【第25回】教育ローンは海外留学にも使える?留学専用ローンとの違いは?

1. 海外留学で必要な費用の内訳とは?
そもそも海外留学には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。まずは、この章で海外留学にかかる費用の内訳を確認しておきましょう。留学先の国に関わらず、海外留学自体にかかる費用は「渡航費」「学校の授業やプログラムの参加にかかる費用」「滞在費」の大きく3つに分けられます。具体的に説明すると、渡航費にはビザやパスポートの取得にかかる料金、航空券代、健康診断にかかる費用、手続きに必要な書類を作成するために必要なお金が含まれます。海外留学の出願にかかる料金や留学先の学校への入学金・教材費、渡航準備サポートなどにかかる費用は、学校の授業やプログラムの参加にかかる費用です。そして、留学先での家賃と生活費が滞在費に該当します。この生活費には、食費や通信費、交通費、交際費、小遣いなどが含まれます。
2. 費用の割合は留学期間とビザの種類で変わる
前述した海外留学にかかる費用は、留学する期間と取得するビザの種類によって割合に違いが出てきます。具体的に言えば、海外留学の期間が短いとその分全体の費用に対して渡航費の割合が大きくなります。反対に、留学期間が長くなれば、日割りができる費用の負担が大きくなる仕組みです。この場合は、授業やイベントに参加する日数を減らして留学費用を抑える方法もありますが、いくら留学が短期間であっても必ず必要になってくる支払いはあることを念頭においておきましょう。
ビザは、留学先の国や取得したいビザの種類によって申請にかかる費用が違ってきます。例えば、ビザの中で申請費用が安いのは、観光ビザです。次いで学生ビザ、ワーキングビザの順に費用が高くなります。学生ビザで各国の費用を比較すると、カナダが150カナダドル、アメリカが160ドル、オーストラリアが620オーストラリアドルの費用がかかります。イギリスの場合は留学期間によってビザの申請にかかる費用が異なるのが特徴です。6カ月までなら97ポンド、11カ月までなら186ポンドかかります。また、ニュージーランドは学生ビザの申請であれば、手続きが無料です。ビザの申請にかかる費用をできるだけ抑えることを重視するなら、ニュージーランドへの留学を検討してみてもいいかもしれません。留学先が具体的に決まっていなかったり、どちらの国を選択するか迷っていたりするなら、ビザの費用で選ぶのも1つの方法です。
3. 6カ月の授業にかかる費用はいくら?
ここからは、留学先で6カ月間授業を受けた場合にかかる費用の目安を国ごとに確認していきましょう。まず、前提として、今回は1アメリカドルは120円、1ポンドは150円、1カナダドル90円、1ニュージーランドドル85円として計算します。留学先はアメリカのロサンゼルス、イギリスのロンドン、カナダのトロント、ニュージーランドのオークランドの4つで比較してみましょう。
各国に留学へ行った場合の授業料は、アメリカのロサンゼルスは約100万円~200万円、イギリスのロンドンが約80万円~115万円、カナダのトロントは約65万円~80万円、ニュージーランドのオークランドが約65万円~80万円になります。授業料だけを比較しても、留学先によって必要な費用は大きく変わってくることが分かります。また、海外留学中は各地の物価が滞在費に影響を与えることも覚えておきましょう。
4. 教育ローンは海外留学にも使える?
結論から言うと、銀行や信用金庫などの民間の金融機関が取り扱っている教育ローンは、教育に関する費用に充てられます。なかには、海外留学にかかる費用を資金使途としているものも多いので、教育ローンは留学費用にも使えるといえるでしょう。なお、教育ローンを利用するときは、先に自分がしたい海外留学にお金がいくら必要かを明確にしておくことが大切です。なぜなら、金融機関によって教育ローンの借入限度額が異なるからです。せっかく借り入れの手続きを進めていても借入限度額の関係で、時間の無駄になってしまうこともあるため注意しましょう。また、教育ローンを利用すると借入期間に応じて所定の金利が発生します。金利が高いほど返済総額が大きくなるので、契約前にきちんと確認しておきましょう。この金利も金融機関によって異なるので、あらかじめ複数の金融機関で比較したうえで契約先を決める必要があります。金利の種類については後述するのであわせて確認してください。
5. 留学に使える教育ローンを比較するポイントは?
海外留学の費用を教育ローンでまかなう場合、どのようなポイントに注目してローンを選べばいいのかよく分からない人もいるでしょう。そこでこの章では、海外留学に使える教育ローンを比較するときに確認すべき項目について解説します。
5-1. 国の金融機関か民間の金融機関か
教育ローンは取り扱い先によって、国の金融機関と民間の金融機関の2つに分けられます。国の金融機関の教育ローンとは、日本政策金融公庫の教育貸付のことです。この教育貸付の海外留学用を利用すれば、実質年利1.68%の固定金利で貸付限度額450万円の借り入れが可能です。返済期間は15年に設定されています。同じ日本政策金融公庫の教育貸付の中に国内の大学進学などに資金を充てられるものもありますが、この貸付は限度額が350万円になっており、海外留学用よりも金額が低めなので間違えないように注意しましょう。
銀行や信用金庫などの民間の金融機関が取り扱っている教育ローンの借入限度額は、1,000万円前後になっています。国の金融機関の教育ローンよりも借入限度額が高額なので、海外留学にかかる費用が大きい場合は利用を検討してみましょう。ただし、教育ローンを利用するためには、審査に通る必要があります。海外留学に行く予定でも審査に通らなければ教育ローンは利用できません。審査の基準で言えば、国よりも民間の金融機関の方が比較的柔軟な傾向があります。
5-2. 一括借入型かカードローン型か
教育ローンには、一括借入型とカードローン型の2種類が存在します。一括借入型とは、その名の通り、海外留学に必要な費用をまとめて借りることができます。返済は毎月一定額ずつ支払います。一方、カードローン型は留学期間中にお金が必要になったタイミングで借りることができます。何度もお金を借りたり、返したりできるのが大きな特徴です。一括借入の方が審査に時間がかかるので、利用を考えている場合は前もって手続きを進める必要があります。
カードローン型の教育ローンは、在学中であれば極度額の範囲で何度でも追加借り入れをすることができ、審査は申込み時のみで、以降利用する際は審査が省略されます。そのため授業料を前期・後期で支払う場合などは簡単に借り入れできるためおすすめです。一括借入型もカードローン型も海外留学のために借り入れができますが、一括借入型はカードローン型の資金使途に加え、資格取得や自己研鑽などの費用も想定していることが一般的なので、よく比較するようにしましょう。
5-3. 固定金利か変動金利か
先に少し触れた「金利」ですが、金利には「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利とは、その名の通り、借入期間中の金利が変動せず、完済するまで一定の利率が適用されるものです。金利が変わらなければ返済金額が増えるリスクがないので、安心して利用できるでしょう。また、お金を借りるタイミングで返済総額を計算できるのも、固定金利ならではの特徴として挙げられます。一方、変動金利は借入期間中に金利が変わる可能性があります。金利は景気の影響を受けて変動します。
そのため、お金を借りてから完済するまでの間に大きな景気変動があると金利が急激に変化するケースもあるということです。金利の相場も、金利の種類によって異なります。具体的な値は借入先によりますが、一般的には固定金利が約2%後半台~5%台です。対して変動金利は約1%後半~4%台で、固定金利よりも低めになっています。なお、前述した日本政策金融公庫の教育ローンは、固定金利しかありません。変動金利の方が魅力的に感じる場合は、民間の金融機関の利用を考えるといいでしょう。
6. 比較サイトなら比較検討も申込みも簡単
海外留学のために教育ローンを借りる場合、複数の金融機関・商品を比較して適切なものを選択することが大切です。しかし、「何度も金融機関に行くのは面倒」「自分で教育ローンを比較するのは難しい」と感じている人もいるでしょう。この場合は、カードローンプラスを活用すると便利です。カードローンプラスでは、教育ローンのランキングが紹介されています。人気がある教育ローンの商品情報もスムーズに確認ができるのがポイントです。
大きな額なので比較検討は必須
海外留学にかかる費用を借りる場合は、教育ローンを利用できます。しかし、教育ローンと一口にいっても借入先や商品の選択肢が非常に多いです。そのため、契約前に複数の金融機関でよく比較検討しなければいけません。気になる教育ローンが多い場合は、カードローンプラスを活用してまとめて検索すると良いでしょう。
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ライター紹介
- 氏名
- 丸岡日向子
- 保有資格
- FP3級、日商簿記2級、銀行業務検定各種
- 主なキャリア
- 地方銀行での勤務、税理士事務所での勤務の後、フリーランスのライターとして起業。
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