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【第40回】ペアローンとは|メリット・デメリットや収入合算との違いを解説

2021年12月09日
ペアローンとは|メリット・デメリットや収入合算との違いを解説
一般的に住宅ローンを組む際には、1人が契約者となり申込むことが多いですが、夫婦共働き世帯などであれば、それぞれが契約者となって申込むペアローンの利用も可能です。ペアローンを利用することで、希望の借入額を増やせる可能性があります。一方で、気をつけておきたいデメリットも存在します。
本記事では「ペアローンとは何か」について解説するとともに、利用する際の注意点も紹介するので、利用を考える際の参考にしてください。

1. ペアローンとは

ペアローンとは、住宅ローンを組む際に1つの物件に対して2人が契約者となり、お互いがお互いの連帯保証人となる仕組みです。この場合の2人は夫婦でなければならないというわけではなく、親子でペアローンを組む「親子ペアローン」といった商品もあります。

ペアローンの利用条件は利用条件が金融機関ごとに異なるため、事前に詳細を確認しておきましょう。

2. 収入合算(連帯保証型・連帯債務型)との違いを解説

2人で住宅ローンを組む方法として、ペアローン以外に収入合算があります。また、この収入合算には連帯保証型と連帯債務型の2種類が存在します。それぞれペアローンとどのような違いがあるのかについて、しっかりと理解しておきましょう。

2-1. 収入合算(連帯保証型)との違い

収入合算(連帯保証型)とは、2人の収入を合わせて申込む方法です。ペアローンと似ていますが、契約者は1人となる点が大きく異なります。収入合算(連帯保証型)は主債務者しか団信へ加入や、住宅ローン控除を受けられないことを理解しておきましょう。

連帯保証型の場合、収入を合算した側が契約者となり、もう一方は連帯保証人となります。契約者が住宅ローンを支払えなくなった際には、もう一方がその債務を肩代わりする仕組みです。ただしペアローンと違って収入合算(連帯保証型)は、住宅ローン契約が1本になるため事務手数料も1本分のみとなります。

2-2. 収入合算(連帯債務型)との違い

収入合算の連帯債務型の契約者は1人ですが、収入合算した側は主となる債務者(契約者)となり、もう一方が連帯債務者となります。両方が債務者となる点が連帯保証型と異なります。そして、契約者および収入合算した人両方がその持分割合に対して住宅ローンの返済義務を負うことになります。

収入合算(連帯保証型)は2人とも債務者になることから、持分割合に応じた住宅ローン控除の適用を受けられます。事務手数料は連帯保証型と同様に、1回分だけで済むのがペアローンと異なる点です。

3. ペアローンを利用するメリットとは

収入合算のそれぞれの仕組みを理解したうえで、ペアローンを利用するメリットを確認していきましょう。

3-1. 1人で契約するよりも借入限度額が大きくなる

住宅ローンの審査において、借入金額(融資金額)は申込者の年収や年齢、勤務先、勤務形態、勤務年数などの属性によって決まります。債務者の双方が働いていて収入を得ている場合、通常の住宅ローンと比べてペアローンの方が借入限度額が高くなる可能性が高いです。

どちらか一方の収入だけでは希望借入額までの借り入れが難しい場合は、ペアローンを利用するメリットが大きくなるでしょう。

3-2. 異なる金利プランを選択できる

ペアローンは申込先の金融機関は同じである必要がありますが、2人で申込むからといって必ずしも金利プランを合わせる必要はありません。たとえば片方が固定金利、そしてもう片方が変動金利といった別々の金利プランを選択できます。

異なる金利プランを選択しておけば、変動金利における低金利利用の恩恵を受けられるほか、固定金利ならではの返済計画の立てやすさのメリットを感じられるでしょう。

3-3. 各債務者に住宅ローン控除が適用される

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローン等の年末残高の合計額をもとに所定の金額が所得税額から控除される仕組みです。2022年12月31日までに自分の住むための住居として利用を開始した場合に適用され、住み始めた年以後の各年分の所得税額から控除されます。

ペアローンの場合、契約時のそれぞれの借入金額に応じた住宅ローン控除が適用されます。両方の所得税から控除されるため、収入合算(連帯保証型・連帯債務)などでお金を借りた場合と比較すると結果的に大きな節税効果を感じられる可能性が高いです。

3-4. 持ち分に応じてすまい給付金を受け取れる

住まい給付金とは、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度で、住宅ローン控除とあわせて利用できます。住宅ローン控除が原則10年間(要件を満たす場合は13年間)の適用であるのに対し、すまい給付金は購入した際に給付金が支払われます。

給付金額は給付基礎額および持ち分に応じて決まります。持ち分について後述するのであわせてご確認ください。

すまい給付金は新築住宅だけではなく、中古住宅も対象です。ただし、給付金を受けるためには指定の検査を受けるなど、住宅の品質や安全性の確認が必要です。

3-5. それぞれが団信(団体信用生命保険)に加入できる

前述の通りペアローンは、それぞれが団信(団体信用生命保険)に加入できます。団信に加入すれば片方の契約者に万が一のことがあった場合や、団信のプランによっては病気が原因で働けなくなった場合に保障が適用されるのがポイントです。

住宅ローンの返済期間中に何らかの理由で返済が困難な状況になった際(例:死亡、高度障害状態)には、その対象となる契約者の持分についてその後の返済が保障されます。残りの住宅ローンは金融機関が返済するため、利用者としてはペアで団信に加入できた方が安心です。

3-6. 売却時の特別控除が増える

土地や建物を売ったときには、譲渡所得の金額の計算において条件を満たせば、特例として3,000万円の特別控除を受けられます。この特別控除は自宅を売却した際にも適用されます。

そのためペアローンを利用しており、自宅の登記がペアの共同名義となっている場合は、ペアそれぞれに3,000万円の特別控除が適用可能です。つまりペアで合計すると最大6,000万円の特別控除の枠が利用できます。

将来住宅の売却を検討しているペアは、ペアローンで住宅を購入して特別控除をうまく活用すると大きなメリットを感じられるでしょう。

4. ペアローンを利用するデメリットとは

ペアローンの利用前に、デメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。

4-1. 夫婦の場合、離婚したときに面倒

夫婦でペアローンを組んだ場合、離婚の際の手続きが非常に面倒となることは覚えておきましょう。離婚後に住宅ローンがまだ残っている家に夫婦どちらかが住み続ける場合は、出ていく側の持ち分を住み続ける側に移す必要があります。しかし、この所有名義変更手続きは非常にハードルが高いです。

また、住宅を売却するにしても双方の同意が必要です。話がまとまらない場合は弁護士を入れてきちんと方向性を決めなければいけません。

その他、住宅ローンの手続きが終わっていない状態でも返済日は訪れます。夫婦で話がついていないことが原因でどちらかがローンを支払わなければ、連帯保証人であるもう一方が代わりにお金を出すことになります。

ペアローンを利用する場合は離婚した場合に複雑な問題が発生しうることを念頭においておきましょう。

4-2. 通常のローンよりも手数料が高い

ペアローンは2本の契約となるため、事務手数料や登記費用、印紙代などの初期費用が通常の2倍かかります。場合によっては数十万円にもなることがあるため、それが2倍となると家計には大きな負担でしょう。

住宅ローンの初期費用をできるだけ抑えたい人にとっては、重いデメリットかもしれません。

4-3. 高額借入によって返済リスクが高まる

ペアローンは通常のローンと比較すると借入金額が高くなりやすいですが、借入金額があまりに高額になると毎月の返済額も自ずと上がります。金額によっては、毎月の返済が負担になる恐れもあるでしょう。

どちらか片方が出産や育児、病気などで休職した場合はその間の収入が無くなってしまうため、それでも住宅ローンを滞りなく返済できるかどうかを考えておく必要があります。

加えて片方の返済を肩代わりすることになった場合は、夫婦間での贈与とみなされて贈与税の対象となる可能性も忘れてはいけません。

4-4. ペアのそれぞれが審査に通過しなければいけない

ペアローンは契約者が2人となることから、それぞれが審査を受ける必要があります。その際、どちらかが審査に通らなかった場合、ペアローンを利用できなくなるため注意しなければいけません。

ペアローンに限らず、ローンの審査に通るためには事前に申込条件や自分の属性、信用情報の事故の有無、他社からの借り入れなどを把握しておくことが大切です。

4-5. 万が一のときに、団信でローンをカバーしきれない恐れがある

契約者2人ともが団信に加入できる点はペアローンのメリットでもありますが、デメリットとしても捉えられます。なぜなら、団信で保障されるのは、万が一のことが起きてしまった契約者の持ち分までです。したがって、一方に万が一のことがあったとしても、もう片方の返済義務が消えない点はペアローンのデメリットと言えます。

就業不能状態になっていないペアの片方は引き続き返済が必要になるため、ペアローンの団信だけでは保障が不十分になるかもしれません。別の保険商品に加入するなど、事前の対策が重要です。

4-6. あらかじめ持ち分を決めておく必要がある

持ち分とは、不動産の所有権の割合を指します。ペアローンを利用して購入した住宅については、夫婦共有となります。そのため、登記も持ち分の割合をしっかりと決めたうえで行わなければなりません。

持ち分割合は自由に決められるものではなく、それぞれが出資した頭金や住宅ローンの契約金額に沿ったものである必要があります。一般に「出資額÷不動産の購入代金」で持ち分割合を決定する仕組みです。

もし、登記上の持ち分の割合と出資額や契約金額が合わないことが判明すると、夫婦間で贈与があったとみなされる可能性があります。贈与だと判断されると贈与税の課税対象となり、税金の支払いが必要になるため注意が必要です。

5. ペアローンを組む手順を確認しよう

ここから、ペアローンを利用する際の流れを解説します。契約に必要なものもあわせて確認しましょう。

5-1. 契約の流れ

ペアローンの一般的な契約の流れは、以下の通りです。

  • 必要情報を記載してペアローンに申込む
  • 仮審査が実施される
  • 本人確認書類など追加書類を提出する
  • 本審査が実施される
  • 審査結果が通知される
  • ぺアローンの契約を結ぶ
  • 口座にお金が振り込まれる

まずは、必要情報を記載してペアローンに申込みます。窓口で申込書を提出する方法だけでなく、ネットでの申込みに対応している金融機関も増えている状況です。金融機関に伝えた情報をもとに仮審査が行われ、無事仮審査に通過すると本審査に移ります。

本審査を通過して契約締結まで終了したら、口座に借入金額が振り込まれるといった流れとなります。

5-2. 契約に必要なもの

契約に必要な書類は、通常の仮審査や本審査と変わりません。仮審査と本審査に分けてそれぞれ必要な書類を下記にまとめているので、ぜひ参考にしてください。

仮審査の必要書類

  • 仮審査申込書
  • 本人確認書類
  • 収入証明書類
  • 購入する住宅の概要がわかるもの(パンフレットなど)

本審査の必要書類

  • 住宅ローン申込書
  • 本人確認書類
  • 収入証明書類
  • 住民票
  • 物件の売買契約書(注文住宅の場合は工事請負契約書も必要)
  • 不動産登記簿謄本

なお、金融機関によって契約に必要な書類が異なるため、事前に公式サイトなどで確認することをおすすめします。

6. ペアローンとは、借入限度額を上げたい人・節税効果を感じたい人におすすめのローン

ペアローンを利用することで借入限度額を上げられ、また双方が住宅ローン控除やすまい給付金の適用を受けられます。節税効果を期待している方にもペアローンの利用がおすすめです。

ただし、住宅ローンの契約時にかかる費用が通常の2倍になる点や、離婚の際に住宅ローンが残っている場合はその対応が非常に面倒であるといったデメリットもあります。利用の際は慎重に考えることが大切です。

ぺアローンを検討中の方はいくつかのローンをまとめて比較できるサイトがあるため、こちらをうまく活用して自分たちに最適な住宅ローンを探してみるといいでしょう。

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ライター紹介

氏名:
新井智美
保有資格:
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
主なキャリア:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。