【第72回】マイカーローン(自動車ローン)の本審査にかかる日数は?早く審査を出すためにすべきこととは

今回は、マイカーローン(自動車ローン)をなるべく早く借りたいと思う人に向けて、審査にかかる日数はどのくらいなのかについて解説するとともに、マイカーローン(自動車ローン)の審査の流れについても説明します。
1. マイカーローン(自動車ローン)の本審査にかかる日数は?

マイカーローン(自動車ローン)は、大きく分けて「銀行」「自社」「ディーラー」が提供する3種類に分けられ、それぞれ審査の時間は異なります。以下にその詳細について解説します。
1-1 銀行などの金融機関
銀行や信用金庫などが取扱うマイカーローン(自動車ローン)には、比較的金利が低いという特徴があるものの、審査にかかる時間は長めです。本審査に要する期間は金融機関によって異なりますが、1週間~2週間程度はかかると考えておきましょう。
そのため、できるだけ早くマイカーローン(自動車ローン)を利用したい人にはおすすめできません。もしマイカーローン(自動車ローン)を利用する必要があるのであれば、本審査にかかる時間を考慮し、早めに申込むなどの対策を行いましょう。
1-2 自社ローン
自社ローンとは、自動車販売店が銀行などの金融機関や信販会社などを通さず、自動車販売店独自の審査基準を設けて提供するマイカーローン(自動車ローン)です。自動車販売店が独自で審査を行うため審査が早い特徴があり、その日に審査結果が分かる場合もあります。
また、銀行などの金融機関が提供するマイカーローン(自動車ローン)と比べると、審査に通る可能性が高いといわれています。
1-3 ディーラーローン
ディーラーローンとは、ディーラーと信販会社が提携して提供するマイカーローン(自動車ローン)です。銀行などの金融機関が提供するマイカーローン(自動車ローン)と比べ、金利が高めですが、審査時間は早く、申込み当日に審査結果がでることもあります。
ただし、ディーラーローンは完済までは車の名義がディーラーとなります。そのため、ローン完済までは車を勝手に売却することができません。
2. マイカーローン(自動車ローン)の審査日数を比較
実際にマイカーローン(自動車ローン)の審査日数はどのくらいかかるのかについて比較し、以下で表にしてみましたので、参考にしてください。
ローン名 | 審査・借り入れにかかる日数 | 金利 | 特徴 |
---|---|---|---|
損保ジャパン マイカーローン・ 自動車ローン(中古車・新車) |
・審査結果は最短即日 ・借り入れまで最短約1週間 |
(通常ローン) 年1.9%~3.95% (エコカー割) 年1.4%~3.45% |
・口座の開設が不要 ・保証料が無料 ・申込みから契約までWeb完結 |
京葉銀行 マイカーローン |
借り入れまで最短1週間 | ・店頭申込み 年2.85%~3.85% ・Web申込み (借入金額10万円~499万円) 年1.9~2.5% (借入金額500万~1,000万円) 年1.7%~2.5% |
・Web申込みで金利が優遇される ・ほかの金融機関からの借り換えに利用可能 ・10万円から利用可能 ・審査の際、年収確認資料が原則不要 ・審査結果は3ヶ月有効 |
北洋銀行 マイカーローン |
・来店契約 借り入れまで最短1週間 ・Web申込み 借り入れまで10営業日程度 |
・来店契約 年2.3%(変動金利) ・Web申込み 年1.9%(変動金利) |
・車購入時であれば、最長12年間の借入が可能 ・ほかの金融機関からの借り換え可能(最長10年) ・借入額が500万円までであれば、所得証明書類不要 |
常陽銀行 常陽マイカーローン |
・事前審査の結果は最短即日 ・借り入れまで最短約1~2週間 |
年1.05%~2.45% | ・申込みから契約までネットで完結 ・繰り上げ返済手数料や保証料が無料 ・中古車でも利用可能 ・車を決める前に申込み可能 ・安定収入があれば、パートやアルバイトでも利用可能 |
静岡銀行 マイカーローン |
・審査結果は最短3営業日 ・借り入れまでWebでのお手続きで2週間以上 郵送だと約3週間~1ヵ月 |
年3.3%~5.3% 所定の条件を満たすと 年1.2%~3.5% |
・所定の条件を満たすことで、金利が優遇される ・車の購入だけでなく、借り換えにも利用可能 ・保証料が無料 ・最大1,000万円の融資を最長10年利用できる ・車を決める前に仮審査可能 |
一番審査の日数が短いのは損保ジャパンです。損害保険会社という特徴もあり、新規の口座開設が不要なうえに審査結果は即日回答です。ただし、審査結果は即日回答ですが、申込みから借り入れまでは最短1週間かかる点には注意が必要です。
次に審査にかかる日数が短いのは、「京葉銀行」「北洋銀行」が提供するマイカーローン(自動車ローン)です。銀行にしては最短1週間と早いため、金利を抑えながら早くマイカーローン(自動車ローン)を利用したい人におすすめです。
銀行のマイカーローン(自動車ローン)は、審査期間が1週間~2週間程度かかるところが一般的ですので、急ぎのときには事前に電話などで相談してみましょう。
金融機関によっては、最大借入期間を長く設定しているところもあれば、借り換えの場合の返済期間に上限を設けているところもあります。
収入証明書類も原則不要としているところや、一定の金額までなら不要としているところもありますので、契約時に慌てないよう、条件を細かくチェックするようにしてください。繰り上げ返済を計画しているなら、繰り上げ返済手数料が無料かどうかもチェックしておきたいポイントです。
また、条件を満たすことで金利が優遇されるプランが提供されているところもあります。条件は金融機関などによって異なりますので、複数のマイカーローン(自動車ローン)の金利優遇条件を比較し、最終的にどの金利が適用されるのかを確認しておきましょう。
3. マイカーローン(自動車ローン)には仮審査と本審査がある

マイカーローン(自動車ローン)の審査には、仮審査と本審査があります。そして、それぞれの審査ではチェックする項目が異なります。
次章では、仮審査そして本審査でどのような点をチェックするのかについて解説します。
4. マイカーローン(自動車ローン)の仮審査で確認すること
マイカーローン(自動車ローン)の仮審査では、申込みの際に申告された内容に基づいて簡易的な審査を行います。申込み時に申告する内容については、本人の属性(年齢・年収・勤務先・勤務年数・借入希望額・他社で利用中のローンなど)が基本的です。
仮審査は簡易的なものですが、年収に対してあまりにも高額な借入希望額を提示すると、仮審査に通らない可能性もあります。
自分の年収に対してどのくらい借りられるかを把握するために、多くのマイカーローン(自動車ローン)の公式サイト上で、短時間(数秒)で仮審査が行える診断ツールが用意されています。不安な際には申込む前に利用してみましょう。
また、銀行以外のマイカーローン(自動車ローン)では、仮申込みの時に購入する車が決まっていないと申込みできないところもあります。
5. マイカーローン(自動車ローン)の本審査で確認すること

仮審査に通過できると本審査に移ります。本審査では、仮審査で申告された内容をさらに詳しくチェックします。具体的には、年収や他社からの借入状況など申込内容が事実と合っているかどうかを確認しながら、申込者に返済能力があるかどうかを審査します。
本審査で確認する項目とその内容については、以下のとおりです。
5-1 個人信用情報機関で信用情報を調べる
ローンの申込みがあった際、融資を行う金融機関は必ず個人信用情報機関に照会をかけます。
個人信用情報機関とは、金融機関などによって登録された信用情報を管理している機関で、日本には3つ存在します。そして、金融機関やローン会社などは、必ずいずれかの機関に加盟しており、融資の申込みがあった際に照会をかけて、申込者に融資を行っても問題ないかを確認します。
個人信用情報機関で管理している信用情報には、現在の借入状況や延滞、多重債務、過去の取引状況、さらには債務整理の有無などがあります。照会をかけた際に延滞や多重債務などの信用事故情報が載っていた場合は、審査に通ることは難しいでしょう。
5-2 年収
年収も本審査における重要なチェック項目です。特に借入希望額が年収に比べて多すぎると返済が難しくなると予測されます。そのため、より詳しく調べるために、源泉徴収票などの収入証明書類を求めるところもあります。
マイカーローン(自動車ローン)は基本的に無担保ローンになるため、金融機関としても貸し倒れリスクをできるだけ避けたいと考えがちです。
借入額と返済期間、さらに金利から求められる年間返済額と年収とのバランスを考慮し、融資できるかどうかを判断します。この年収における年間返済額の割合を返済比率といい、金融機関によって一定の基準を設けています。
5-3 在籍期間
在籍期間とは、現在の勤務先に在籍している期間のことで、期間が長い方が信頼できるといわれています。短期間で転職を繰り返すような不安定な状態だと、またすぐに退職してしまうのではないかと懸念され、審査の通過は難しくなるでしょう。
一般的には1年以上の在籍期間があると審査通過の可能性が高まるといわれています。
6. 本審査にかかる日数を減らすためには

なるべく早くマイカーローン(自動車ローン)を借りたい場合は、本審査にかかる日数をなるべく短くする必要があります。そのためにどのようなことをすればよいのか解説します。
6-1 申込書は正しく記載する
申込書に記載する内容は間違いのないようにしましょう。記載内容に間違いがあると、確認作業が発生するうえ、場合によっては修正や提出し直すことが必要となり、その分審査に時間がかかります。
最近ではインターネットで気軽に申込みができる金融機関が増えていますが、インターネットで申込む際にも入力内容に間違いや漏れがないかを必ず確認して送信するように心掛けましょう。
当たり前のことですが、審査に通りやすくするための虚偽の申告は絶対にしないようにしてください。虚偽の申告は審査の過程で必ず発覚します。悪質であると判断されると審査に通らない可能性があるので、必ず事実を記入するようにしましょう。
6-2金融機関に問い合わせてみる
早く審査を済ませてほしいときには、金融機関に問い合わせてみるのも一つの方法です。コールセンターに電話をして、「事情があるため審査を早くしてもらいたい」旨を伝えてみましょう。必ずとはいえませんが、審査を早めてくれる可能性はあります。
6-3 無理のない金額に抑える
借入金額を無理のない額に抑えることで、審査に通りやすくなる可能性があります。なぜなら、返済比率(年収における年間返済額の割合)が高ければ、その分審査も慎重になるからです。
毎月の返済額が無理なく返済できる額に抑えられるように、頭金を少し多めに用意する、もしくは予算を下げてその範囲内で車を選ぶなどといった工夫をしてみましょう。
7. マイカーローン(自動車ローン)の本審査で落ちてしまったときには

マイカーローン(自動車ローン)の本審査に落ちてしまったら、マイカーローン(自動車ローン)を利用することができず、車を購入できなくなってしまいます。もし、マイカーローン(自動車ローン)の本審査に落ちてしまったときには、以下の方法を試してみましょう。
7-1 ほかのマイカーローン(自動車ローン)に申込む
冒頭で紹介したとおり、マイカーローン(自動車ローン)には、銀行などの金融機関が提供するもののほかに、ディーラーローンや自社ローンといった種類があります。そして、それぞれで審査基準が異なりますし、同じ種類のマイカーローン(自動車ローン)でも商品によって審査基準は異なります。
条件が同じでも、ほかのマイカーローン(自動車ローン)なら審査に通る可能性は十分に考えられます。もし審査に落ちてしまったときには、ほかのマイカーローン(自動車ローン)に申込んでみましょう。
7-2 借入金額を減らす
希望する借入金額が年収に対して高額すぎたときには、借入金額を減らすことを考えましょう。借入金額を減らす方法には、頭金を増やすことや、購入する車のグレードを下げるなどがあります。借入金額を減らしてマイカーローン(自動車ローン)に申込めば、審査に通過できるかもしれません。
8. マイカーローン(自動車ローン)手続きの流れ
現在主流となっているインターネットにおけるマイカーローン(自動車ローン)手続きの流れについて解説します。
1.申込み
利用するマイカーローン(自動車ローン)を取り扱う金融機関の公式サイトから申込みます。申込みサイトが用意されていますので、流れに沿って必要情報を入力し、申込みを完了させてください。マイカーローン(自動車ローン)によっては、申込みの時点で購入する車が決まっていなければならない場合もありますので、注意してください。
2.仮審査
申込みが完了したら、仮審査が行われます。審査基準はマイカーローン(自動車ローン)によって異なり、結果は申込み時に指定したアドレスに送られてきます。早ければその日に回答があるところもあれば、2営業日~3営業日を要するところもあります。
3.本審査
仮審査に通過したら、本審査に移行します。本審査の際には、必要書類をアップロードして提出する必要があります。必要書類はマイカーローン(自動車ローン)によって異なりますので、事前に確認してもれのないように準備しておきましょう。一般的に必要とされる書類には、以下のものがあります。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 所得証明書類(源泉徴収票、確定申告書など)
- 購入する車の見積書、もしくは契約書
銀行系のマイカーローン(自動車ローン)に申込む場合は、口座の開設が必要になる可能性があります。開設が必要なところに申込むのであれば、申込み前から口座を開設しておくとスムーズでしょう。
4.契約手続き
本審査に通過したら、契約手続きに移行します。契約手続きまでインターネットで行えるマイカーローン(自動車ローン)もあれば、契約手続きについては来店もしくは郵送が必要な場合もあります。インターネットで契約手続きが行える場合は、契約内容をインターネット上で確認し、同意することで手続きが完了します。
5.融資実行
契約手続き完了後、融資が実行されます。融資金額は自分の口座に振り込まれるケースと、支払先(購入先)に振り込まれるケースがあります。そして、融資実行後は返済が始まります。
マイカーローン(自動車ローン)本審査の日数は最長でも2週間程度
マイカーローン(自動車ローン)には、3つの種類があり、本審査にかかる日数はそれぞれ異なります。早いのはディーラーローン、もしくは自社ローンで、最短即日に結果が分かります。しかし、銀行などの金融機関が提供するマイカーローン(自動車ローン)と比べて金利が高い点はデメリットでしょう。
一方、銀行などの金融機関が提供するマイカーローン(自動車ローン)の場合、金利が低い点はメリットですが、その分本審査の時間がかかるという特徴があります。もし利用を考えているなら、融資実行希望日から逆算して早めに申込むなど工夫することをおすすめします。
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ライター紹介
- 氏名:
- 新井智美
- 保有資格:
- ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
- 主なキャリア:
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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