンの1つに分類されます。
契約者は主に保護者(親)で、入学金・授業料・教材費・通学費など、まとまった教育資金を借りられる点が特徴です。
民間の教育ローンには、一括借入タイプのほか、あらかじめ設定した限度額の範囲内で必要なときに借り入れ・返済ができる「カードローン型」の商品もあります。カードローン型は、卒業までに生じる学費に対し、必要に応じて柔軟に対応できる点がメリットです。
金利は年1%~年3%前後を中心に、金融機関によって固定金利・変動金利が選べる場合もあります。原則として、借り入れ後すぐ(または翌月)から返済が始まります。
ただし、金融機関によっては、在学中は利息のみを返済し、卒業後に元本の返済を開始できる「元金据置(がんきんすえおき)制度」を設けているところもあります。
1-2 奨学金とは?日本学生支援機構などが行う貸与・給付の制度
奨学金は教育ローンと異なり、学生本人が申込み、在学中に資金を受け取り、卒業後に返還する制度です。奨学金を利用することで、在学中の学費や生活費の負担を抑えられる点がメリットです。
奨学金には、日本学生支援機構(JASSO)が提供するものをはじめ、地方自治体や大学独自の制度など、さまざまな種類があります。
制度は大きく「返還不要の給付型」と「卒業後に返還する貸与型」に分かれます。貸与型奨学金は一般的に進学後に毎月一定額が支給され、返還は卒業後から始まります。
日本学生支援機構の貸与奨学金には、無利子で利用できる「第一種貸与奨学金」と、低金利(年0.5%~年2%程度)で借りられる「第二種貸与奨学金」があります。
奨学金は教育ローンに比べて金利が低い一方、学生本人の成績基準や家計基準などを満たす必要があるため、申込んでも必ず採用されるとは限りません。
2. 教育ローンと奨学金はどう違う?仕組みと利用条件をやさしく比較
教育ローンと奨学金はどちらも教育資金をまかなうための制度です。ただし、借りる人や返済時期、借りられる金額など、仕組みが大きく異なります。
ここでは、奨学金のうち教育ローンと比較されることが多い「貸与奨学金」を中心に、両者の違いや仕組み、特徴を解説します。
2-1 借りる人
教育ローンを借りる人は、進学する本人の保護者(親)です。保護者が申込者および契約者となり、入学金や前期授業料、受験費用など、進学前に必要となる費用を準備します。
一方、奨学金は学生本人が申込み、卒業後に返還する制度です。奨学金は主に進学後に支給され、在学中の学費や生活費などにあてる費用として利用されます。
2-2 利用目的
進学後から振り込まれる奨学金に対し、審査を経て比較的自由なタイミングで借りられる教育ローンは、入学金・前期の授業料・受験費用など、入学時に必要となる費用の準備に適しています。もちろん、在学中に必要な教材費や、自宅外通学に伴う家賃・引っ越し費用などにも利用できます。
一方、奨学金は進学後に振り込まれる仕組みのため、入学金や前期授業料といった進学前の支払いには充てられません。
なお、日本学生支援機構には「入学時特別増額貸与奨学金」もありますが、こちらも進学後の振込となるため、入学前の支払いには間に合わない点には注意が必要です。
2-3 対象となる学校
民間の教育ローンは、幼稚園から大学、専門学校まで幅広い学校を対象としており、海外留学や予備校、資格取得のための学校にも利用できます。
一方、奨学金は制度ごとに対象校が異なり、日本学生支援機構の「第一種貸与奨学金」の場合、同機構が認定した大学・短期大学・専門学校など、一定の基準を満たした学校に限られます。
「第二種貸与奨学金」は、大学・短期大学・専門学校・大学院・海外の大学など幅広い教育機関を対象としていますが、専修学校の高等課程や一般課程、予備校、語学学校、職業訓練校などは対象外です。
利用を検討している場合は、事前に進学先が対象校となっているか確認しておきましょう。
2-4 申込先
教育ローンの申込先は、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関です。
奨学金は、原則として進学前に在学している高校を通じて日本学生支援機構に申込む方法と、進学後に在学している大学などを通して日本学生支援機構に申込む方法が用意されています。
中には自治体や学校が用意している奨学金もありますが、それぞれの申込先は自治体もしくは学校(民間財団など)です。
2-5 金利
教育ローンの金利は、申込先の金融機関によって異なります。
民間の教育ローンは、銀行・信用金庫などで年1.5%〜4%前後の金利が一般的です。固定金利か変動金利かは、商品により異なります。
日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」は、年3%程度の固定金利です。
奨学金で金利が適用されるのは「第二種貸与奨学金」です。金利は貸与終了時に「利率固定方式」または「利率見直し方式」のどちらかを選択します。
- 利率固定方式:貸与終了時の利率が返済期間を通して固定
- 利率見直し方式:約5年ごとに利率が見直される
いずれの場合も、金利の利率は年0.5%~年2.0%程度です。
2-6 返済総額の目安
国の教育ローンを300万円(年利3.15%)で借り入れ、10年で返済した場合の返済総額は約350万円です。
多くの金融機関の教育ローンは返済方式が元利均等返済方式ですが、元金均等返済方式が選択できれば、返済初期の負担は大きくなるものの、利息総額を抑えることができます。
日本学生支援機構の第二種貸与奨学金では、借入総額や返還方式(所得連動返還方式もしくは定額返還方式)、返還期間によって返還総額が異なります。
所得連動返還方式を選ぶと、前年の所得に応じて毎月の返還額が変動し、最低返還額は月2,000円です。
定額返還方式では、借入総額を返還期間(最長20年)で均等に割り、利息を加えた金額を毎月返還します。
2-7 返済開始時期
教育ローンは、原則として借り入れた直後から返済が始まります。ただし、金融機関によっては「元金据置制度(在学中は利息のみ支払う方式)」を利用できるため、在学期間の返済負担を抑え、卒業後に元本を含めて返済を開始することも可能です。
奨学金は、卒業後に返還が始まります。日本学生支援機構の貸与型奨学金の場合、返還開始時期は「貸与終了月の翌月から数えて7ヶ月目」からとなり、本人の収入から返還する仕組みです。
2-8 返済期間
教育ローンの返済期間は、利用する金融機関によって設定されている期間から選べます。返済期間を最長15年としている金融機関もあります。返済期間が長くなるほど毎月の返済負担が小さくなりますが、返済総額は大きくなることを意識しておきましょう。
奨学金の返還期間は、貸与を受けた総額によって決まり、最長でおおむね20年での返還が可能です。無理のない返済計画を立てるために、卒業後の収入をイメージしながら期間を選ぶことが大切です。
2-9 保証人
民間の教育ローンは、多くの場合で保証会社を利用するため、原則として保証人は不要です。ただし、申込者の収入状況や信用情報によっては、保証人が必要となる場合もあります。保証料は、金利に上乗せされる方式と、別途支払う方式のいずれかです。
国の教育ローンでは、原則として連帯保証人が必要です。連帯保証人を立てることが難しい場合は、「教育資金融資保証基金」の保証を利用できますが、その際は保証料が発生します。
貸与奨学金を利用する際は、「人的保証」と「機関保証」のどちらかを選択します。機関保証を利用する場合は、国の教育ローンと同様に保証料が必要になる点に注意しましょう。
2-10 借入可能額と融資スピード
教育ローンの借入可能額は、民間の教育ローンと国の教育ローンで異なります。
国の教育ローンだと、1人あたり350万円ですが、一定の条件を満たせば450万円まで拡大されます。
民間の教育ローンは金融機関によって幅があり、上限500万円程度までのところもあれば、1,000万円程度まで借りられる金融機関もあります。
奨学金の貸与金額は、第二種貸与奨学金の場合、月額の上限が決められています。自宅外通学では、2万円~12万円の範囲で、自分で月額を選択できます。例えば、毎月12万円を4年間借りた場合、貸与総額は576万円です。
融資スピードについては、教育ローンは申込みから融資実行まで2~3週間程度ですが、奨学金は申請してから採用通知がくるまでに約1ヶ月~3ヶ月かかると思っておきましょう。
また、時期によっては教育ローンも融資までに時間がかかるケースも考えられますので、余裕を持った申込みが大切です。
2-11 審査基準と通りやすさ
教育ローンの申込条件には、前年度の収入が200万円以上など、借りる人の収入や信用情報が重視されます。
ただ、国の教育ローンは民間の教育ローンよりも基準が柔軟に設定されており、パートや自営業者などでも利用しやすい特徴があります。
奨学金を利用するには、学力基準と家計基準の両方を満たさなければなりません。基準は給付奨学金、第一種貸与奨学金、第二種貸与奨学金の順に緩やかに設定されています。
このことからも、奨学金は「教育を受けるための支援」という福祉的な要素が強いことがわかります。
2-12 主な利用時期と借入金の受取り方
教育ローンは受験から合格発表前後の入学金などの支払いに利用されるケースが多く、一括で借り入れる方法や、借入可能額を設定し、自分が好きなときに借り入れ、返済する方法も用意されています。
一方で、国の教育ローンは、一括で受け取る方法のみ用意されています。
奨学金は高校在学中に行われる「予約採用」を利用すると、進学後に振り込みが始まります。そして、その金額を今後必要になる学費にあてるほか、毎月の生活費などに利用できます。
3. 教育ローンと奨学金のメリット・デメリットを比較
教育ローンや奨学金には、それぞれメリット・デメリットがあります。特徴を理解したうえで、どちらを利用するか検討しましょう。
ここでは、教育ローンと奨学金それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
3-1 教育ローンのメリット・デメリット
教育ローンは、今すぐに必要な教育費を準備する方法として有効です。ただし、借り入れるときには、金利や返済期間を考慮し、最終的な返済総額がどのくらいになるのかを確認しておきましょう。
【教育ローンのメリット】
- 民間の教育ローンでは、金利タイプに固定もしくは変動の選択肢がある。借りる時点で完済までの返済額を確定しておきたい人は固定金利を、少しでも低い金利で借り入れたい人は変動金利を選択できるなど、家計やライフプランの状況に合わせた金利選択が可能(※国の教育ローンは固定金利のみ)
- 5年・10年・15年など金融機関によって複数の返済期間が設定されており、ボーナス併用返済なども利用できるため、収入や教育プランに合わせて無理のない返済計画が立てやすい
【教育ローンのデメリットと注意点】
- 審査では、保護者の年収・勤続年数・信用情報が重視されるため、希望するだけの金額を借りられない可能性がある
- 返済が長期間におよぶと、第二子の進学や子どもの大学院進学など、ほかの教育費の支出タイミングと重なるおそれがあり、家計負担が大きくなる
3-2 奨学金のメリット・デメリット
奨学金は、学生本人が在学中に必要な費用・生活費を継続的に支援する役割を持っています。ただし、返還が必要な貸与型の場合は、将来の負担をイメージしながら計画的に借りることが重要です。
【奨学金のメリット】
- 貸与型奨学金でも、無利子で借りられる「第一種貸与奨学金」と利息を合わせて返還する「第二種貸与奨学金」があり、第二種貸与奨学金の金利も民間の教育ローンに比べると低く設定されている
- 給付型奨学金なら返還不要なため、将来の不安がない
【奨学金のデメリット・注意点】
- 審査は学力基準と家計基準を基に行われるため、申込んだからといって必ずしも利用できるわけではない
- 貸与型奨学金、特に利息のある「第二種貸与奨学金」を利用すると、返還が長期化するに従って、最終的な返還総額が大きくなってしまう
4. どんな人に向いている?教育ローンと奨学金の選び方
家庭の状況や、いつお金が必要になるかによって、教育ローンと奨学金のどちらが適しているかは変わります。
ここでは、それぞれの制度が向いている家庭の特徴をわかりやすく整理します。
4-1 【教育ローンが向いている家庭】入学金や授業料を「進学前」にまとめて準備したい方
教育ローンは、入学金や授業料など、進学前に資金を必要としている方に向いています。なぜなら、奨学金の場合は振込みが始まるのは進学後であるためです。
進学前には、以下のような支出が重なりやすくなります。
- 受験料
- 受験のための交通費・宿泊代
- 入学金
- 前期授業料
- 遠方進学のための下宿契約費用
- 家具・家電・生活用品の購入費用
特に、兄弟姉妹で進学時期が重なる場合や、短期間でまとまった費用が必要な家庭では教育ローンが頼りやすいでしょう。
ただし、教育ローンは金融機関の審査に通る必要があるため、申込みには原則として安定継続した収入があることが条件です。金融機関によってはボーナス返済や在学中の元金据置制度を設けているところもありますので、状況に合わせて利用しましょう。
4-2 【奨学金が向いている家庭】進学後の学費・生活費を「毎月」計画的に支援してほしい方
奨学金は、進学後に必要となる授業料や生活費を、毎月一定額で計画的に受け取りたい家庭に向いている制度です。
特に、給付型奨学金は学力基準・家計基準が厳しい反面、採用されれば返還不要のため、将来の負担がゼロになる大きなメリットがあります。
奨学金の主な特徴は以下のとおりです。
- 返還は卒業後から始まるため、在学中の負担がない
- 家計基準を満たせば利用しやすい制度(収入が低い家庭ほど対象になりやすい)
- 給付型奨学金なら返還不要で将来の負担はない
奨学金を選択する際に考えておきたいポイントは次のとおりです。
- 在学期間中の授業料や下宿代などの費用をまかなえる
- 家計が厳しい家庭やアルバイト収入が少ない学生にも利用しやすい
- 給付型奨学金を利用することで、将来の返還負担をなくせる
奨学金は「長期的に継続して支援してほしい」家庭に適している制度だといえるでしょう。
5. 教育ローンと奨学金は併用できる?
教育ローンと奨学金の併用は可能です。
ただし、教育ローンと奨学金それぞれの制度や目的、そして借りる人が異なるため、上手に使い分ける必要があります。そうすることで、家計の負担を抑えながら、進学のための資金を確保できるでしょう。
ここでは、教育ローンと奨学金を併用できる仕組みや、具体的な活用方法を紹介します。
5-1 教育ローンと奨学金は併用OK!
教育ローンは、主に保護者が申込み、借り入れます。そして、借り入れた金額は入学前に必要な資金に使えます。
奨学金は学生本人が申込み、給付もしくは貸与を受ける仕組みですが、奨学金が振り込まれるのは入学後です。
そのため、入学までに必要な資金が不足する場合は教育ローンを、入学後に必要な生活費や下宿代などの費用を借り入れたい場合は奨学金という形で使い分けるとよいでしょう。
もちろん、進学後の費用が奨学金だけでは不足する場合は、教育ローンも併用する必要がありますが、その際には借り入れる金額の総額と返済時期をきちんと把握しておくことが大切です。
また、教育ローンの返済は保護者が行いますが、奨学金の返済は学生本人です。借りられる上限の金額まで借り入れるのではなく、卒業して社会人になった際に負担にならない金額を借り入れることも意識しましょう。
5-2 奨学金同士の併用もできる!
奨学金といえば、日本学生支援機構の奨学金が有名ですが、日本学生支援機構の奨学金は大きく「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」に分かれています。そして、「給付型奨学金」と「貸与奨学金」の併用が可能です。
また、貸与型奨学金は、無利子で借りられる「第一種貸与奨学金」と、利息と合わせて返済する「第二種貸与奨学金」に分かれており、「第一種貸与奨学金」と「第二種貸与奨学金」の併用もできます。
奨学金の採用基準は「給付型奨学金」「第一種貸与奨学金」「第二種貸与奨学金」の順で緩やかになりますが、併用することで借り入れる金額を調整できる点がメリットです。
ただし、奨学金の種類によって、学校の推薦や成績基準、家計基準などの条件が異なるため、申込む前に条件をきちんと確認しましょう。
5-3 教育ローンと入学時特別増額貸与奨学金の併用パターンとは?
入学時に高額な費用がかかる場合には、「入学時特別増額貸与奨学金」への申込みも可能です。
ただし、利用するには奨学金の選考にて採用された方に限られ、別途手続きを行わなければなりません。また、「入学時特別増額貸与奨学金」だけの利用はできない点に注意が必要です。
教育ローンと入学時特別増額貸与奨学金を併用することで、入学時にかかる費用を確保でき、さらに在学中の生活費などは奨学金でまかなえます。併用して利用する際には、返済時期が重ならないよう注意しながら返済計画を立てましょう。
6. 教育ローンと奨学金を上手に利用して、無理のない教育費計画を立てよう
教育資金が必要な時期は入学時だけではありません。在学中も教材費や交通費、下宿代などが必要です。
そのため、教育ローンや奨学金を利用する際には、借入金額や返済期間を考慮して毎月の返済額を決め、家計への負担が重くならないよう注意しましょう。全ての金額を見える化し、把握しておくことが大切です。
ここでは教育費を計画的に準備するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
6-1 教育ローンと奨学金の金額と返済期間の目安
一般的に、教育ローンの借入金額は約100万円~約350万円程度。返済期間は5年~15年が目安とされています。
一方、日本学生支援機構の奨学金の貸与額は月額2万円~12万円程度で、自分で設定可能です。返還期間は最長20年ですが、実際には15年程度で返還しているケースが多く見られます。
教育ローンは、入学金や授業料などのまとまった金額を一括で借り入れて10年程度の短期間で返済するケースが多く、奨学金は在学中の生活費用を借り入れて長期間で返還するものと考えればわかりやすいのではないでしょうか。
ただし、給付型奨学金以外はいずれも借り入れた後は返還しなければなりません。そのため、「いつから返還が始まるのか」「金利はどのくらいか」などを確認し、家計の収支に合わせた返済計画を立てることが大切です。
6-2 大学進学にかかる学費・生活費の平均
これから子どもの進学を控えている方にとって、進学にどのくらいの費用がかかるのか不安に感じている方もいるかもしれません。
文部科学省の調査結果によると、私立大学に進学した際の4年間の平均費用は総額で約400万円~約550万円程度です。ただし、自宅外通学だと、別途下宿代や食費など1年間にかかる費用は100万円が加わる場合もあります。
ちなみに、全国大学生活協同組合連合会の「第60回学生生活実態調査」によると、毎月の仕送りの平均額は7万2,350円でした。
これらのデータを参考に、子どもの進学先や通学形態(自宅通学もしくは自宅外通学)に応じて、入学金と授業料そして生活費を合わせた総額を把握し、教育ローンや奨学金でいくら借り入れるのかを計算しておくと安心です。
6-3 教育ローンと奨学金を併用するときの返済計画の立て方
教育ローンと奨学金を併用する場合、返済のタイミングや期間が異なるため、全体を見通した返済計画を立てて管理することが大切です。
まずは、毎月の収支を把握し、無理のない返済額の上限を設定することが基本です。また、返済期間を長めに設定して毎月の負担を抑える方法もありますが、その分返済総額が増える点には注意しましょう。
収入の状況によっては、ボーナス返済や繰り上げ返済なども活用しましょう。
なお、奨学金には返還できない状態になったときに利用できる「返還期限猶予」が用意されています。返還が難しいなと感じた際には早めに日本学生支援機構に問い合わせ、所定の手続きを行うようにしてください。
7. 教育ローン・奨学金の申込時期と手続きの流れ
ここでは、金融機関が提供している教育ローンと、日本学生支援機構が提供している奨学金の申込時期および手続きの流れについて解説します。
それぞれ細かい違いがありますので、申込む際に戸惑わないよう、事前にしっかりと理解しておきましょう。
7-1 教育ローンはいつ申込む?
教育ローンは、入学金や初年度前期の授業料の支払いが発生する前の時期である、秋から冬にかけて申込むケースが多く見られます。ただ、金融機関によっては申込みから融資までに時間がかかるケースもあるため、必要な金額が把握できた時点で申込むことをおすすめします。
また、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関ごとに申込条件や適用金利が異なりますので、事前に複数の金融機関で比較し、どの金融機関を利用するか決めておきましょう。
教育ローンについては、多くの家庭が合格発表後から入学手続き時期に申込みを行いますが、申込みから融資まで2週間~3週間かかるケースも考えられるため、余裕を持った行動が大切です。
また、申込みにあたっては、事前に必要書類を揃えておきましょう。そうすることで、申込み手続きがスムーズに行えます。
具体的には「本人確認書類」「収入証明書類」「合格通知書(受験票)」「資金使途を確認できる書類」などですが、金融機関によって追加の書類が発生する可能性もありますので、こちらも事前の確認が必須です。
金融機関によっては、在学中は利息だけの返済でいいとされる「元金据置制度」を設けているところもあります。在学中の返済が家計の負担になる場合は、利用を検討しましょう。
7-2 奨学金は「予約採用」と「在学採用」の2種類あり!
奨学金は主に日本学生支援機構が提供しています。そして、申込むタイミングは、高校在学中に申込む「予約採用」と、大学などへの入学後に申込む「在学採用」があります。
具体的には、予約採用は高校3年生の春もしくは秋に募集が開始され、在学採用は進学先の大学や専門学校によって受付期間が異なります。
申込む際には家計の収入を証明する書類や、在学を証明する書類、さらに学校の推薦書などが必要です。また、給付型奨学金と貸与型奨学金で、申込条件や選考基準が異なりますので、申込む前に確認しておきましょう。
7-3 必要書類・申込み条件は受験・入学前に確認しておこう
教育ローンと奨学金の両方とも、申込む際の提出書類に不備があったり、提出が期限に間に合わなかったりすると利用できません。
そのため、募集および受験が始まったときや合格発表前から、必要な書類を確認し、不備のないよう準備しておきましょう。
教育ローンは保護者である親が申込むため、親の収入証明書類や勤務先情報などを正確に申告してください。
奨学金の申込みは学校から案内がありますので、内容を確認し、必要な書類を準備しておきましょう。
必要な書類や受付時期については、学校や金融機関の公式サイトで最新情報を確認することも忘れないようにしてください。
教育ローンと奨学金など、複数の制度を検討している方は、スケジュールを一覧化して管理しておくと安心です。
8. 教育ローンと奨学金を賢く併用して教育資金を準備しよう
大学や専門学校への進学には、入学金や授業料のほか、通学形態によっては下宿代や生活費など想像しているよりも多くのお金がかかります。
教育ローンと奨学金は、どちらか一方を選ぶのではなく、目的に応じて併用することで家計の負担を分散できます。
大切なことは、早めに必要な金額を把握し、家計に合った方法で計画的に準備することです。
資金調達に迷った際には、金融機関や日本学生支援機構、また学校に設けられている奨学金担当窓口に相談しましょう。
9. Q & A
ここでは、教育ローンと奨学金に関するよくある質問について、回答も合わせて紹介します。
9-1 教育ローンと奨学金を同時に申込むと、審査に影響はありますか?
基本的に教育ローンと奨学金は別の機関で審査されるため、同時に申込んでも審査に影響はありません。ただ、教育ローンと奨学金の審査基準が異なることは知っておきましょう。
教育ローンは「保護者の収入や信用情報」を基準に金融機関が審査を行うのに対し、奨学金は「学生本人の学力や家計基準」を基に日本学生支援機構が審査します。
同時に教育ローンと奨学金を申込む際には返済負担が大きくなる恐れがあるため、借りられる金額ではなく、将来無理なく返せる金額を意識し、借り入れるようにしましょう。
また、奨学金の返還が3ヶ月以上滞った場合、個人信用情報機関に事故情報として登録され、クレジットカードやローンの申込みに影響を与える点にも注意が必要です。
9-2 教育ローンと奨学金の併用で返済が難しくなったら、どうすればいいですか?
返済が難しいと感じた際には、すぐに教育ローンを借り入れている金融機関や日本学生支援機構に相談しましょう。
教育ローンでは、返済が難しくなった方に向け、「返済期間の延長」や「一時的な返済額の減額措置」などを行ってもらえるケースがあります。
奨学金制度には、毎月の返還額を少なくする「減額返還制度」や、返還を待ってもらう「返還期限猶予」が設けられていますので、速やかに手続きを行いましょう。
早めに手続きを行うことで、個人信用情報機関に信用事故情報が登録されることもなく、返済の負担を軽減できます。
9-3 奨学金は途中からでも申込めますか?
奨学金には、高校在学中に申込む「予約採用」のほか、入学後に申込める「在学採用」があります。
申込む時期は進学先の学校によって異なりますので、利用を考えている人は学校に確認しておきましょう。
また、年度の途中で家計が急変した場合にも対応してもらえる制度もありますので、保護者の退職や収入の減少、被災などの事情があるときには、在籍している学校をとおして相談してください。
- 金利ランキング
ライター紹介
- 氏名
- 新井 智美(あらい ともみ)
- 保有資格
- ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
- 主なキャリア
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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