【第21回】マイカーローン(自動車ローン)は変動金利がお得なの?金利を低くするためにすべきこと

1.マイカーローン(自動車ローン)の金利の種類を確認!
それでは早速、マイカーローン(自動車ローン)の金利の種類について説明していきます。固定金利と変動金利の特徴や違いをこの章でしっかりつかんで、自分の希望にあう金利の種類を判断できるようになりましょう。

1-1.固定金利
固定金利とは、マイカーローン(自動車ローン)をすべて支払い終えるまで適用される金利がまったく変わらない金利です。後述する変動金利と違って、景気の影響で金利が変更されることがありません。固定金利は返済している間に金利が変わらないので安定感があり、ローンを借り入れた当初でも返済計画を立てやすいのが特徴です。対して、変動金利は将来金利が変わる可能性があるので、借り入れた当初に正確な返済総額を把握できません。ただし、市場で低金利の状態が長く続いている場合、変動金利の方が金利は低くなる傾向があります。マイカーローン(自動車ローン)にかかる金利をできるだけ抑えたいなら、市場の動向も判断材料に加える必要があると言えるでしょう。
1-2.変動金利
変動金利とは、返済期間中に適用される金利が市場の動向に伴って変わる金利の仕組みです。マイカーローン(自動車ローン)の契約先によって多少異なりますが、一般的には半年ごとに金利の見直しが行われます。変動金利は固定金利と違って、市場が低金利状態だと適用される金利が低くなるのが特徴です。また、基本的に固定金利よりも、利率が低めに設定されているのも変動金利のメリットとして挙げられます。ただし、変動金利は市場の金利が高くなれば、固定金利よりも利率が高くなるデメリットがあることを念頭においておきましょう。
2.お得なのはどれ?
結論から言えば、誰がいつ利用しても「お得」と言える金利はありません。変動金利を選んだ方がお得なときもあれば、固定金利の方が少ない負担でマイカーローン(自動車ローン)を利用できるケースもあります。マイカーローン(自動車ローン)を契約した当初は、変動金利の方が固定金利よりも利率が低い傾向にありますが、長期的に考えると固定金利の方がお得になるケースもあります。なぜなら、前述した通り、金利は市場の動向に影響されるからです。マイカーローン(自動車ローン)の最終的な返済総額を安く抑えたいなら将来の金利の動向を予測する必要がありますが、未来を完璧に予想できる人はいないでしょう。ただし、日本は現在、超低金利状態です。このままの状態が続いた場合は、固定金利よりも市場の動向によって金利が影響される変動金利の方が返済総額を抑えられます。「低金利が続く」と考えるなら変動金利、「低金利が続くかどうかは分からない」「将来金利が変わる可能性があるのは不安」という場合は、2021年現在はお得とは言い難いですが固定金利を選ぶと良いかもしれません。
3.低リスクなのはどれ?
将来的なリスクが少なく、安定性があると言えるのは固定金利です。変動金利はマイカーローン(自動車ローン)を利用した当初の金利が低めで、低金利時代だとお得感を得られるメリットもありますが、将来、金利が急に上昇するリスクがあります。できるだけリスクを抑えることを重視してマイカーローン(自動車ローン)を契約したいなら、変動金利よりも固定金利を選んだ方が安心できるでしょう。
4.低い金利にしたいなら知っておきたいローンの種類

できるだけ金利が低いマイカーローン(自動車ローン)で借り入れしたいなら、ローンの種類を理解することが大切です。なぜなら、マイカーローン(自動車ローン)は取り扱っている金融機関などによって、特徴が異なるからです。低い金利で借り入れられると返済総額を抑えられるメリットがあるので、この章でローンの種類を押さえましょう。
4-1.銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)
銀行や信用金庫などの金融機関などで取り扱われているマイカーローン(自動車ローン)は、適用される金利が低い傾向にあります。例えば、三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンの金利は、年1.70%~2.45%(変動金利)で、三井住友銀行のマイカーローン(自動車ローン)は年4.475%(変動金利)です。東京信用金庫のカーライフプランは固定金利で、年1.00%~3.28%になっています。銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)なら金利の負担が大きくならないと言えるでしょう。また、銀行や信用金庫で借り入れた場合は、購入する自動車の名義が契約者自身になります。車検証の所有者欄も購入者自身の名前が記載される仕組みです。ちなみに、後述するディーラーローンの場合は、名義が信販会社になります。
加えて、銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)は借り入れたお金の用途が広いのも特徴の1つです。利用する金融機関によって条件は異なりますが、自動車の購入だけでなく、車検や免許の取得などにも利用できるケースが多くなっています。一方、銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)は申込みから契約までに手間がかかります。申込む金融機関を自分で探さなくてはいけませんし、インターネットを使った申込みに対応していないケースもあります。インターネット申込みができる場合でも、本契約の際に金融機関まで足を運ばなければいけないこともあります。
土日祝日は営業していないので、平日の日中に仕事がある人にとっては利便性が悪いでしょう。また、低金利であるがゆえに、審査にかかる時間が長いのもデメリットとして挙げられます。「手間がかかってもできるだけ金利を抑えたマイカーローンが良い」という人には、銀行や信用金庫での借り入れが適しているでしょう。
4-2.ディーラーローン
そもそもディーラーローンとは、カーディーラーの提携の信販会社が取り扱っているローンを指します。したがって、ディーラーローンは自動車を購入したディーラーでそのまま申込めるのがポイントです。銀行や信用金庫のように、自分で契約先を探す必要がありません。「マイカーローンを組むのは面倒・大変」というイメージを持っている人が多いかもしれませんが、ディーラーローンなら楽に素早くお金を借りられます。審査があるのですべての人が利用できるわけではありませんが、銀行や信用金庫などの金融機関よりも柔軟でスピーディーに審査が行われる特徴があります。
一方、ディーラーローンは銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)よりも、適用金利が割高なのがデメリットです。具体的な金利は利用するディーラーローンによって異なりますが、5%~10%が一般的です。1%以下の金利が設定されることもありますが、車種が制限されていることが多いのでよく確認する必要があるでしょう。また、ローンの返済期間中は、自動車の名義が信販会社になります。完済後は名義変更が行われて購入者が正式な所有者になりますが、それまでは車検証などにも信販会社の名前が記載されます。
加えて、ディーラーローンは銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)と違って、借り入れたお金の用途が限定されます。基本的には自動車の購入代金にしか使用できず、車検や免許の取得などには使えないので注意しましょう。以上の内容から、「金利よりも手続きの手軽さを優先したい」という人は、銀行や信用金庫のマイカーローン(自動車ローン)よりもディーラーローンの方が適していると言えます。
5.マイカーローン(自動車ローン)で金利を抑えるポイント
最後に、マイカーローン(自動車ローン)で金利を抑えるのに有効なポイントを2つ説明します。いずれも簡単なポイントなので、マイカーローン(自動車ローン)の契約先を検討する際に役立ててください。

5-1.複数商品をシミュレーションし、比較をする
マイカーローン(自動車ローン)の金利をできるだけ抑えたいなら、1つのローンだけでなく、複数商品でシミュレーションすることが大切です。前述の通り、マイカーローン(自動車ローン)は金融機関によって条件が異なります。また、同じ金融機関のマイカーローン(自動車ローン)でも、申込み方法や他サービスの利用状況などによって適用される金利が変わるものもあります。したがって、マイカーローン(自動車ローン)の金利を抑えたい場合は、時間をかけて吟味した方が希望の条件にあったローンを見つけやすいです。とは言え、ローンや金利についての知識がない人の中には、「自分でマイカーローンのシミュレーションなんてできない」と不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、マイカーローン(自動車ローン)を取り扱う金融機関のホームページでは、簡単な項目を入力するだけで誰でも簡単に返済のシミュレーションができるツールが提供されています。借入希望金額や借入期間などを設定するだけで、毎月の返済額の目安や返済総額などを確認できるためとても便利です。自分でマイカーローン(自動車ローン)の返済のシミュレーションをすると大変なので、こうしたツールをうまく活用して複数商品のローンの中から納得がいくものを選ぶようにしましょう。
5-2.金利以外の費用も見落とさないようにする
マイカーローン(自動車ローン)を契約するにあたって、保証料や手数料がかかるケースも多いです。これらの費用は本来、金利ではありません。しかし、マイカーローン(自動車ローン)を利用するために必要なので、実質、金利に上乗せされる費用であることを覚えておきましょう。また、マイカーローン(自動車ローン)の返済期間中に繰り上げ返済を考えている人は、繰り上げ返済手数料が発生する条件や金額もあわせて確認することが大切です。借入先によっては繰り上げ返済手数料が必要なかったり、手続きの申込み方法によって手数料の金額が異なったりします。
金利の低さだけでマイカーローン(自動車ローン)を選ぶと、こうした諸費用が想定外にかかってしまうことがあります。自動車の購入にあたってマイカーローン(自動車ローン)を契約するときは、保証料や各種手数料など諸々の費用も込みで考えておくと安心です。自分ですべての費用を考えてシミュレーションするのが難しい場合は、金融機関のマイカーローン(自動車ローン)担当者に諸費用込みで見積もりを作成してほしい旨を伝えて対応してもらいましょう。
マイカーローン(自動車ローン)は比較検討してベストな選択をしよう
マイカーローン(自動車ローン)はさまざまな金融機関で取り扱われていますが、条件も各金融機関によって異なります。購入する車は同じでも、借入先や金利の種類などで支払う金額に差が出てきます。また、マイカーローン(自動車ローン)ごとに異なる特徴があるので、利用する人によってメリット・デメリットが変わってきます。マイカーローンを決めるときは本記事だけでなく、他の比較サイトなどを活用し情報を集めて慎重に検討すると良いでしょう。
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ライター紹介
- 氏名
- 丸岡日向子
- 主なキャリア
- 地方銀行での勤務、税理士事務所での勤務の後、フリーランスのライターとして起業。
- 保有資格
- FP3級、日商簿記2級、銀行業務検定各種。
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