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【第86回】医療ローンとクレジット分割はどちらにすべき?両者の違いを比較します

2023年05月19日
医療ローンとクレジット分割はどちらにすべき?両者の違いを比較します
 高額な医療費が必要になったときや、保険適用外の脱毛や美容整形などをうける際には、医療ローンの利用を検討することもあるでしょう。もちろん、高額な医療費の支払いは医療ローンだけではなくクレジットカードの分割払いを利用する方法もあります。
 今回は高額な医療費の支払いについて、医療ローンを利用するべきか、ほかの支払い方法を利用するべきか迷っている方に向け、医療ローンとクレジットカードの分割払いについて解説します。

この記事は約8分45秒で読むことができます。

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    1. 医療ローンとは

    医療ローンとは、レーシックやインプラントなど、主に保険適用外の医療費の支払いのために利用するローンです。保険適用外の医療費は支払総額が高額になることから、自己資金では支払えない場合に役立ちます。

    医療ローンは目的別ローンの一つで、金融機関がクリニックに対して医療費を支払い、医療ローンの利用者は金融機関に対して返済を行う仕組みです。クリニックによっては、提携している医療ローンを指定するところもあります。

    2. 医療ローンの対象項目

    保険適用の診療を受けた場合、その治療費が高額になった場合には高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度とは、医療費の支払いが家計の負担になることを防ぐ目的で、医療機関や薬局で支払う医療費が1ヶ月間(1日から末日)で収入によって決められた上限を超えた場合にその超えた額を公費で負担されるものです。

    しかし、保険適用外の診療を受けた場合は、高額療養費制度の対象にならないため、いくら高額な医療費がかかったとしても自分で支払わなければなりません。医療ローンが対象とする診察項目は幅広いため、この章では代表的な項目を紹介します。

    2-1 先進医療

    先進医療とは、厚生労働大臣が承認した先進性の高い医療技術をいいます。新しい医療技術の中で効果は期待されているけれど、現時点では公的な医療保険の対象とは認められていません。先進医療を受けた場合の技術料については全て自己負担となります。

    例えば、がんの治療に使われる陽子線治療や重粒子線治療だと、300万円程度の費用がかかります。先進医療には医療ローンが利用できますので、必要であれば医療ローンの利用も考えておきましょう。

    2-2 入院や手術にかかる費用

    入院や手術も基本的には医療保険の対象であるため、現役世代では3割の自己負担です。しかし、個室や少人数の部屋を希望した際の差額ベッド代、テレビカード代、パジャマ代などは医療保険の対象外です。そのため、入院期間が長くなったことにより、保険適用外の費用が高額になった際には医療ローンの利用が可能です。

    もちろん、手術で先進医療を利用した際の手術代なども保険適用外になりますので、医療ローンの対象になります。

    2-3 歯科治療・歯科矯正

    虫歯や歯周病の治療は保険適用になりますが、詰め物を保険適用外の白いセラミックにすることや、歯列矯正も保険が適用されませんので全額自己負担です。このような保険適用外の歯科治療は歯科矯正も医療ローンが利用できます。

    歯科治療は見た目や機能の面から、保険適用できるものでもあえて自由診療の治療を選ぶ方も多くいます。自由診療で治療費が高額になるときには、医療ローンを検討してみましょう。

    2-4 脱毛・美容皮膚科・美容外科など

    美容目的の脱毛や美容整形も原則として保険適用外であるため、費用が高額になりがちです。こういった美容目的の医療行為でも医療ローンの対象になります。ただし、サロン脱毛は医療行為ではないため、医療ローンの対象となりません。

    クリニックによっては提携している医療ローンがあり、利用できる医療ローンの種類が限定されることもあります。事前に確認してみてください。

    2-5 AGA治療

    AGA治療とは、薄毛に対する治療のことです。この治療は保険が適用されることは珍しく、ほとんどが保険適用外で治療費の全額が自己負担です。費用が高額になりやすいことから、医療ローンを利用する方もいます。

    AGA治療のほか、クリニックによる植毛も医療ローンの対象となることがあります。医療ローンを使用したいのであれば、美容系のサロンではなく医療クリニックが行っているものを利用しましょう。

    3. クレジットカードの分割払いとは

    クレジットカードの分割払いとは、クレジットカードの利用金額を分割して支払う方法です。一般的にクレジットカードは2回払いまでは手数料がかかりませんが、3回以上の分割払いになると手数料が発生します。

    分割回数が多ければ多いほど支払う手数料の額も上がるため、分割払いを利用する際には、事前に分割払いの回数ごとの支払い手数料を確認するようにしましょう。

    利用する店舗や医療機関が扱っているのであれば、分割払いは基本的にどのような支払いにも利用できます。

    また、クレジットカードの支払い方法には分割払い以外にリボ払いがあります。リボ払いは使用した額に関わらず毎月の支払い額が一定である支払い方法です。毎月定額の支払いにできる点がメリットですが、借入残高に応じて手数料が発生します。

    場合によっては毎月の支払いの内訳がほとんど手数料で、元金の返済がなかなか終わらないパターンも生じるため、注意が必要です。

    4. 医療ローンとクレジットカード分割払いの違い

    医療ローンとクレジットカード分割払いにはどのような違いがあるのでしょうか。この違いを理解することで、どちらの支払い方法が自分に合っているか判断できるでしょう。この章では医療ローンとクレジットカードの分割払いの違いについて解説します。

    4-1 返済期間

    クレジットカードの分割払いは24回が最長です。それに対し、一般的な医療ローンは60回払いまで設定可能です。そのため、医療ローンのほうが返済期間を長く設定でき、1回分の支払いの負担を軽くできます。ただし、返済期間が長い分、手数料の負担が重くなる点は注意が必要です。

    4-2 審査・融資までの時間

    医療ローンは融資の一つであるため、申込んでから審査を受け、審査が完了するまでは融資は行われません。審査にかかる時間は商品によって異なりますが、数日から1週間はかかると思っておきましょう。

    クレジットカードの場合は、申込みのときの審査であらかじめ利用上限額が決められており、その範囲内であれば再度審査を受けることなく利用できます。申込みや審査の手続きが不要なため、医療ローンよりも早く利用できる点はメリットといえるでしょう。

    4-3 手数料

    分割手数料は医療ローンもクレジットカードもどちらも発生します。ただし、医療ローンのほうが手数料はやや低い傾向にあります。

    適用される金利や分割払いの手数料、支払い回数などによってシミュレーションを行い、計算してみましょう。毎月の返済額は無理なく返済できる額にし、延滞が起きないようにしましょう。しかし、返済額を低く設定すると支払い回数が増えるため、その分手数料がかかります。

    4-4 借入可能額

    クレジットカードの毎月の借入可能額は、利用者の信用度やクレジットカードの利用回数、返済状況などによって決まります。また、設定されている利用上限額を増やしたい場合はカード会社に申請し、審査を受けることが必要です。

    そのため、クレジットカードの借入可能額では必要な金額が足りないというケースも珍しくありません。

    一方、医療ローンの借入可能額は300万円~500万円と高額です。審査を受けなければならないのは医療ローンも同様ですが、医療ローンのほうが借入可能額は高いでしょう。

    4-5 中途解約や一括返済はできるか

    一定期間クリニックに通うことを前提で治療を受け始めた場合でも、引っ越しなどでクリニックへの通院が難しくなる可能性もあります。その際には多くのクリニックで医療ローンの途中解約が可能です。

    中途解約を行った場合は、未利用分が返金されますが、返金方法については契約時に説明があるためしっかりと聞いておきましょう。

    一括返済の可否については、医療ローンを提供している会社によって異なります。一括返済や繰り上げ返済を行えるローン会社もあれば、どちらかしか行えないローン会社もあります。また、一括返済を行う場合に手数料が発生することもありますので最初に確認しておきましょう。

    クレジットカードの分割払いを一括返済することも基本的には可能です。ただ、支払い方法の変更という理由で手数料が発生する可能性があります。

    4-6 パートやアルバイトでも利用できるか

    医療ローンの商品によりますが、基本的にパートやアルバイトでも利用できます。

    通常、ローンの審査では「安定した収入がある」ことを条件としていますが、パートやアルバイトで毎月一定額の収入があるならば「安定した収入がある」と判断されます。

    ただし、パートやアルバイトの場合、返済能力がそこまで高くないと判断される可能性が高いため、借入可能額が少なくなる可能性は否定できません。

    クレジットカードは、パートやアルバイトだけではなく、無職でも配偶者に安定収入があれば作れます。しかし、その場合毎月の利用可能額は低めに設定されることが多く、必要な額まで利用できないこともあるでしょう。

    5. 医療ローンがおすすめな方

    医療ローンがおすすめな方として一番に挙げられるのは、医療費の支払総額が高額になる方です。医療費の支払総額がクレジットカードの月の利用上限額を超えている場合は、クレジットカードの分割払いは使用できません。

    また、分割払いの手数料については、クレジットカードよりも医療ローンのほうが少ない傾向にあるため、手数料の負担を抑えたいと思う方にも医療ローンはおすすめです。

    6. クレジットカード分割払いがおすすめな方

    クレジットカードの分割払いがおすすめな方は、利用した金額を早く支払いたいと考える方です。医療ローンと比べ、クレジットカードのほうが分割払いの回数は少なくなる傾向にあるため、医療ローンよりも早く完済可能です。

    また、クレジットカードの魅力は、決済のときに審査が必要ないという点です。なるべく早く医療行為を受けたい方はクレジットカードをおすすめします。

    一般的にクレジットカードのほうが医療ローンよりも分割払いの手数料が高い傾向にあります。そのため、手数料が高くても構わないから早く返したいと考えている方や、早く返すためには1回の支払総額が大きくなっても構わないと思っている方にもクレジットカードの分割払いがおすすめです。

    7. そのほかの支払い方法

    ここまで、医療ローンとクレジットカードの分割払いについて述べてきましたが、医療費の支払い方法として、医療ローンやクレジットカードの分割払い以外の方法もあります。それぞれの特徴を理解し、支払い方法を選ぶうえでの選択肢として活用してください。

    7-1 現金やクレジットカードの一括払い

    保険適用外の医療費の支払いでも、通常どおり現金で支払うこともできますし、クレジットカードの一括払いも利用できます。ただ、支払う医療費が高額であるほど、一気に資産が目減りしてしまうため、医療費を支払っても余剰資金がある程度残る方におすすめの支払い方法です。

    現金やクレジットカード一括で支払うメリットは手数料や金利がかからないことです。また、クレジットカードは2回払いまでであれば手数料がかからないケースもあるため、一括払いが心配な方は2回払いを選んでもよいでしょう。

    7-2 カードローン

    銀行や消費者金融が個人に対して無担保で行う融資で、資金使途が原則として自由な点が特徴です。

    カードローンは審査により借入可能額が決定し、その範囲内であれば何度でも自由に借り入れできます。また、カードローンによっては、即日融資が可能なものもあり、「審査が早い」という点でも魅力的です。医療ローンよりは金利が高めに設定されていますが、早く利用したい方にはおすすめです。

    ただし、医療ローンよりは金利が高めであること、その都度審査が必要ないことから気づいたときには借入金額が高額になりがちな点には注意が必要です。

    7-3 フリーローン

    フリーローンは主に銀行が取り扱っている融資で、原則として資金使途が自由な点が特徴です。また担保を提供する有担保型と担保を必要としない無担保型があり、有担保型のほうが低金利で高額な融資を受けられます。

    フリーローンはカードローンと異なり、最初に必要な金額で申込み、借り入れできるのはこの1回のみです。そのため、追加で借り入れたいと思った場合は、再度あらためて申込まなければなりません。

    ただし、カードローンよりは金利が低いため、追加で借り入れる必要がないなら、フリーローンを選んだほうが利息負担を抑えられます。

    医療ローンはクレジット分割より手数料は低め

    医療ローンとは、医療費の支払いに利用ができるローンで、入院や手術費用だけでなく、保険適用外の先進医療や美容目的の脱毛やレーシック手術、歯科で行うインプラントやAGA治療などが対象です。

    医療ローンはカードローンやフリーローンよりも低金利で利用ができ、審査に時間はかかるもののクレジットカードの分割払いと比べても低い手数料が適用されるというメリットがあります。支払い完了まで急がないのであれば、金利や手数料の負担を低くできる医療ローンを申込み、審査を受けてみてはいかがでしょうか。

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    ライター紹介

    氏名:
    新井智美
    保有資格:
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア:
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。

    その他のローンに関するよくある質問

    ここからはその他のローンについてよくある質問について、その回答と合わせて紹介します。

    その他のローンの活用方法は?
    カードローンプラスでは、銀行や信販会社などの金融機関が提供をしている冠婚葬祭・医療・介護・旅行・不動産投資などに利用ができるローンを「その他のローン」として分類しています。様々な種類がありますが、資金使途が限定されるためフリーローンやカードローンよりも比較的低金利なのが特徴です。
    その他のローンの金利相場はどのくらい?
    その他のローンの金利相場はローン種類にもよりますが、結婚式の費用に利用ができるブライダルローンは4%~7%程度で、保険適用外の医療費に利用ができる医療ローンは2%~10%程度になります。資金使途が自由なカードローンやフリーローンに比べると比較的低金利で借り入れができます。
    その他のローンの審査基準とは?
    その他のローンの審査基準は、ローンの種類や金融機関などによって異なります。契約者に返済能力があるかを重視されるため、職業・年収のほかに多額の借り入れがないかなどを調査して総合的に判断されるのが一般的です。また借入可能額の上限は審査によって決定します。
    その他のローンでお金を借りるまでの流れは?
    まず利用するローンに申込み、仮審査・本審査を受ける必要があります。本審査にあたっては本人確認書類や収入証明書などの必要書類を提出します。本審査に通過すると本契約を結び、融資が実行される流れとなります。
    その他のローンを利用するには保証人が必要?
    原則保証人は不要です。しかし保証会社によっても判断は異なりますが、契約者が未成年で安定した収入がない場合や借入金額が高額な場合は保証人が必要になるケースもありますので、申込みを検討している金融機関のローン情報を確認しておきましょう。
    その他のローンの借り入れまでの日数はどのくらい?
    利用するローンの種類によって異なりますが、ブライダルローンに申込みをしてから融資が実行されるまでの日数はおよそ1週間~2週間程度を見ておきましょう。医療ローンの場合は、借入先にもよりますが2週間~3週間程度かかるためローンを申込むタイミングも考慮をしましょう。

    ライター紹介

    新井 智美
    氏名
    新井 智美(あらい ともみ)
    保有資格
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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