【第85回】大学の入学金が払えないときの対処法|今すぐ使える制度と期限別の動き方を解説
ただし、支払いが難しいからといって、すぐに進学を諦める必要はありません。大学への延納・分納の相談、公的な支援制度、教育ローンなど、状況に応じた方法があります。
この記事では、大学の入学金が払えないときにまず確認したいことから、支払期限までの残り日数に応じた対処法まで、順を追って解説します。
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2026/11/01 10:04現在。
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1. 大学の入学金はいくら?金額の目安と「払えない」と感じる理由
大学の入学金は数十万円が一般的ですが、入学時には授業料などの支払いも重なるため、短期間で大きな資金が必要になります。
1-1 国立大学の入学金は約28万円、公立大学は地域などによって異なる
文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学の標準額では、入学金28万2,000円と年額授業料53万5,800円が定められており、授業料を半期分として単純計算すると、入学時には約55万円となります。
国立大学では、文部科学省令で授業料や入学金の標準額が定められていますが、すべての大学が必ず同額とは限りません。大学によっては標準額を上回る授業料を設定している場合もあるため、志望校の募集要項などで確認しましょう。
公立大学は、大学や地域によって入学金が異なります。文部科学省「公立大学基礎データ」の調査では、入学金の平均は地域内22万4,369円、地域外38万2,806円でした。居住地などによって金額が変わる大学もあるため、国公立だから一律に28万円程度とは考えず、志望校ごとに確認することが大切です。
出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
文部科学省「公立大学基礎データ(公立大学の授業料等調べ)」
1-2 私立大学の入学金は文系約22万円〜医歯系100万円超
文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、私立大学の2025年度入学金は、全体平均で24万365円です。ただし、学部系統によって差があります。文科系学部は21万9,951円、理科系学部は24万5,362円、医歯系学部は108万8,248円でした。
授業料も、文科系学部は年85万392円、理科系学部は119万5,313円、医歯系学部は282万5,359円と大きく異なります。さらに私立大学では、施設設備費などが別途必要になる場合があります。
2025年度の授業料・入学金・施設設備費の合計は、文科系で約121万2,000円、理科系で約160万2,000円、医歯系で約477万9,000円です。入学金だけでなく、進学する学部全体の納付金を確認しておきましょう。
出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
1-3 入学金だけではない?入学手続き時には50万〜65万円程度必要になるケースも
入学手続きで必要になるのは、入学金だけとは限りません。大学によっては、入学金と合わせて前期分の授業料や施設設備費などの納付を求めるところがあります。
例えば国立大学の標準額では、入学金28万2,000円に、年額授業料53万5,800円の半額にあたる26万7,900円を加えると、約55万円です。私立大学の文科系学部では、入学金21万9,951円と前期授業料約42万5,196円を合わせると約64万5,000円になります。
さらに私立大学では施設設備費なども加わるケースがあります。2025年度の私立大学では、授業料・入学金・施設設備費の合計が全体平均で約138万1,000円、実験実習料なども含めた初年度学生納付金等の総額は約150万8,000円でした。
合格発表から納付期限までの期間が短い大学では、このような費用を短期間で準備しなければなりません。「入学金だけなら何とかなる」と考えていたところ、授業料なども同時に請求されて資金が不足する可能性があります。これが、入学金を「払えない」と感じる大きな理由の一つです。
2. 大学の入学金が払えないとどうなる?
入学金を期限までに納められない場合、入学手続きを完了できず、進学できなくなる可能性があります。まずは期限と返還ルールを確認しましょう。
2-1 納付期限を過ぎると入学辞退・合格取消になる
大学への入学手続きでは、入学金などの納付が入学意思を示す手続きの一つになっています。そのため、指定された期限までに納付せず、大学側への連絡もしないまま期限を過ぎると、入学辞退として扱われるなど、入学資格を失う可能性があります。
納付期限は大学によって異なります。私立大学では合格発表から比較的短期間で設定されることがあり、国公立大学でも前期・後期などによって手続き日程が決められています。また、「入学金を先に納め、授業料は後から納める」というように、手続きを複数の期限に分けている大学もあります。
「数日くらいなら待ってもらえるだろう」と自己判断するのは避けましょう。まず募集要項や入学手続き案内で期限を確認し、間に合わない可能性があると分かった時点で大学へ相談することが重要です。
2-2 一度納めた入学金は原則返還されない
入学金を納めた後に進学を辞退した場合、入学金は原則として返還されません。最高裁判所は2006年11月27日の判決で、入学金について、大学に入学できる地位を取得する対価としての性質があると判断しています。
一方、授業料などについては、入学前に契約を解除した場合、大学がまだ提供していない教育サービスに対応する部分の返還が認められることがあります。ただし、具体的な扱いは大学の募集要項や納付規定によって異なります。
したがって、滑り止めの大学に入学金を納めた後、本命校に合格して進学先を変更した場合には、入学金が戻らない可能性を前提に資金計画を立てる必要があります。
参考:消費者庁「第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)」
3. 【最優先】入学金が払えないときにまずやるべきこと
資金が足りないと分かったとき、いきなりカードローンなどを申込む必要はありません。まず大学に相談し、延納・分納や減免制度が利用できないかを確認しましょう。
3-1 まず学校の窓口に延納・分納を相談する
入学金が払えないと分かったら、最初に連絡したいのが進学先の大学です。入試課、学生支援課、学務課などに電話し、入学金や授業料の延納・分納ができないか確認しましょう。
大学によっては、経済的な事情がある学生を対象に、納付期限の猶予や分割納付などの相談ができる場合があります。利用できる場合でも、申請書や家計状況を示す書類などが必要になることがあります。
相談するときは、「いつまでならいくら用意できるのか」を具体的に伝えると、大学側も対応を検討しやすくなります。例えば「入学金の一部は期限までに用意できるが、残りは2週間後なら用意できる」といった形です。
3-2 入学金の減免・特待生制度がないかを確認する
大学独自の入学金・授業料の減免制度や、給付型奨学金などが利用できないか確認しましょう。成績優秀者を対象とした特待生制度のほか、家計状況、ひとり親世帯、災害による被災などを理由とする減免制度を設けている大学もあります。
特に私立大学では、大学独自の奨学金制度が複数用意されていることがあります。募集要項だけでなく、大学の奨学金・学生支援のページも確認してみましょう。
「国の高等教育の修学支援新制度」と大学独自の支援制度を利用できる場合もあります。ただし、併用の可否や減免額は制度ごとに異なるため、大学の窓口で確認することが大切です。
4. 入学金が払えないときに使える公的な支援制度
公的制度には、返済不要の支援だけでなく、無利子などの貸付制度もあります。家計基準や世帯状況によって利用できる制度が異なるため、ローンを検討する前に対象になるものを確認しましょう。
4-1 修学支援新制度で入学金・授業料の減免と給付が受けられる
高等教育の修学支援新制度は、授業料・入学金の減免と、返還不要の給付型奨学金を組み合わせた制度です。世帯収入や扶養する子どもの人数などによって支援区分が決まり、対象となる大学も一定の要件を満たしている必要があります。
2025年度からは、要件を満たす多子世帯の学生について、所得制限なしで授業料・入学金を一定額まで減免する仕組みが始まりました。
また、2026年度からは、多子世帯の学生についても、進学前に申込む「予約採用」が利用できるようになりました。高校3年生などが在学中に申込み、採用候補者として決定された場合、進学後に必要な手続きを行うことで支援を受けられます。多子世帯の授業料・入学金の減免を希望する場合も、予約採用の申込みを利用できます。
ただし、予約採用に申込んだからといって、入学時の支払いが自動的に不要になるとは限りません。授業料・入学金の減免は進学先の大学が行うため、入学手続き時の納付方法や、減免額の反映時期は大学によって異なります。
入学金をいったん納付し、後から支援額が返還される場合もあるため、入学時に必要な金額については、進学先の大学に確認しましょう。
制度の対象になる可能性がある場合は、入学金の納付期限を迎える前に、在学している高校や進学先の大学に相談することが大切です。予約採用の申込時期や手続き方法は学校によって異なるため、早めに確認しておきましょう。
出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
4-2 低所得世帯は生活福祉資金貸付制度の利用も検討する
低所得世帯で、ほかの制度から必要な資金を借りることが難しい場合は、生活福祉資金の「教育支援資金」を利用できる可能性があります。
教育支援資金には、入学時に必要な費用を対象とする「就学支度費」と、在学中に必要な授業料などを対象とする「教育支援費」があります。大学への進学に利用する場合、「就学支度費」の貸付限度額は50万円以内、「教育支援費」は月6万5,000円以内となっています。
教育支援資金は原則無利子ですが、利用には世帯の収入状況などの条件があり、審査もあります。申込みの窓口は市区町村社会福祉協議会などです。
入学金の支払期限が迫ってから申込むと間に合わない可能性があるため、対象になるかもしれないと思った時点で早めに相談しましょう。
出典:厚生労働省「生活福祉資金(教育支援資金)貸付制度」
4-3 ひとり親は母子父子寡婦福祉資金を入学前に借りられる
ひとり親家庭などでは、母子父子寡婦福祉資金の利用も検討できます。大学への入学に必要な費用を対象とする「就学支度資金」などがあり、入学時の資金を準備する方法の一つになります。
大学等への就学支度資金については、国の制度上、私立大学の場合は59万円、国公立の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校の専門課程などの場合は43万円が貸付限度額として定められています。入学金の減免を受ける場合には、その減免額を差し引いた額が上限となる仕組みです。
自治体によって申請窓口や細かな要件が異なるため、都道府県や市区町村の福祉窓口へ事前に確認しましょう。入学直前では手続きが間に合わない可能性もあるため、早めの相談が必要です。
4-4 自治体独自の入学支度金・奨学金も確認する
都道府県や市区町村によっては、独自の奨学金や入学準備金、就学支援制度を設けている場合があります。自治体だけでなく、公益財団法人や企業などが給付型奨学金を募集していることもあります。
探すときは「○○市 奨学金」「○○県 入学支度金」「○○市 入学準備金」など、居住地を入れて検索すると見つけやすいでしょう。
ただし、奨学金の多くは申込時期が決まっていたり、入学後に支給されたりするため、入学金の支払期限に間に合うとは限りません。入学時の資金と、入学後の費用を分けて考えることがポイントです。
5. 奨学金で入学金は払える?「間に合わない問題」に注意しよう
奨学金を利用する予定でも、「入学前に振り込まれる」とは限りません。特に日本学生支援機構の奨学金は、原則として入学後に初回振込が行われるため、入学金の納付期限とのずれに注意が必要です。
5-1 奨学金の振込は入学後で、入学金の支払いには間に合わない
日本学生支援機構の予約採用で採用候補者となった場合でも、実際の初回振込は進学後です。2026年度については、予約採用の採用候補者は4月〜6月のいずれかの月に初回振込となります。
在学採用の場合は、初回振込が6月または7月になる仕組みです。そのため、3月などに設定されている入学金の納付期限に、通常の奨学金をあてることはできません。
給付型奨学金についても、進学前に支給されるものではありません。修学支援新制度による入学金減免も、入学前に支払った場合は、入学後に減免額が確定して還付される形が基本です。
「奨学金が決まっているから入学金は大丈夫」と考えず、入学前の資金を別に確保する必要があるか確認しましょう。
5-2 つなぎは入学時特別増額貸与奨学金や教育ローンで補う
日本学生支援機構には、第一種・第二種奨学金に加えて利用できる「入学時特別増額貸与奨学金」があります。貸与額は10万円・20万円・30万円・40万円・50万円から選択できます。なお、この奨学金を単独で利用することはできず、第一種または第二種奨学金と併せて申込む必要があります。
注意したいのは振込の時期です。この制度も入学前に振り込まれるわけではなく、入学後の初回振込時に合わせて支給されます。そのため、入学前の資金が必要な場合は、別の方法を検討しなければなりません。
そこで候補になるのが、労働金庫の「入学時必要資金融資」です。日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金の採用候補者など一定の条件を満たす方を対象に、入学前の入学金・授業料を借り入れ、後から支給される奨学金を返済原資とする仕組みです。
利用にあたっては、利用条件や申込期限、審査がある点にも注意が必要です。納付期限の直前では間に合わない場合もあるため、採用候補者決定通知を受け取った段階で確認しておくと安心です。
6. 入学金を教育ローンで借り入れして用意する方法
公的支援だけでは不足する場合や、支援制度の審査・入金が支払期限に間に合わない場合は、教育ローンも選択肢になります。国・銀行・労働金庫などで条件が異なるため、金利だけでなく融資までの期間も比較しましょう。
6-1 国の教育ローンなら350万円(条件により最大450万円)を固定金利で借りられる
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、入学金や授業料、受験費用など幅広い教育資金に利用できる公的な融資制度です。基本の融資限度額は子ども1人につき350万円以内で、一定の要件を満たす場合は450万円以内となります。
2026年10月1日時点の金利は固定金利年4.05%です。世帯年収には子どもの人数に応じた上限があり、一定の要件を満たす場合には金利や保証料の優遇があります。
注意したいのは、申込みから融資までに時間がかかることです。日本政策金融公庫では、通常、申込み完了から審査結果まで10日前後、さらに融資まで10日前後かかると案内しています。受験・入学準備シーズンの10月〜3月は申込みが集中し、通常より時間がかかる可能性があるため、必要時期の2〜3か月前の申込みが推奨されています。
「金利が低いから安心」と考えるだけでなく、実際の納付期限までに融資が実行されるかを確認しながら行動しましょう。
6-2 民間の教育ローンは年収上限がなく審査が比較的早い
銀行などの民間金融機関でも、入学金や授業料に利用できる教育ローンを取り扱っています。国の教育ローンとは異なり、世帯年収の上限を一律に設けているわけではありませんが、年収や勤続年数、信用情報などを審査基準とする金融機関があります。利用条件は商品ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
借入方法には、必要な金額をまとめて借りる証書貸付型や、あらかじめ契約した借入限度額の範囲内で必要なときに借りるタイプがあります。金融機関によっては、入学前の学費などを対象とした融資にも対応しています。
また、労働金庫(ろうきん)にも教育ローンがあり、組合員など一定の条件を満たす勤労者が利用できます。商品によって金利や融資条件が異なるため、利用できるかどうかを含めて確認しましょう。
入学金の支払期限が迫っている場合は、金利だけでなく「申込みから融資までにどのくらいかかるか」も確認し、期限に間に合うかを金融機関に問い合わせておくことが大切です。
6-3 入学金の支払いを急ぐ場合はノンバンクのカードローンでつなげる
支払期限まで数日しかなく、教育ローンの審査が間に合わない場合には、カードローンを短期のつなぎ資金として検討する方法もあります。
ただし、カードローンは教育ローンより金利が高い場合が多く、高額な借り入れを長期間続けると利息負担が大きくなりやすいため、入学金全額を長期にわたって借り続ける用途には慎重な判断が必要です。
また、貸金業者からの借り入れには、原則として年収の3分の1を超える新規借り入れを制限する「総量規制」があります。すでにほかの借り入れがある場合などは、希望額を借りられないこともあります。
利用する場合は、必要最低限の金額にとどめ、いつ、どのように返済するのかを事前に計算しておきましょう。広告の「即日融資」だけを見て決めるのではなく、金利、借入額、返済期間、返済総額を確認しましょう。
また、貸金業者から借り入れる場合は、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」などを利用して、正規の貸金業者であることも確認しましょう。
7. 見落としがちな入学金トラブルと対処法
入学金の準備では、単純に金額だけを見ると見落としやすい問題があります。特に、複数大学を受験する場合と、親族から援助を受ける場合は注意が必要です。
7-1 入学金の二重払いは合格発表日と納付期限の一覧化で防ぐ
滑り止めの大学の入学金納付期限が、本命大学の合格発表より前に設定されていると、進学しない大学にも入学金を支払わなければならないケースがあります。
入学金は、後から本命校に進学すると決めても原則として返還されません。そのため、受験校を決める段階で「合格発表日」「入学金納付期限」「授業料等の納付期限」を一覧にしておくと、必要な資金を把握しやすくなります。
また、入学金と授業料の納付期限を分けている大学や、納付猶予制度を設けている大学もあります。受験料だけで大学を比較するのではなく、合格後の資金繰りまで確認しておくことが重要です。
7-2 祖父母などからの教育費の援助は「都度・必要額」なら贈与税がかからない場合がある
祖父母などから大学の入学金や授業料の援助を受ける場合、教育費として必要な都度、直接その支払いに充てるために贈与を受けた金銭については、通常必要と認められる範囲で贈与税がかかりません。
一方、数年分の教育費をまとめて受け取り、使わないまま預貯金として残している場合、その部分は贈与税の対象となる可能性があります。まとまった金額を受け取る場合は、税務上の扱いを確認しておきましょう。
なお、祖父母などから教育資金を一括贈与する場合の非課税特例は、2026年3月31日で終了しました。2026年4月1日以降、新たにこの特例を利用することはできません。ただし、2026年3月31日までに制度を利用していた資金については、一定の条件を満たせば引き続き制度の対象になります。
8. 【期限別】入学金が払えないときの動き方フロー
入学金の支払いまで残された時間によって、選べる方法は変わります。時間がある場合は公的支援や低金利の教育ローンを優先し、期限が迫っている場合は大学への相談と資金調達を同時に進めましょう。
8-1 【期限まで2週間以上あるなら】相談、公的支援、教育ローンの順で動く
支払期限まで2週間以上あるなら、まず大学に延納・分納が可能か相談します。同時に、修学支援新制度や生活福祉資金、ひとり親世帯向けの制度など、利用できる公的支援を確認しましょう。
公的支援だけで不足する場合は、国の教育ローンや銀行の教育ローンを比較します。
特に国の教育ローンは、通常、審査や融資まで一定の日数がかかります。日本政策金融公庫では、必要時期の2〜3か月前の申込みを推奨しています。2週間以上あるから十分とは限らないため、期限を基準に逆算して動くことが大切です。
8-2 【期限まで数日なら】大学への延納相談と利用可能な資金調達を並行する
支払期限まで数日しかない場合は、まず大学に電話して、納付期限を延ばせないか確認しましょう。大学によっては事情を確認したうえで、納付期限の猶予や分納を認める場合があります。
同時に、家族・親族からの一時的な援助や、審査期間が比較的短い金融機関の教育ローンなども確認します。
カードローンを利用する場合は、あくまで必要額だけを短期間借りる方法として考え、後から教育ローンなどに切り替えられるかも含めて返済計画を立てましょう。期限が迫っているほど、「どの制度が一番お得か」だけでなく、「期限までに実際に資金を用意できるか」を優先して確認することが重要です。
9. 大学の入学金・学費が払えない状況を防ぐための備え
入学直前に資金不足にならないためには、大学進学に必要な金額と支払時期を早めに把握しておくことが基本です。
学資保険を利用している場合は、満期時期が大学入学時に合うか確認しましょう。児童手当を生活費に使わず、将来の教育費として積み立てておく方法もあります。
NISAを利用する場合は、長期・積立を前提として教育資金を準備する方法も考えられます。ただし、投資には元本割れの可能性があるため、数年以内に必ず必要となる入学金をすべて投資に回すのではなく、支払時期が近づいた資金は現金化しやすい形で確保することも大切です。
特に重要なのは、「大学4年間でいくら必要か」だけでなく、「合格後のいつ、いくら払うのか」を把握することです。入学金、前期授業料、施設設備費などの支払時期を確認し、必要な金額から逆算して準備しておきましょう。
10. 入学金が払えないときは「相談、公的支援、ローン」の順で早めに動く
大学の入学金が払えないとき、最初から借り入れだけを考える必要はありません。まず大学に延納・分納を相談し、減免制度や高等教育の修学支援新制度、公的な貸付制度など、自分が利用できる制度を確認しましょう。
それでも不足する場合は、国の教育ローンや銀行の教育ローンを検討します。支払期限が目前に迫っている場合には、短期のつなぎとして別の借入手段を検討することもありますが、金利や返済額を確認したうえで利用することが大切です。
また、奨学金は原則として入学後に振り込まれるため、入学金の支払いには間に合わない点にも注意が必要です。
「払えない」と気づいた時点が、対策を始めるタイミングです。支払期限までの残り日数を確認し、今日できることから一つずつ進めていきましょう。
教育ローン&大学の入学金が払えないときのよくある質問(FAQ)
ここからは教育ローンのよくある質問について、その回答と合わせて紹介します。
- 入学金だけ先に払うことはできる?
- 大学によっては、入学金の納付期限と授業料などの納付期限を分けている場合があります。その場合、入学金を先に納め、授業料を後の期限までに支払うことが可能です。
ただし、すべての大学が同じ仕組みを採用しているわけではありません。分納や納付猶予が利用できるかも大学ごとに異なります。
入学手続きの案内を確認し、分からない場合は入試課などに直接問い合わせましょう。支払期限を過ぎてから相談するのではなく、間に合わない可能性が分かった段階で相談することがポイントです。 - 奨学金の予約採用に落ちたら入学金は用意できない?
- 日本学生支援機構の予約採用で不採用となっても、それだけで奨学金を利用できなくなるとは限りません。大学入学後の「在学採用」に申込める場合があります。ただし、在学採用の場合も初回振込は入学後になるため、入学金の支払期限に間に合わせるための資金にはなりません。
入学前の資金については、大学の納付猶予制度、公的貸付、国の教育ローン、労働金庫の入学時必要資金融資など、別の方法を検討する必要があります。
また、不採用となった理由が家計基準や学力基準などのどこにあるのかを確認し、修学支援新制度など別の支援制度の対象にならないかも確認しましょう。 - 入学金が払えず辞退したら受験料も無駄になる?
- 受験料は、大学の入学試験を受けるために支払う費用なので、入学を辞退したからといって原則として返還されません。入学金も、入学を辞退した場合に原則返還されない点に注意が必要です。一方、授業料など入学金以外の納付金は、入学前に辞退した場合に返還されることがあります。
つまり、受験料と入学金は基本的に戻らないものとして考え、授業料などについては大学の返還規定を確認する、という整理が分かりやすいでしょう。
もし資金不足によって辞退を検討しているなら、先に大学へ相談することが大切です。納付猶予や分納、減免制度などを利用できれば、進学を断念せずにすむ可能性があります。辞退を決める前に、利用できる制度がないか確認しましょう。 - 教育ローンにはどんな種類がある?
- 民間の金融機関が提供する「民間の教育ローン」と、日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」の2種類あります。国の教育ローンは固定金利で長期返済できるのが特長で、利用条件を満たさないと使えません。民間の教育ローンは借入可能額の上限が高い金融機関もあるため、用途に合わせて申込みを検討しましょう。
- 教育ローンの金利相場はどのくらい?
- 教育ローンの金利相場は約1%〜5%になります。国の教育ローンは固定金利で年4.05%です(2026年10月時点)。民間の教育ローンの金利はさまざまで、固定金利か変動金利によっても異なります。キャンペーンの適用により低金利で借りられる場合もあるので、申込みの際は事前に各金融機関のローン情報を確認しましょう。
- 教育ローンの審査基準とは?
- 教育ローンの審査基準は、契約者に返済能力があるかを重視されるのが一般的です。金融機関によって審査基準は異なりますが、他にも返済中の借り入れがある場合や、信用情報に延滞などの履歴が登録されている場合は審査に通りにくい可能性があります。
- 教育ローンの返済方法は?
- 教育ローンの返済方法は、一般的に「元利均等返済」になります。元利均等返済は、毎月の返済額が均等になるように設定されるので返済計画が立てやすいのがメリットです。返済が進むほど元金が減るので利息額は減り、その分元金の返済額が増えていきます。一括返済や繰上返済を利用して利息を抑えることも検討しましょう。
- 教育ローンのお金を借りるまでの流れは?
- 教育ローンを利用するには、まずローンの申込みをしてから各金融機関で実施する仮審査と本審査に通過する必要があります。本審査を受けるには契約者の本人確認書類などの書類提出が必要となります。審査に通過して契約を締結後に契約者の口座に入金がされる流れとなります。
- 教育ローンを利用するには保証人が必要?
- 教育ローンは一般的に保証人が不要です。理由は保証会社が保証人の役割を担っているためです。保証会社とはローンの契約者が返済できなくなった際、本人に代わり借入先の金融機関に返済を行う会社です。また、国の教育ローンも教育資金融資保証基金の保証を受ける場合は保証人は不要になりますが、保証人を立てることも可能です。
- 教育ローンの借り入れまでの日数はどのくらい?
- 教育ローンの申込みから借り入れまでの日数は金融機関によって異なります。民間の教育ローンの場合は一般的に2週間〜3週間程度です。国の教育ローンは3週間から1か月と民間の教育ローンよりも時間がかかるため余裕を持って申込みをするとよいでしょう。
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ライター紹介
- 氏名
- 新井 智美(あらい ともみ)
- 保有資格
- ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
- 主なキャリア
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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