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【第78回】不動産担保ローンの返済ができなくなったらどうなる?担保を失わないようにするためにすることとは

2023年01月18日
不動産担保ローンの返済ができなくなったらどうなる?担保を失わないようにするためにすることとは
不動産担保ローンとは、自分が保有している不動産を担保にお金を借りるローン商品です。仮に返済が難しくなると、担保として提供している不動産を売却して換金し、返済にあてることになります。
中には、不動産担保ローンの返済が難しくなったときに担保になっている不動産を売却せずにすむ方法がないか知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、不動産担保ローンの利用にあたって、返済が難しくなったときの流れや、その際に担保として提供している不動産を失わずにすむための対処法について解説します。

この記事は約7分30秒で読むことができます。

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    1. 不動産担保ローンを契約するときに知っておくべきこと

    不動産担保ローンを利用していて、その返済が難しくなったときにどのようなことが起こるのかを知っておくことは大切です。そのためにも、不動産担保ローンにまつわる重要な用語について説明します。

    1-1 担保

    担保とは、返済が難しくなったときに備えて、金融機関に対して返済を保証する目的で提出するものです。

    担保には、「人的担保」と「物的担保」の2種類があり、連帯保証人や保証人は人的担保に該当します。そして、物的担保とは、それを売却して換金することでローン残債を回収するための物を指し、一般的には不動産を担保として提供します。

    通常、担保というと「物的担保」を指すケースが多くみられます。

    1-2 抵当権

    抵当権とは、債権に対して担保を提供した場合、その担保に対して設定する権利のことで、権利者は金融機関です。債務者の返済が滞った際に、金融機関は担保となっている不動産を競売にかけて売却し、現金化して未回収の融資額の回収にあてます。

    担保を競売にかけることを「抵当権を行使する」といい、抵当権を行使できるのは抵当権者である金融機関です。そして、金融機関は確実に抵当権を行使できるよう、契約の際に不動産に抵当権を設定します。

    2. 不動産担保ローンとは

    不動産担保ローンとは、不動産を担保にして金融機関から融資を受けるローン商品です。もし返済ができない状況に陥ったときでも、担保とした不動産を提供することで返済できます。

    不動産を担保として提供するため、不動産担保ローンはほかのローンと比べ高額な金額を低金利で借り入れが可能です。また、借り手側の返済が難しくなったときも、不動産により弁済できるため、金融機関側のリスクも低くなります。

    担保を提供して融資を受けるという性質上、借り手そして貸し手双方にとって、リスクが少ないローンといえるでしょう。しかし、返済ができずに不動産を提供する状況になった際は、不動産を手放さなければなりません。

    2-1 メリット

    不動産担保ローンのメリットは、担保があるため、無担保のローンと比べて高額な融資を受けやすいことや返済期間が長く取れることにあります。また、適用される金利が低く、無担保のローンよりも審査に通過しやすい点もメリットといえるでしょう。

    2-2 デメリット

    不動産担保ローンのデメリットは、返済が困難な状況に陥った際には、担保として提供した不動産を手放さなくてはならないことです。もし、その不動産が自宅だった場合、返済ができなければ住むところを失うことになります。

    また、不動産担保ローンの利用にあたっては、住宅ローンと同じように、以下のような諸費用が発生します。

    • 事務手数料
    • 不動産鑑定費用
    • 印紙代
    • 登記費用

    上記費用は借入金額に応じて決められることが一般的で、借入金額が高くなると諸費用も高額になる点に注意が必要です。

    さらに、担保とする不動産の評価も審査に含まれるため、申込みから融資実行までに時間もかかります。すぐに利用したい人には不向きでしょう。

    2-3 住宅ローンとの違い

    不動産担保ローンと住宅ローンは、どちらも不動産を担保にしている点(購入物件を担保とする抵当権の設定を行う)が共通しています。しかし、住宅ローンは住宅を購入する、もしくは増改築を行うための資金を借り入れるローンで、資金使途が決まっている「目的別ローン」の一つです。

    不動産担保ローンは、資金使途が原則自由なため、フリーローンの一種となります。ただし、事業性資金として利用できないフリーローンが多くある中、不動産担保ローンは事業性資金でも利用できる商品も珍しくありません。

    3. 不動産担保ローンの返済ができない状態が続いたときの流れ

    この章では不動産担保ローンの返済が困難な状況になった場合で、返済ができない状況が続いたらどうなるのかについて解説します。

    3-1 支払いの催促

    金融機関は、返済が滞ったときに、電話やメールなどで支払いの催促を行います。その際には、返済がなされていない理由を確認するとともに、いつ返済ができるのかについて確認します。

    返済しなかったことがはじめてなら、そこまで頻繁に催促されることはないかもしれませんが、過去にも度々返済を忘れていたなどがあった場合、頻繁に催促される可能性もあります。

    3-2 督促状や催促状が届く

    最初に返済がなされなくなってから、3ヶ月ほど経過しても状況が改善されない場合、金融機関から書面で督促状が届きます。督促状には、支払いを要求する内容が書かれており、支払金額や支払期限が記載されています。同時に、電話やメールでの催促が行われるケースもあります。

    3-3 催告書

    督促状や催告状が送付されていても返済がされなかった場合、催告書が送られてきます。

    一般的に催告書は内容証明郵便で送られ、郵便局にも控えが残されています。そのため、「見ていない」や「届いていない」などの言い訳は通用しません。催告書の内容には、「支払いがなされない場合には、法的手段に訴える」旨が記載されているケースが一般的です。

    3-4 期限の利益喪失に関する通知

    ローンのように、借りたお金を返済期間内の一定期間に区切って分割して返済することを、「期限の利益」といいます。期限の利益はお金を借りた側に認められている権利ですが、一般的に返済が3ヶ月~6ヶ月になると、「期限の利益喪失に関する通知」が送られてきます。

    この通知が持つ意味は、これ以上支払いを待てないことを伝えるのと合わせ、「貸しているお金を一括で返済してください」という請求を行うことです。この通知が届いたら、現在残っているローン残債を一括で返済しなければならなくなります。

    3-5 代位弁済通知

    保証会社の保証を受けているなら、この段階でローン残債を保証会社が金融機関に対して一括で支払います。

    代位弁済通知は、「保証会社がかわりにローン残債を支払いました」という内容を通知するもので、特別送達郵便で届くケースもあります。そして、この時点で債権者は金融機関から保証会社に移りますので、今後は保証会社に対して返済を行う義務を負うことになります。

    3-6 差押通知書がきて差し押さえられる

    差し押さえとは、支払いを行わない債務者に対して、金融機関もしくは保証会社が金額の回収を行う手段の一つです。

    差し押さえの対象となるものには、不動産を始め、現金や有価証券のほか、車などの動産も含まれます。ただし、全ての財産が差し押さえられることはなく、生活必需品など、最低限の生活を送るために必要な財産については、差し押さえられないことになっています。

    3-7 競売が開始される

    競売 けいばい とは、差し押さえた不動産などの財産を、裁判所の権限のもとで強制的に売却し、その売却代金を、ローン残債の回収にあてることです。競売が開始されると、担保となっている不動産が強制的に売却されます。

    注意しなければならない点は、売値は任意売却を行った場合と比べ、1割ほど低い額になるということです。そのため、競売にかけられるよりは高く売れる「任意売却」を選ぶ方もいます。

    3-8 売却が決まると強制的に不動産売却となる

    競売によって買い手がついた不動産は強制的に売却されますので、その不動産が自宅だった場合は、立ち退かなければなりません。引き渡し命令が届き、家を立ち退く必要があります。もしそのまま居座っていると、強制執行手続きにより、強制的に家を退去させられます。

    4. 不動産売却を防ぐ方法

    不動産担保ローンの利用中に返済が困難になる理由は人によってさまざまです。とはいえ、なるべくならば不動産が売却されるのを防ぎたいと思う人も多いでしょう。ここでは、不動産が売却されるのを防ぐためにできる方法について解説します。

    4-1 繰り上げ返済により返済期間を短くする

    繰り上げ返済を利用し返済を前倒しにすれば、経済状況が変化し返済が難しくなる前に返済を終わらせられる可能性があります。不動産担保ローンは、借入金額によっては返済期間が長期にわたります。その分の金利も発生するため、繰り上げ返済により返済期間を短くできれば、最終的な返済額を減らせます。

    返済中は、病気やケガなどの理由で収入が減る可能性もあります。余裕があるときに、繰り上げ返済を使って返済を進めておき、万が一のことが起こったときに不動産担保ローンの負担をなるべく少なくしておくことがポイントです。

    ただし、不動産担保ローンを借り入れている金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料が発生する可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

    4-2 無担保ローンに借り換える

    担保としている不動産を確実に売却しないですむようにするためには、無担保ローンへの借り換えを考えてみましょう。無担保ローンに借り換えることで、仮に返済が難しい状況になったとしても、不動産を売却しなくてもすみます。

    しかし、無担保ローン不動産担保ローンと比べると、金利が高く、審査に通りにくいとされています。そのため、不動産担保ローンの借入残高が少なくなってきたときに検討することがおすすめです。

    4-3 借入金額は無理がない範囲で

    不動産担保ローンを借り入れる段階で、無理な金額を設定しないことも重要なポイントです。ローン全体にいえることですが、借りられる金額を借りるのではなく、無理なく返せる金額を借りることを心掛けましょう。

    不動産担保ローンを申込む前に、綿密にシミュレーションを行い、不動産を売却しなくても無理なく返済できる額かどうかを確認しましょう。

    4-4 連帯保証人をつける

    金融機関によっては、連帯保証人をつけられる不動産投資ローンを提供しているところもあります。不動産売却をどうしても防ぎたいのであれば、誰かに連帯保証人になってもらう、という方法もあります。

    ただ、連帯保証人は通常の保証人と比べ重い責任を持つ点には十分に注意が必要です。もし返済ができない状況になった場合、連帯保証人になってくれた方に多大な迷惑かけることになります。あまりおすすめできない方法ではあるため、判断は慎重に行ってください。

    5. 競売前に任意売却することも1つの手

    任意売却とは、ローン残債がある状態でも、借入先の金融機関の同意があれば、担保となっている不動産を売却できる方法です。

    任意売却の方法で不動産を売却できれば、そのお金でローン残債を支払えます。競売にかけられると、不動産の売値は普通に売却するよりも1割ほど低くなってしまいます。そのため、任意売却の仕組みを利用し、できるだけ高値で売却する方法を取りましょう。

    金融機関から任意売却を勧められるケースもあるため、なるべく資産を残す方法を選ぶのであれば早めに売却してしまう方法も1つの手であるといえます。

    6. 不動産担保ローンの債務整理は難しい

    債務整理とは、法的手段を用いて、借金を減らすことや借金の支払いを免責できるようにするものです。担保として提供した不動産を残す方法として、債務整理を考える方もおられるかもしれません。

    しかし、融資を行った金融機関側としては、融資した金額を担保となっている不動産から全額回収したいと考えます。債務整理を行うには債権者(金融機関)の理解を必要とするため、中には話し合いに応じない金融機関もあるでしょう。不動産投資ローンは、通常のローンよりも債務整理を行うのは難しいといえます。

    まとめ 不動産担保ローンは返済が難しくなると不動産を手放すことになる

    不動産を担保として提供することで、低金利で高額な借り入れが可能となる不動産担保ローン。しかし、返済が難しくなったときは担保とした不動産を手放さなければならないため、リスクも大きなローン商品といえます。

    不動産担保ローンで返済が難しくなったときには、基本的に担保として提供している不動産は売却され、その売却代金をもって返済にあてられます。どうしても返済が難しくなったときには、不動産売却は避けられません。

    担保として提供する不動産が大切なものであればあるほど、借りすぎないようにすることや、早めの返済を心掛けましょう。

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    ライター紹介

    氏名:
    新井智美
    保有資格:
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア:
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。

    不動産担保ローンに関するよくある質問

    ここからは不動産担保ローンについてよくある質問について、その回答と合わせて紹介します。

    不動産担保ローンの金利相場はどのくらい?
    不動産担保ローンの金利相場は金融機関の種類によっても異なります。銀行の不動産担保ローンは、1%~9%程度が相場です。一方、ノンバンクは2%~15%程度です。銀行の方が金利相場は低いですが、審査基準が厳しく、審査に時間を要する傾向があります。ノンバンクは比較的に審査がスムーズに行われる傾向があります。
    不動産担保ローンの審査基準とは?
    不動産担保ローンの審査基準は、一般的に「返済能力があるか」、「担保となる不動産にどのくらいの価値があるか」になります。金融機関としては融資したお金が問題なく返済されるかは重要となります。また、金融機関は担保となる不動産に抵当権を設定します。担保となる不動産の価値に応じて融資金額も決まるため、重要な審査項目となります。
    不動産担保ローンの返済方法は?
    「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。元利均等返済は毎月の返済額が一定となる返済方法で、返済額が一定のため返済計画が立てやすいですが元金均等返済よりも返済総額が多くなります。一方、元金均等返済は毎月の返済額のうち元金の部分が均等となる返済方法で、当初の返済額は多くなりますが返済が進むにつれて減少します。
    不動産担保ローンでお金を借りるまでの流れは?
    まずは申込みをします。申込み後、金融機関で仮審査・本審査を行います。一般的に、本審査にあたり申込書や必要書類(本人確認書類、収入証明書、登記事項証明書や不動産売買契約書など物件に関する書類など)を提出します。審査に通過後、契約を締結し、指定口座に入金がされます。なお、審査結果に応じて本人の借入可能額の上限が決まります。
    不動産担保ローンを利用するには保証人が必要?
    不動産担保ローンは、不動産を担保として提供しているため、一般的には保証人は不要です。ただし、契約者の返済能力や不動産の価値次第では保証人を求められるケースがあります。また、契約者以外が所有する不動産や、契約者と契約者以外が共有名義で所有する不動産を担保として提供する場合は、保証人を求められることが多い傾向です。
    不動産担保ローンの借り入れまでの日数はどのくらい?
    不動産担保ローンの借り入れまでの日数は金融機関によって異なります。一般的に、銀行では2週間~1ヵ月程度、ノンバンクでは数日~1週間程度となります。不動産担保ローンは、他のローンと異なり不動産の価値も評価する必要があるため借り入れまでに日数を要します。

    ライター紹介

    新井 智美
    氏名
    新井 智美(あらい ともみ)
    保有資格
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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