【第112回】【初心者向け】不動産担保ローンと不動産投資ローンの違いとは?選び方や審査基準を徹底比較

しかし、この2つのローンには仕組みや使い道、そして審査のポイントなどに明確な違いがあり、利用するにあたっては、それらをしっかりと理解しておくことが大切です。
今回は「不動産担保ローン」と「不動産投資ローン」の違いを解説するとともに、それぞれのメリット・デメリットや、向いている方の特徴、選び方のポイントについて詳しく紹介します。
どちらのローンを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事は約12分30秒で読むことができます。
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1 不動産担保ローンと不動産投資ローンの基本

ここでは、「不動産担保ローン」と「不動産投資ローン」の基本的な仕組みについて解説します。
1-1 不動産担保ローンとは?仕組みと特徴
不動産担保ローンとは、土地や建物といった不動産を担保にして資金を調達する仕組みです。審査では、担保となる不動産の価値を重視するため、不動産の価値が高いほど借入可能額が高くなります。
逆に、市街化調整区域にある不動産や、土地の上に古い家が建っている不動産は担保評価が低く、希望する額までの借り入れができない可能性がある点に注意が必要です。
担保として提出できる不動産には土地や建物以外に、倉庫や店舗といった事業用物件も当てはまります。
不動産担保ローンの魅力はなんと言っても資金使途が自由なことです。不動産担保ローンで借り入れた資金を、家のリフォームに利用したり、子どもの教育資金にあてたりすることもできます。今、複数社から借りているローンがあるなら、それらを一本化するのも有効でしょう。
ただし、不動産担保ローンを提供する金融機関やノンバンクによって融資条件が異なるため、利用する際には事前に条件を確認することを忘れないようにしてください。
1-2 住宅ローンとの違い
不動産担保ローンは不動産を担保にお金を借りるという点では住宅ローンと似ていますが、実際には以下の表のように細かい違いがあります。
不動産担保ローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
資金の使い道 | ・原則として自由 | ・住宅購入やリフォームなどに限定 |
審査基準やハードル | ・申込者の属性 ・担保となる不動産の評価額 ・他社からの借入状況 |
・申込者の属性(年収、勤務先、雇用形態、勤続年数など) ・信用情報、他社からの借入状況 |
借入可能額や金利 | ・金利は住宅ローンよりも高めに設定されているものの、高額融資や短期借入に対応しやすい | ・金利が低めで長期返済が可能 |
借入方法や対象の広さ | ・所有している不動産があればいつでも利用可能 | ・住宅の購入時(利用のタイミングが限定される) |
1-3 不動産投資ローンとは?仕組みと特徴
不動産投資ローンとは、賃貸収入を得るために物件を購入する際に利用するローンです。具体的には、アパートやマンションといった収益物件の購入や改修費用に利用されます。そのため、ローンの返済原資は家賃収入が前提になります。
金利は、住宅ローンに比べると高めに設定されています。
ローンの返済原資が家賃収入になるため、不動産投資ローンの審査では物件の収益性が重視されます。物件の立地や利回り、空室リスクなど「収益の見込みがあるかどうか」がポイントです。
また、不動産投資ローンでは金融機関が認めれば、物件の購入価格を上回る金額を借り入れるオーバーローンや、頭金なしで借り入れるフルローンにできる可能性もありますが、できるだけ自己資金を多く用意しておくと審査に通りやすくなるといわれています。
1-4 アパートローンとの違い
不動産投資ローンとアパートローンは、どちらも事業用のローンですので、大きな違いはありません。
ただ、一般的に不動産投資ローンは主にワンルームマンションなどの区分所有の物件を対象としているのに対し、アパートローンは一棟物件を対象としている点が異なっているといえるでしょう。
2 【比較表あり】不動産担保ローンと不動産投資ローンの違い

ここでは、自分に合ったローンが選べるよう、不動産担保ローンと不動産投資ローンの違いを分かりやすく表で示し、解説します。
不動産担保ローン | 不動産投資ローン | |
---|---|---|
目的 | 資金の借り入れ | 資金の借り入れ |
資金使途 | 原則自由 | 投資用物件の購入・改修費用 |
返済原資 | 申込者の収入 | 家賃収入 |
担保対象 | 所有している物件 | 投資用物件 |
金利相場 | 年1.0%~年9.0% | 年2%~年4% |
融資額の目安 | 担保評価額の60%~80% (担保評価による) |
年収の7倍~8倍 (比較的高額融資が可能) |
審査の重視点 | 物件の担保評価と申込者の返済能力 | 購入する物件に継続した収益が見込めるか |
自己資金の必要性 | なし | あれば審査に有利 |
不動産担保ローンと不動産投資ローンも、「まとまった資金を借り入れる」という目的は同じです。
ただし、資金使途、返済原資、担保の対象に違いがあるほか、一般的に不動産担保ローンの方が金利は高くなりやすい傾向にあります。
また、融資額の目安や審査で重視する項目も異なりますので、注意しておきましょう。
2-1 利用目的と借入条件の違い
不動産担保ローンは、既に所有している不動産を担保に資金を借り入れ、資金使途は原則自由な点が特徴です。
一方、不動産投資ローンの場合、投資物件つまり収益目的で新たに物件を購入するために資金を借り入れる方法で、資金使途は投資物件の購入および改修費用に限られます。
不動産担保ローンは、事業資金はもちろん、子どもの教育資金やほかのローンの借り換えにも利用可能です。
2-2 金利・融資額・返済期間の違い
銀行の場合、不動産担保ローンの金利は年1.0%~年9.0%程度ですが、不動産投資ローンの場合年2%~年4%と、不動産投資ローンの方が上限金利は低く設定されています。ただし、下限金利は不動産投資ローンの方が高い点に注意しておきましょう。
ちなみに借入可能額は不動産担保ローンの方が不動産評価額に応じて高額になりやすく、一般的に担保評価額の60%~80%が上限といわれています。
不動産投資ローンの借入可能額は、一般的に年収の7倍から10倍が目安です。
返済期間はどちらも最長35年程度で設定できるケースが多いものの、一部の金融機関では完済時の年齢を基準に返済期間を設定するなど、提供する金融機関や商品によって幅があります。
2-3 審査基準の違い
不動産担保ローンでは、審査の際に申込者の返済能力と担保評価をチェックしますが、どちらかというと担保評価が重視される傾向にあります。
不動産投資ローンでも、もちろん返済能力や購入する物件の担保評価をチェックします。しかし、審査においては、「購入する物件の収益性」や「申込者の年収や勤務先、自己資金の割合、返済比率」といった信用力もチェックされます。
さらに、担保評価に加え、物件の空室リスクや将来の家賃下落リスクなども審査に影響を与えます。
また、どちらのローンも、融資を受ける際には金融機関が抵当権を設定するため、登記手続きが必要です。
3 不動産担保ローンのメリット

ここでは、不動産担保ローンのメリットを見ていきましょう。不動産担保ローンのメリットは以下の3つです。
- 低金利で高額融資が可能
- 資金使途が柔軟
- 返済期間を長く設定できる
3-1 低金利・高額融資が可能
不動産担保ローンのメリットは、担保があることにより、低金利で高額融資を受けられることです。借入可能額は担保評価に左右されるものの、金融機関によっては最大数千万円~1億円までの融資を可能としているところもあります。
3-2 資金使途が柔軟
不動産担保ローンの資金使途は原則自由です。事業資金のほか、子どもの教育費や自宅のリフォーム費用などさまざまな目的で使えます。
また現在借りているローンの借り換えや一本化にも活用できるため、高金利のローンからの借り換えや複数のローンの一本化に利用することで家計のキャッシュフロー改善にも役立ちます。
3-3 返済期間を長く設定できる
不動産担保ローンは無担保のローンと比べ、返済期間が長く設定できる点もメリットです。一般的には最長35年の返済期間が設定できるため、借入金額にあわせて返済期間を長く取ることで毎月の返済額を抑えられるでしょう。
ただ、返済期間が長いということは、それだけ利息負担が多くなることを意味します。
不動産担保ローンを借り入れる際には、しっかりとした無理のない返済計画を立てることが大切です。
4 不動産担保ローンのデメリット

不動産担保ローンには、メリットもあればデメリットもあります。メリットとデメリットの両方をしっかりと理解したうえで利用しましょう。
4-1 不動産を失うリスクがある
不動産担保ローンの契約後は、毎月返済を行わなければなりません。仮に返済が滞った場合には、担保として提供している不動産が競売にかけられてしまいます。
もし自宅を担保にしていたなら、競売によって退去を余儀なくされるため、無理のない借り入れおよび返済計画を立て、実行することが大切です。
4-2 手続きに時間や手数料がかかる
金利が低く設定されている点が不動産担保ローンのメリットですが、契約の際にはさまざまな諸費用が発生します。具体的には事務手数料や印紙代のほか、登記にかかる登録免許税、登記の手続きを司法書士に依頼する際の報酬などが挙げられます。
また、申込者の返済能力だけでなく、担保となる不動産の評価を審査する必要があるため、申込みから借り入れまでに時間がかかる点もデメリットです。
4-3 融資額が「担保価値」に左右される
不動産担保ローンでは、融資額が担保となる不動産の価値に影響されます。
特に建物は築年数の経過によって資産価値が下がる傾向があり、築年数の古い建物ほど不動産評価額は低くなります。
また、立地も不動産評価額に影響します。担保とする不動産が築古の地方物件だと、借入希望金額に届かない可能性もあります。
4-4 住宅ローンの残債が多いと利用が難しい
一般的に担保となっている不動産に住宅ローンの残債が多く残っている場合だと、新たにローンを利用できないケースが多くみられます。
なぜなら、不動産担保ローンにおける担保評価は、不動産評価額から今あるローンの残債を引いた額になるからです。
もちろん住宅ローンだけでなく、ほかのローン残債がある場合も同じです。
新たにローンを利用する際には、ほかのローン残債をできるだけ少なくして申込むことが大切です。
5 不動産投資ローンのメリット

不動産投資ローンには、「少ない自己資金で投資を始められる」など4つのメリットがあります。ここでは不動産投資ローンの4つのメリットについて解説します。
5-1 少ない自己資金で投資を始められる
不動産投資ローンは、収益物件の購入もしくは改修の目的で利用するローンです。そのため、自己資金が少なくても物件を購入し、現物の不動産投資を始められます。
このことをレバレッジ(てこの原理)といい、レバレッジを効かせることで小さな資金で大きな投資が可能になります。
しかし、投資物件である以上、空室リスクや家賃下落リスクなども考慮したうえで返済計画を立てることが大切です。
5-2 家賃収入でローン返済ができる
不動産投資ローンの返済原資は投資物件から得られる家賃収入です。そのため、自分の就労で得る収入に依存することなく返済ができる点はメリットでしょう。
また、キャッシュフローが改善し、黒字化すると、追加での投資もしやすくなります。
5-3 団体信用生命保険(団信)が利用できる場合がある
不動産投資ローンでは、団体信用生命保険(団信)が利用できるケースもあります。
団信に加入することで、申込者に万が一のことがあった場合でも、その後の返済は保険金で支払われ、投資物件だけが残ります。
最近の団信にはいろいろな種類があり、保障内容によっては生命保険のかわりとしても利用できるでしょう。
5-4 節税効果が期待できる
不動産投資ローンを利用して投資物件を購入した場合、返済額のうち利息部分は経費計上が可能です。ほかにも減価償却費が経費計上できることもあり、所得税や住民税を抑えられます。
特に高齢者となると、不動産投資で得られる収入以外は年金収入だけになるケースも多く、より大きな節税効果が期待できます。
6 不動産投資ローンのデメリット

次に、不動産投資ローンのデメリットを見ていきましょう。不動産投資ローンのデメリットは以下の3つです。
- 金利が高めに設定されている
- 審査が厳しい場合がある
- 空室リスク・賃料下落リスクがある
6-1 金利が高め
不動産投資ローンでは、物件にもよりますが数千万円程度の金額を借り入れるケースが一般的です。
しかし、住宅ローンと比較すると金利が高めに設定されていることもあり、少しの金利差でも利息負担が多くなり、最終的な返済総額に大きな差が生じます。
6-2 審査が厳しい場合がある
不動産投資ローンの審査では、申込者の属性(年収や勤務先、勤続年数)のほか、購入する投資物件の収益性もチェックされます。
これまでに不動産投資の経験がない方にとっては、実績および信用力の面で審査に不利に働く可能性もあります。
6-3 空室リスク・賃料下落リスクがある
不動産投資を行うにあたっては、空室リスクや賃料下落リスクへの対策が必須です。
なぜなら、家賃収入でローンを返済している中で、入居者が出ていった場合、家賃収入が得られなくなり、返済が難しくなってしまうからです。
入居者の退去だけでなく、立地条件や築年数によっては家賃が思ったよりも早く下落する可能性も否定できません。
最終的に賃貸経営がうまく行かない場合、自己資金から補填しなければならない場面も出てくる点に注意しておきましょう。
7 不動産担保ローンと投資ローン、どちらを選ぶべき?

「不動産担保ローン」と「不動産投資ローン」はそれぞれの特長を理解し、自分の目的や状況に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、「不動産担保ローン」と「不動産投資ローン」のどちらを選べばいいのか悩んでいる方に対し、選択基準を目的や資産状況ごとに分かりやすく解説します。
7-1 不動産担保ローンが向いている方
不動産担保ローンが向いている方とは、既に所有している不動産を活用して資金を調達したいと思っている方です。
また、資金使途が原則自由といった特徴から、生活費だけでなく事業資金や教育費などほかの目的に使いたい方にもおすすめです。
ほかにも以下に該当する方が向いているといえるでしょう。
- 低金利で高額な融資を受けたい方
- 毎月の収入は安定していないものの、所有している不動産の資産価値が高い方
- ほかのローンをまとめて一本化したいと考えている方
7-2 不動産投資ローンが向いている方
不動産投資ローンが向いている方は、以下の内容に当てはまる方です。
- これからアパートやマンションなどの収益物件を購入したいと考えている方
- ローンの返済を家賃収入で行いたい方
- 少ない自己資金で不動産投資を始めたい方
- 長期的な資産形成や節税を視野に入れている方
7-3 「不動産担保ローン」でも投資用物件の購入に使える場合がある
一般的に不動産投資ローンは、不動産投資に向けた投資物件の購入を目的として利用されます。
しかし、最近では不動産担保ローンという名称だとしても、資金使途として投資用不動産の購入を認めている金融機関もあります。
単純に商品名だけで判断するのではなく、商品概要説明書などを用いて資金使途など細かい内容を確認しておきましょう。
また、希望する資金使途がある場合は、その使途に使えるかどうかを金融機関に事前に確認しておくと安心です。
8 不動産担保・投資ローン審査に通るための準備とその対策

ここからは、不動産担保ローンおよび不動産投資ローンの審査項目の違いや、スムーズに審査に通過するために準備しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
8-1 申込みから融資までの流れ
一般的に不動産担保ローン・不動産投資ローンともに、申込みから融資までは以下の流れで進みます。
- 仮審査申込み
- 担保物件の評価および本審査
- 契約および抵当権の設定
- 融資完了
まず仮審査の申込みが必要です。最近ではインターネットで申込める金融機関が増えていますので、インターネットでの申込みを利用すると便利です。
仮審査に通過したら、必要書類を提出し、担保となる物件の評価および本審査に進みます。
無事に本審査に通過したら金融機関と契約を結びます。そのときに抵当権の設定も同時に行われます。
契約締結が無事に完了すれば、融資実行です。
8-2 不動産担保ローンの審査項目
不動産担保ローンでは、申込者の属性(年収や勤務先、雇用形態、勤続年数、信用情報)に加え、担保として提供する不動産の評価が審査されます。
担保の不動産評価については、不動産の立地や面積のほか、築年数や市場価値、登記状況などが審査の基準になります。そして、評価額に対する融資比率に基づいて融資限度額が決まるケースが一般的です。
申込者の属性については、「他社からの借入状況」から求めた返済負担率(年収における年間のローン返済総額)もチェックされます。返済負担率が高くなると審査に通りにくくなるといわれています。
8-3 不動産投資ローンの審査項目
不動産投資ローンでは、申込者本人の属性と合わせて、購入する投資物件についての審査が行われます。
投資物件についての審査では、想定賃料や利回り、空室率、維持管理時などがチェックされます。
そして、申込者本人の属性以外にも、これまでの投資経験の有無や実績、頭金の有無、さらには借り入れた後の返済計画や管理体制が明確にされているかも審査の対象です。
8-4 審査に落ちないための5つの準備チェック
審査に通りやすくするためにも、以下の5つの点をチェックしておきましょう。
- 必要書類:必要書類は不動産担保ローンと不動産投資ローンで違いがあります。書類に不備がないよう、事前に確認することも忘れないようにしましょう。
- 担保物件の整備・資料準備:不動産担保ローンでは担保とする不動産の資料も必要です。また、登記簿謄本も必要ですので自己所有になっているかの確認も含めて準備しておきましょう。
- 信用情報をきれいにしておく:信用情報に信用事故情報が載っていると、審査に通る確率は低くなります。不安がある場合は、事前に信用情報機関に情報開示の請求を行い、自分の信用情報を確認してみましょう。もし、事故情報が登録されているなら、それが消えるまでローンの申込みは避けるほうが賢明です。
- 自己資金を増やしておく:不動産投資ローンを利用するにあたって、自己資金が多いほど、借入金額が少なくなるため、審査に通りやすくなります。
- 複数の金融機関に相談し、比較する:金融機関によって審査基準は異なります。自分に合ったローンを選択するためにも、複数の金融機関のローンを比較し、検討しましょう。
8-5 担保不動産の評価方法と評価基準の違い
不動産の評価額は、融資限度額を左右する重要なポイントです。
多くの金融機関では、以下の4つの評価方法を用いて不動産の評価額を判断します。
- 原価法(積算評価):対象となる不動産の再調達原価を基にして、評価する方法です。
- 収益還元法(収益評価):対象となる不動産から得られる収益性に着目し、評価する方法です。収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類があることも覚えておきましょう。
- 取引事例比較法:対象となる不動産と条件が似ている取引事例を集め、最終的に評価する方法です。
- LTV(Loan to Value)を基準とした評価:LTVとは、不動産投資計画の健全性を判断する指標の1つです。借入金額を物件価格で割った値で、低いほど安全性が高いといわれています。
金融機関によって、どの方法を用いるかは異なります。また、評価額は実勢価格よりも少なくなるケースが多い点にも注意しておきましょう。
8-6 無理のない返済計画の立て方
無理のない返済計画を立てるためには、返済額を収入の30%~50%に抑えることが大切だといわれています。
また、返済を家賃収入で行う場合は、空室リスクや賃料下落リスクも考慮しておきましょう。
さらに金利タイプで変動金利を選ぶなら、今後の金利上昇時の返済額も想定しておく必要があります。
毎月の支出だけでなく、将来のライフイベントも考慮しながら、余裕のある返済計画を立てることが重要なポイントです。
9 よくあるQ&A

ここでは、実際によく寄せられる質問について、回答も合わせて紹介します。不動産担保ローンや不動産投資ローンを利用する際の参考にしてください。
9-1 本人所有でない物件でも担保にできる?
基本的には本人名義の不動産が担保対象ですが、金融機関によっては共有名義や親族名義の物件も担保にできる場合があります。ただ、所有者全員の同意が必要です。
また、所有者が異なる場合は、連帯保証人や担保提供者としての署名が必要になることも覚えておきましょう。
9-2 フルローンは可能?
不動産投資ローンの場合、自己資金なしのフルローンに対応している金融機関もあります。ただ、自己資金がないため、年収や物件の収益性、資産状況などの基準が高くなってしまう点に注意しましょう。
物件の価格を上回るオーバーローンは原則として利用できません。
9-3 外国籍でも借り入れできる?
外国籍でも借り入れできる金融機関はありますが、永住権の有無や日本での居住や就労状況によって対応が異なります。
一般的に永住権があれば、日本人と同じ条件で借りられるケースもありますが、永住権がない場合は、一定の条件を満たす必要があります。
9-4 ローン返済中に担保不動産を売却することはできる?
ローン返済中に担保となっている不動産を売却することは可能です。ただし、売却金額でローンを完済できることが前提です。また、抵当権者となっている金融機関の合意も必要です。
9-5 不動産担保ローンの借り換えは可能?
不動産担保ローンの借り換えは原則として可能です。借り換え先の条件次第では今よりも有利な借り入れになる可能性もあります。
ただ、借り換えの際には諸費用が発生することや、最初に借り入れたときから年月が経っている場合、担保評価が低くなる可能性がある点に注意しておきましょう。
「不動産担保ローン」と「不動産投資ローン」の違いを理解して、自分に合った資金調達を検討しよう

不動産担保ローンと不動産投資ローンのどちらを選ぶかは、自分の資産状況や借り入れる目的、さらに収入バランスなどを考慮しながら決める必要があります。
ただ、どちらのローンを利用するとしても、無理のない返済計画と資金調達方法を考慮し、後悔のない不動産活用を実現しましょう。
どちらが自分に合っているか判断できない場合は、専門の金融機関や不動産会社に相談するのも効果的です。
- 金利ランキング
ライター紹介

- 氏名
- 新井 智美(あらい ともみ)
- 保有資格
- ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
- 主なキャリア
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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