【第114回】ノンバンクの不動産担保ローンとは?銀行との違い・メリット・注意点をわかりやすく解説
そのような時に検討したいのが「ノンバンクの不動産担保ローン」です。
ノンバンクは銀行に比べると審査が柔軟な傾向があり、融資までのスピードが早い点が特徴です。
ただし、銀行と比べると金利が高めに設定されている点や、契約の際には条件を慎重に確認する必要がある点を覚えておきましょう。
この記事では、ノンバンクの不動産担保ローンについて、銀行との違いやメリット・デメリットのほか、利用が向いている人や注意点を分かりやすく解説します。
この記事は約12分30秒で読むことができます。
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1 ノンバンクの不動産担保ローンとは?
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関を指します。具体的には消費者金融や信販会社などが当てはまり、これらが不動産を担保にして資金を融資するローンを「ノンバンクの不動産担保ローン」といいます。
ノンバンクは銀行よりも審査基準が柔軟で、融資までのスピードも早いため、早期に資金を調達したいと考えている人におすすめです。
ここでは、銀行の不動産担保ローンとの違いや、法律上の取り扱いについて解説します。
1-1 銀行融資との基本的な違い
銀行で行う融資は、一般的にノンバンクと比べると金利が低い傾向にあります。ただし、その分審査は厳しいと考えておきましょう。
ノンバンクは銀行よりも金利が高く設定されているものの、審査が柔軟なため、銀行では担保にできない不動産でも担保として取り扱ってくれる可能性があります。
審査のスピードについては、銀行では数週間から1ヶ月程度かかるケースが多い一方、ノンバンクは最短で1週間程度と早いのが特徴です。
1-2 総量規制や法律上の取り扱いの違い
これまでにノンバンクのローンを利用した方なら、「総量規制」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
総量規制とは、申込者の年収の3分の1以上の貸付を禁止する制度で、貸金業法に定められています。ノンバンクは貸金業法に基づいて融資業務を行うため、この規制の対象です。
ただし、自宅以外の不動産を担保にする場合は「担保貸付け」として扱われ、総量規制の対象外となるケースもあります。さらに、事業性資金を借り入れる場合も「例外貸付け」に該当し、規制の対象外です。
銀行は銀行法に基づいて融資業務を行うため、総量規制の対象外です。ただし、返済能力を超えた貸付けを避けるため、独自の基準を設けて申込者の収入や不動産の担保評価に応じた融資を行います。
1-3 資金使途の違い
基本的に、銀行は住宅ローンや教育ローンなど生活関連資金の融資を中心に取り扱っています。不動産担保ローンについても、多くの銀行が事業性資金の借り入れは不可としています。
一方、ノンバンクは総量規制の制限がある個人向けの無担保ローンよりも法人や個人事業主向けの事業性資金の融資を中心に取り扱っています。
2 【銀行と比較】ノンバンクの不動産担保ローンの特徴
不動産担保ローンは、銀行とノンバンクで性質が大きく異なります。
ここでは両者を比較しながら、ノンバンクの特徴を具体的に解説します。
| 銀行 | ノンバンク | |
|---|---|---|
| 金利・手数料の水準 | 年1%~年9%程度 | 年3%~年15%程度 |
| 融資限度額の目安 | 1億円程度 | 5億円~10億円 |
| 融資までにかかる時間 | 3週間~1ヶ月 | 最短数日~1週間程度 |
| 審査基準と柔軟性 | 厳しい | 柔軟 |
銀行とノンバンクの大きな違いは融資限度額の目安です。銀行では1億円程度としているところが目立ちますが、ノンバンクでは5億円としているところや10億円としているところもあります。
また、審査基準は銀行のほうが厳しく、ノンバンクのほうが柔軟に設定されている傾向があります。
2-1 金利・手数料の水準
金利は、銀行が年1%~9%、ノンバンクが年3%~15%となっており、基本的に銀行のほうが低金利です。ただし、最終的に適用される金利は審査の結果によって決まるため、場合によってはノンバンクのほうが低くなる可能性もあります。
不動産担保ローンでは、事務手数料や担保に対する抵当権設定費用などの諸費用が発生しますが、銀行・ノンバンクともに大きな差はありません。
ただ、手数料は取り扱う金融機関によって異なるため、銀行・ノンバンク問わず公式サイトや商品概要説明書などで確認し、必ず比較しましょう。
2-2 融資可能額の目安
銀行はノンバンクに比べ、申込者の返済能力を重視した審査を行います。そのため、こちらから提示した借入希望金額まで借りられない可能性もあります。
ノンバンクは返済能力よりも、担保評価額を重視する傾向にあり、返済能力に多少不安があっても、審査に通るケースがあります。
銀行・ノンバンクともに担保評価額を決める際は対象となる不動産の評価額や担保掛目(担保評価率)を用いますが、ノンバンクのほうが幅広く設定している傾向があります。
2-3 融資までにかかる期間
銀行では融資まで3週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。
しかしノンバンクだと、必要書類が揃っていれば、最短数日から1週間程度で済むケースも見られます。
そのため、緊急に資金が必要なときは、多少金利が高くても銀行よりもノンバンクを利用するほうがいいでしょう。
ただし、借入金額や適用される金利によってはその後の返済が負担になる可能性もあります。そのため、借入金額や返済期間は、無理なく返済できる額や期間に設定するよう心がけましょう。
2-4 審査基準と柔軟性
銀行は審査において、申込者の年収・勤務先・勤務形態・勤務年数などのほか、信用情報もチェックします。信用情報に事故情報が登録されている場合、審査に通るのは難しいでしょう。
一方、ノンバンクは担保評価を重視するため、信用事故情報があってもその内容や担保評価の高さによっては審査に通る場合があります。
信用事故情報は内容にもよりますが、5年~7年登録されます。不安な場合は、信用情報機関に情報開示を請求して確認しましょう。
2-5 担保となる不動産の取り扱い
銀行は、担保評価の取り扱いが厳しいといわれています。基本的に、融資の際には担保となる不動産の第一抵当権者になることを原則としているため、既に抵当権が設定されている不動産を担保にするのは難しいと考えておきましょう。
なぜなら、申込者が返済できない状態になった際、第一抵当権者が未回収の融資額を回収した残りから、自分たちの未回収融資額を回収しなければならず、場合によっては全額を回収できない可能性があるからです。
一方ノンバンクでは、不動産に既に抵当権が設定されている場合でも、不動産の評価額が高ければ融資が可能になるケースもあります。
3 ノンバンクの不動産担保ローンを利用するメリット
ここでは、ノンバンクの不動産担保ローンを利用するメリットについて解説します。
主なメリットには、「審査が柔軟で融資スピードが早い」「銀行では担保にできない不動産にも対応してくれる」などがあります。
3-1 審査が柔軟で融資スピードが早い
ノンバンクは銀行と比べると、審査基準が柔軟だといわれています。資金使途は銀行・ノンバンクともに原則自由となっているものの、銀行の場合対象外となる項目が設けられているケースがあり、銀行だと資金の使い道に制限があると感じる方もいます。
また、融資までのスピードの早さもメリットです。
通常、銀行だと申込みから融資まで約3週間から1ヶ月程度かかります。しかし、ノンバンクだと審査が最短即日で行われ、その後契約、融資までは最短2日です。
融資までの時間はノンバンクによって異なるものの、長くても1週間程度で借りられるため、急な資金調達にも対応しやすいでしょう。
3-2 銀行では担保にできない不動産にも対応してくれる
基本的に、銀行では築古の不動産や借地権が設定されている不動産、共有持分がある不動産などは担保の対象外としています。
しかしノンバンクではそのような不動産でも、担保として認めてもらえるほか、融資額を決定する担保掛目が柔軟に設定されているケースもあり、借入希望金額により近い金額を融資してもらえる可能性もあります。
もし、担保として提供する不動産が築古不動産や借地権が設定されているなどの場合は、ノンバンクに申込んだほうがいいでしょう。
3-3 担保評価が高めで借入可能額が大きい
融資額の計算には、担保掛目を利用する方法があります。その場合の計算式は、「不動産の評価額×担保掛目」で、担保掛目は金融機関によって独自に設定されます。
不動産を担保にする場合の一般的な担保掛目は60%~80%に設定されていますが、ノンバンクが設定する担保評価は銀行よりも高いといわれており、同じ担保でもノンバンクのほうが、借入可能額が大きくなる可能性が高くなります。
また、融資限度額が高い点もノンバンクのメリットです。銀行では上限を1億円としているところが多いものの、ノンバンクだと、5億円や10億円と設定されているため、担保によっては高額な融資が期待できます。
3-4 資金の使い道の自由度が高い
銀行が提供する不動産担保ローンの場合、資金使途について「納税資金」や「事業資金」には利用できないなど制限が設けられているケースがあります。中には投資用不動産の購入には利用できないとしている銀行もあるため注意しましょう。
ノンバンクでは原則としてこのような制限が設けられていないため、できるだけ広い用途で利用したいと考えているなら、ノンバンクを利用するほうが有利といえます。
4 ノンバンクの不動産担保ローンを利用するデメリット
ノンバンクの不動産担保ローンには多くのメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
ノンバンクの不動産担保ローンを利用する際には、メリットとデメリットを比較したうえで利用しましょう
4-1 銀行より金利が高い
ノンバンクの不動産担保ローンの最大のデメリットは、銀行に比べると金利が高い点です。
仮に1,000万円を借り入れ、10年間で返済すると仮定した場合の銀行とノンバンクの返済総額を比較してみましょう。計算にあたり、銀行の金利は年2%、ノンバンクは年8%とします。
| 毎月の返済額 | 返済総額 | 利息 | |
|---|---|---|---|
| 銀行 | 9万2,013円 | 1,104万1,560円 | 104万1,560円 |
| ノンバンク | 12万1,327円 | 1,455万9,240円 | 455万9,240円 |
銀行で借りた場合の利息は約104万円なのに対し、ノンバンクで借りた場合は約456万円です。
利息の差は6%ですが、利息に4倍以上の差が生まれることは、かなり負担に感じるのではないでしょうか。
4-2 悪質業者に注意が必要
ノンバンクの中には、金融庁に貸金業者として登録していない悪質な業者も存在します。
このような悪質な業者からお金を借りると、法外な金利を請求されるケースもあります。また、違法な取り立てや嫌がらせのほか、個人情報を悪用される可能性もあります。最悪の場合、家族や勤務先を巻き込む事態になりかねないため、悪質な業者は絶対に利用しないようにしましょう。
利用しようとしている金融機関が悪質な業者かどうかを見分けるには、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用することで分かります。また、最近では「違法な金融業者に関する情報」も公開されていますので、合わせて確認しておきましょう。
4 ノンバンクの不動産担保ローンを選ぶときに重視したい4つのポイント
ここでは、これからノンバンクの不動産担保ローンを利用しようと考えている方に向け、選ぶ時に重視したいポイントを解説します。
選ぶ際には、必ずここで紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。
5-1 金利・借入可能額・返済プランをしっかり比較する
不動産担保ローンに関わらず、ローンを利用する際にしっかりとチェックしておく必要があるのが「金利」「借入可能額」そして「返済計画」です。
金利が高いと、どうしても返済総額が大きくなってしまうため、設定した借入期間で無理なく返せるかをシミュレーションしましょう。もし、毎月の返済額が家計に負担を与えるようなら、返済期間を長くし、毎月の返済額を減らすなどの工夫を行いましょう。
また、実際の借入可能額は担保として提供する不動産の評価によって異なりますので、借入希望金額に近い条件を提示してくれるノンバンクを選ぶと同時に、無理なく返済できる借入金額を設定しましょう。
5-2 貸金業登録や運営会社の信頼性を確認する
不動産担保ローンを安心して利用するためには、信頼できる貸金業者かを見極める必要があります。なぜなら、中には貸金業者として登録せずに貸付を行う悪質業者も存在するからです。
申込む前に金融庁のサイトで登録されている業者かを確認するとともに、その金融機関の規模や過去の実績などを調べて最終的に安心して取引できるかを判断しましょう。
また、財務局のサイトでも管轄内の悪質業者の情報を把握できるので、合わせて活用しましょう。
5-3 実績や評判、情報開示の透明性を見る
利用したいノンバンクの信頼性を確認するには、口コミなどを調べるのも効果的です。インターネット上で実際に利用した人の口コミをみることで、丁寧な対応をしてくれるか、また問題が発生したときの対応などが分かるでしょう。
また、金融機関の公式サイトを見て、金利や手数料、審査の際に必要な書類などが分かりやすく紹介しているかもポイントです。なぜなら、積極的に情報を公開している金融機関ほど安心できるからです。
また、不明な点を問い合わせた際に丁寧に教えてくれるか、よくある質問などのサイトで情報をたくさん公開しているかも合わせて確認しておきましょう
5-4 融資までのスピードや担当者の対応力をチェックする
ノンバンクの不動産担保ローンを利用する目的が、急な資金調達なら、融資スピードは外せません。
公式サイトに掲載されている融資までの期間はあくまでも審査がスムーズに通過した場合です。そのためにも、必要な書類を事前に準備しておくことはもちろん、いつまでに融資を希望しているといった内容を担当者に伝えておきましょう。
さらに、担当者との相性も大切です。不動産担保ローンの手続きには専門用語が多く出てきます。そのため、分かりやすく説明してくれる担当者なら安心できるでしょう。
また、問題が発生した際のサポート体制がしっかりしているかも確認しておきましょう。
6 おすすめ!ノンバンクの不動産担保ローン6選
ここでは、個人向けのノンバンクの不動産担保ローンを6つ厳選してご紹介します。
中には利用できるエリアが限られているものもありますが、これからノンバンクの不動産担保ローンを利用しようと考えている方は参考にしてください。
6-1 新生インベストメント&ファイナンス「不動産担保ローン」
融資限度額の上限が1,000万円~10億円と幅広く、また返済期間も最長35年まで設定できる点が魅力です。最低融資限度額が1,000万円に設定されているため、数百万円の借り入れを考えている方には向いていません。
また、担保として提供する不動産には新生インベストメント&ファイナンスが第一抵当権者になる必要があります。担保対象エリアは原則として東京近郊ですが、一部対象外のエリアがあるほか、全国の主要都市にも対応していますので、申し込む前に担保とする不動産が対象となるか問い合わせておきましょう。
| 金利(年率) | 年2.95%~年5.90%(変動金利) |
|---|---|
| 借入可能額 | 1,000万円~10億円以内(個人・個人事業主のお客さまは上限5億円) |
| 返済期間 | 1年~35年 |
| 融資スピード | 1週間~2週間 |
| 対象エリア | 東京、神奈川、千葉、埼玉のうち東京都心並びに近郊エリア (ただし、札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡の一部も対応) |
| 担保対象 | 新生インベストメント&ファイナンスが第一抵当権を設定できる不動産 |
6-2 セゾンファンデックス「フリーローン(不動産担保)」
セゾンファンデックスの不動産担保ローンは、最短3営業日で審査結果が通知されるほか、親族との共有不動産も担保対象となっている点が特徴です。資金使途も自由なため、子どもの学費や納税資金にも活用できます。
ただし、自宅を担保に融資を受けることができない点に注意が必要です。
| 金利(年率) | 年6.80%~年9.90%(固定金利) |
|---|---|
| 借入可能額 | 500万円~3,000万円 |
| 返済期間 | 5年~15年 |
| 融資スピード | 最短3営業日 |
| 対象エリア | ・全国(※一部対応できない地域もあり) |
| 担保対象 | ・本人もしくは親族が保有する不動産 ・本人と親族の共有不動産 |
6-3 MIRAIアセットファイナンス「不動産担保ローン」
審査結果が最短即日、融資までの時間も最短翌日となっており、急な資金調達を求めている方に向いています。また、借入可能額も30万円からとなっており、比較的少額の借り入れを考えている方にもおすすめです。
延滞していても融資を可能としている点や、LINEでの相談も受け付けている点も心強いのではないでしょうか。
MIRAIアセットファイナンスの強みは、専任の担当者が全員不動産に精通しており、返済までをサポートしてくれる点です。
一般的に取り扱いが難しい不動産でも担保として取り扱ってくれるため、提供する不動産に自信がない方にも向いています。
| 金利(年率) | 年5%〜年15%(固定金利、ただし2年ごとに更新あり) |
|---|---|
| 借入可能額 | 30万円~5億円以内 |
| 返済期間 | 1ヶ月~20年以内 |
| 融資スピード | 最短翌営業日 |
| 対象エリア | 原則として1都3県(関東エリア)、ただし、そのほかのエリアでも対象となるケースもあり |
| 担保対象 | 不動産全般(土地、建物、マンション、アパート) |
6-4 アサックス「不動産担保ローン(個人向け)」
個人向けの不動産担保ローンであるにもかかわらず、融資限度額が10億円と高く設定されています。
また融資までの時間も最短3日となっており、自己保有でなく家族が保有している不動産も担保として提供可能です。
利用額の5%~10%までは手数料がかからずに繰上げ返済が可能で、契約期間中でも返済金額の見直しが可能など、返済プランが柔軟な点も評価できるでしょう。
固定金利ですので、返済額を固定したいと考えている方にもおすすめです。
| 金利(年率) | 年1.95%~年7.80%(固定金利) |
| 借入可能額 | 300万円~10億円以内 |
| 返済期間 | 3ヶ月~35年以内 |
| 融資スピード | 最短3日 |
| 対象エリア | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県 |
| 担保対象 | 不動産全般(土地、建物、マンション、アパート) |
6-5 L&F アセットファイナンス「不動産活用ローン(フリーコース)《個人のお客さま向け》」
不動産担保ローンを専門としており、資金使途も原則自由です。そのため、子どもの教育資金やリフォーム資金のほか、相続税などの納税資金にも利用可能です。
ただし、担保として提供する不動産には第一順位の抵当権が設定される必要がある点や、建物に質権が設定される可能性がある点に注意しておきましょう。
| 金利(年率) | 年3.39%~年6.80%(変動金利) |
|---|---|
| 借入可能額 | 300万円~10億円以内 |
| 返済期間 | 13ヶ月~35年以内 |
| 融資スピード | 最短1週間 |
| 対象エリア | 原則として店舗がある地域に限る(場合によっては店舗がない地域でも取り扱える可能性あり) |
| 担保対象 | L&F アセットファイナンスが第一順位の抵当を設定できる不動産 |
6-6 日宝「不動産担保ローン」
日宝は創業49年以上の実績を誇る会社です。エリアに制限を設けているノンバンクが多い中、全国のエリアを対象としている点は見逃せません。
また、本人が所有している不動産でなくても、所有者の保証が受けられれば担保として提供可能です。
店舗は東京にしかありませんが、インターネットや電話でも申し込めるため、地方在住で不動産担保ローンを利用しようと考えている方は候補の1つに挙げてもいいのではないでしょうか。
| 金利(年率) | 年4.0%~年9.9%(金利タイプは公式サイト未掲載) |
|---|---|
| 借入可能額 | 50万円~5億円以内 |
| 返済期間 | 1ヶ月~30年以内 |
| 融資スピード | 1週間程度 |
| 対象エリア | 全国 |
| 担保対象 | 不動産全般(調整区域、再建築不可の不動産にも対応) |
7 ノンバンクの不動産担保ローン利用が向いている人
ノンバンクの不動産担保ローンは、基本的に銀行の融資条件を満たしにくい方や、銀行の審査に不安がある方、また融資までのスピードを求めている方にとって有利に働きます。
ここでは、どのような方がノンバンクの不動産担保ローン利用に向いているのかについて具体的に解説します。
7-1 早急に資金調達が必要な方
事業の資金繰りに困っているなど、早急に資金調達をする必要がある方にはノンバンクの不動産担保ローンがおすすめです。なぜなら、ノンバンクは銀行に比べると融資までのスピードが早く、希望した時期に資金を準備できる可能性が高いからです。
一般的に銀行では融資までに1ヶ月程度かかるといわれており、資金が必要な時期から逆算し、余裕を持った申込みが必要ですので、早急に資金が必要な場面には向いていません。
早急に資金が必要になるケースは事業資金だけではありません。医療費や教育費のほか、納税資金にも利用できるため、とにかく早く資金調達したいと思っている方におすすめです。
7-2 銀行融資に不安がある方
銀行の不動産担保ローンの申込条件には、年齢要件のほか、安定継続した収入があることが記載されているケースが多いです。
しかし、ノンバンクの不動産担保ローンの申込条件は年齢要件のみが記載されているところもあり、安定継続した収入といった面で不安がある人でも申込みやすいでしょう。
特に起業したばかりの個人事業主やフリーランスなどでは、銀行の不動産担保ローンの申込条件を満たさない可能性があります。
その点、ノンバンクでは審査の際に担保となる不動産の価値を重視する傾向があるため、収入や職業といった制限が銀行ほど厳しくありません。
そのため、銀行での審査に不安がある人はノンバンクの不動産担保ローンがおすすめです。
7-3 特殊な不動産を担保にしたい方
銀行では、不動産担保ローンを利用する際に提出する担保不動産について、築古や共有不動産、抵当権が設定されている不動産などは対象外として取り扱われます。
しかしノンバンクではそのような不動産でも担保の対象になる可能性があります。
特に銀行は抵当権が設定されている不動産は対象外ですが、ノンバンクだと抵当権が設定されていても対応できるケースもあります。
このように銀行では担保対象として断られる不動産でもノンバンクでは担保として評価してもらえるため、担保対象不動産が特殊であり、それでも担保として扱ってもらいたい方に向いています。
8 ノンバンクの不動産担保ローンを利用する際の注意点
ノンバンクの不動産担保ローンを利用するにあたっては、注意すべき点があります。
特に契約時には以下の点に注意しておきましょう。そうすることで、安心して利用でき、契約後の後悔を防ぐことに繋がります。
8-1 高金利による返済総額の増加に注意する
基本的にノンバンクの不動産担保ローンは銀行の不動産担保ローンに比べ、金利が高めに設定されていることが多いです。
また、返済期間が長いとその分利息も増え、最終的な返済総額が大きくなる点に注意が必要です。
最長返済期間は金融機関によって異なりますが、30年や35年などと長期に設定されているケースが多くみられます。
ただし、返済期間は自分で決められます。不安な場合は余裕を持った返済期間を設定しておき、途中でまとまった収入が入ったときには繰り上げ返済を行うなど、少しでも利息を抑えることを考えましょう。
また、毎月の返済額も無理のない範囲に設定することも大切です。シミュレーターを使って、無理のない返済額になるような借入金額や返済期間を設定しましょう。
8-2 不透明な条件提示や違法な勧誘に注意する
不動産担保ローンの契約の際に金利や手数料を明示しない業者は悪質業者の疑いがあります。なぜなら、金融機関は契約の際に金利や手数料、返済方法などを明記する義務があるからです。
契約前に不透明な点がある場合は、その場で必ず確認しましょう。その際は、契約書を最新の内容に差し替えてもらうことも大切です。曖昧な説明で契約を急がせる業者は、金融庁に貸金業者として登録していない悪質業者の可能性があるため、契約しないようにしてください。
また、電話や予約なしでの訪問などでしつこく勧誘してくる業者も悪質業者の可能性があります。もし、しつこく勧誘してきたら、毅然とした態度で断りましょう。
8-3 利用できる地域や契約条件を事前に確認する
ノンバンクによっては、銀行と同様に対応できる地域が限られているケースがあります。また、担保となる不動産に制限を設けている可能性もありますので、事前に公式サイトで利用条件や対応エリアをチェックし、自分の不動産が担保の対象になるかを確認しましょう。
確認を怠って融資後にトラブルになるのは避けたいものです。そのためにも、公式サイトでのチェックはもちろん、不明な点は電話で問い合わせるなど事前に解決しておきましょう。
特に電話での問い合わせは対応の丁寧さなどが分かるシーンでもあります。あまり対応が良くないと感じたら、利用は避けたほうがいいでしょう。
9 ノンバンクの不動産担保ローンのよくある質問
ここでは、ノンバンクの不動産担保ローンについてよくある質問を回答と合わせて紹介します。
不明な点がある際の参考にしてください。
9-1 借入可能額の目安は?
借入可能額は、担保として提供する不動産の評価に担保掛目を乗じて求めた額です。
一般的に担保掛目は60%~80%程度とされていますが、その割合は金融機関によって異なります。
ただ、基本的に銀行が設定するよりノンバンクが設定する担保掛目のほうが高いといわれており、ノンバンクのほうが借入可能額は高くなる可能性があります。
9-2 即日融資は可能?
多くのノンバンクは即日審査可能としていますが、融資までは最短でも数日から1週間かかると思っておきましょう。
最短で融資を受けるには、必要書類に不備がなくスムーズに審査に通ることが条件です。
申込みの際には、提出する書類に不備がないかを確認し、不明な点は事前に問い合わせておくと安心です。
9-3 契約には来店が必要?
最近では、インターネットや郵送で契約手続きができるノンバンクも増えています。
ただ、インターネットや郵送で申込んでも、契約時には来店が必須としているノンバンクもありますので、申込みから契約手続きまでの流れを事前に確認しておきましょう。
平日の昼間に時間が取れないなどであれば、契約までインターネットや郵送で完結できるノンバンクを選ぶと融資までがスムーズに進みます。
9-4 住宅ローンを利用中でも融資できる?
自宅を担保に提供しようと思っており、まだ住宅ローンを返済中の場合は、自宅に住宅ローンを借り入れた金融機関によって抵当権が設定されています。
ノンバンクは基本的に抵当権が設定されている不動産でも対象としていますが、最終的には申込先のノンバンクの判断によると考えておきましょう。
場合によっては、住宅ローンを利用中の自宅は対象外になる可能性もあります。
9-5 審査に落ちる理由は?
審査に落ちる理由としてよく挙げられるのが、「安定継続した収入がない」「他社からの借入額が大きい」などです。
ほかにも提出書類に不備があったことが原因で審査に落ちることもあります。
また、担保評価額よりも借入希望金額が大きい場合なども審査に落ちる原因です。
審査に落ちた理由は教えてもらえませんので、審査に落ちないためにも、事前に審査に通るための対策を行っておきましょう。
9-6 申込みに年齢制限はある?
一般的に申込時の年齢条件は20歳以上となっており、かつ完済時年齢は80歳程度に設定されています。
また、申込みの年齢に上限を設けていないノンバンクもあります。上限が設けられていなければ、高齢者でも利用できるでしょう。
申込時の年齢条件は金融機関によって細かく決まっていますので、申込み前に必ず確認しておきましょう。
9-7 保証人は必要?
申込先のノンバンクにもよりますが、基本的に保証人は不要としているところが多くみられます。
ただし、担保として提供する不動産や、申込者の属性によっては保証人を求められるケースもあります。
保証人が求められる条件は金融機関によって異なりますので、事前に商品概要説明書などで確認しておくと安心です。
10 不動産担保ローンは銀行とノンバンクを比較して最適な選択をしよう!
不動産担保ローンは銀行とノンバンクで違いがあります。
一般的に銀行の不動産担保ローンは金利が低い点がメリットですが、審査が厳しい点がデメリットです。ノンバンクは金利が高いものの、審査が柔軟といった特徴があります。
また、融資までのスピードも銀行とノンバンクでは異なるため、自分が置かれている状況や、属性、担保として提供する不動産の種類などを考慮し、最終的に自分に合った不動産担保ローンを選びましょう。
そうすることで、無理のない資金調達ができ、安心して利用できるでしょう。
- 金利ランキング
ライター紹介
- 氏名
- 新井 智美(あらい ともみ)
- 保有資格
- ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
- 主なキャリア
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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