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【第127回】国立大学の授業料はいくら?4年間の総額・値上げ動向と無償化【2026年最新】

2026年10月07日
国立大学の授業料はいくら?4年間の総額・値上げ動向と無償化【2026年最新】
「国立大学は私立より安い」とよくいわれますが、実際にいくら必要なのか気になる方も多いでしょう。
国立大学の授業料は年53万5,800円が標準で、入学料を含む4年間の総額は242万5,200円です。ただし、近年は東京大学などで値上げが行われ、大学によって負担額に差が出ているのが実情です。
この記事では、入学前の受験費用から4年間の学費、私立大学との違い、生活費、授業料の値上げ動向、奨学金や無償化制度まで、大学進学に必要なお金をまとめて解説します。

この記事は約12分30秒で読むことができます。

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    1. 国立大学の授業料はいくら?

    学校の建物の模型と積まれた硬貨の画像

    2026年度の国立大学については、入学料28万2,000円、授業料年53万5,800円が標準額です。ただし、大学は標準額の120%を上限として独自に授業料・入学料を設定できます。
    志望校によっては標準額を超える可能性もあるため、事前に大学ごとの確認が必須です。

    1-1 【受験費用】合格までに平均約27万円が必要(検定料・交通費・宿泊費)

    大学進学では、合格してからではなく、受験の段階から費用がかかります。

    大学入学共通テストの検定料は3教科以上で1万8,000円、2教科以下なら1万2,000円です。国立大学の2次試験の検定料は1万7,000円が基本で、複数校を受験する場合はその分だけ必要になります。

    さらに、遠方の大学を受験するなら交通費や宿泊費も必要です。東京私大教連の2025年度調査では、受験料・交通費・宿泊費を合わせた受験費用は、自宅外通学者で平均27万4,900円でした。ただし、これは首都圏の私立大学新入生を対象とした調査であり、国立大学受験者だけの平均ではありません。

    そのため、国立大学を受験する家庭も「受験料だけなら数万円」と考えず、交通・宿泊費などを含め、余裕を持って受験費用を準備しておきましょう。

    1-2 【入学料】28万2,000円が標準額

    国立大学の入学料の標準額は28万2,000円で、入学時に一度だけ支払います。この標準額は2005年度以降、変更されていません。

    国立大学では同じ水準の入学料を設定する大学が多いものの、実際は標準額の120%まで独自に設定でき、上限は33万8,400円です。

    現在は標準額を採用する大学が多い一方、大学によっては異なる金額を設定している場合があるため、志望校が決まったら、入学料も大学の公式サイトや募集要項で確認しておきましょう。

    参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(2025年12月公表版)

    1-3 【授業料】年53万5,800円が標準額

    国立大学の授業料の標準額は2026年度も年53万5,800円で、2005年度から変更されていません。

    ただし、国立大学の授業料がすべて同じというわけではありません。各大学は標準額の120%を上限として、大学ごとに授業料を設定でき、上限額は年64万2,960円です。

    実際に東京大学では2025年度入学者から学部授業料を64万2,960円に改定し、2026年度には埼玉大学や山口大学などでも同額への引き上げが行われています。

    参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」(2025年12月公表版)

    1-4 【その他】私立大学のような施設設備費は基本的に設定されない

    私立大学では、授業料とは別に施設設備費や実験実習料などが設定されることがあります。一方、国立大学では、私立大学のような施設設備費を一律に上乗せする仕組みはありません。

    ただし、大学によっては学生保険料、後援会費、同窓会費などの諸費用が必要になる場合があります。実際、埼玉大学では入学時に授業料・入学料以外の費用があることが案内されています。

    また、教科書やパソコン、通学定期、実習に必要な用品などは別途必要です。国立大学の学費を考える際は、大学に納める費用と、大学生活そのものに必要な費用を分けて考えると、資金計画を立てやすくなります。

    2. 国立大学の学費は卒業まで総額いくら?

    卒業帽とお金の袋を並べた教育費・予算のイメージ画像

    4年制の国立大学なら、標準額で入学料と4年間の授業料を合わせて約243万円、医学・歯学・薬学・獣医学など6年制課程では約350万円が基本です。
    さらに大学院へ進む場合は、その分の学費も上乗せされます。

    2-1 4年制で約243万円、6年制で約350万円

    国立大学の標準額で計算すると、4年制の学費は次のとおりです。

    項目 4年制 6年制
    入学料 28万2,000円 28万2,000円
    授業料 214万3,200円 321万4,800円
    合計 242万5,200円 349万6,800円

    4年制なら約243万円、6年制なら約350万円が目安です。

    一方、授業料を上限の64万2,960円に設定している大学では、入学料を標準額とすると4年制で285万3,840円、6年制で413万9,760円になり、標準額との差は4年制で約43万円です。

    志望校が標準額を採用しているか、値上げ後の金額になっているかで必要資金は変わるため、学校名まで決めた段階で確認しましょう。

    2-2 大学院はさらに約135万円〜(法科大学院は約269万円)

    大学卒業後に大学院へ進む場合は、その分の費用も必要です。

    国立大学の修士課程を標準額で計算すると、入学料28万2,000円と授業料53万5,800円×2年間で、合計135万3,600円が目安です。

    法科大学院は授業料の標準額が年80万4,000円のため、3年間なら入学料を含めて269万4,000円が基本です。東京大学でも法科大学院の授業料は年80万4,000円です。

    理系や専門職などで大学院進学を予定している場合は、学部4年間だけでなく、大学院まで含めた教育資金を考えておくと安心です。

    2-3 学費は年2回の分割払い|入学前に全額そろえる必要はない

    国立大学の授業料は、一般的に前期と後期の2回に分けて支払います。4年間分を入学前に一括で用意する必要はありません。

    標準額の場合、年53万5,800円なので、単純に2分割すると1回あたり26万7,900円です。入学時には、入学料28万2,000円に加えて前期分の授業料を納めるため、標準額なら約55万円が一つの目安になります。

    ただし、納付時期や方法は大学によって異なります。東京大学の場合、前期分が5月、後期分が11月です。志望校の案内を確認して、支払時期に合わせて資金を準備しましょう。

    3. 国立大学と私立大学で授業料はどれくらい違う?

    国立大学と私立大学の学費を比べるイメージ

    国立大学は、私立大学と比べて学費を抑えやすいのが特徴です。
    私立は学部によって金額差が大きく、特に理系や医歯系では国立との差が広がります。

    3-1 学部系統で変わる学費|文系・理系・医歯系で最大約2,000万円差

    文部科学省の2025年度調査によると、私立大学の初年度納付金は、文系で121万2,235円、理系で160万2,053円、医歯系で477万9,143円でした。これには授業料だけでなく、入学料や施設設備費も含まれています。

    これを標準的な修業年限に合わせて単純計算すると、国立大学との差は次のようになります。

    項目 国立 私立文系 私立理系 私立医歯系
    入学料 28.2万円 約22万円 約24.5万円 約108.8万円
    授業料(年) 53.6万円 約85万円 約119.5万円 約282.5万円
    施設設備費(年) 基本なし 約14.2万円 約16.1万円 約86.6万円
    在学中の納付金総額 約243万円 約419万円 約567万円 約2,324万円
    国立との差 ― 約176万円 約324万円 約1,974万円

    ※私立は2025年度平均額をもとに、入学料は初年度のみ、授業料と施設設備費は修業年限中毎年必要なものとして試算しています。実際の学費は大学・学部によって異なります。医歯系は6年間で計算しています。

    国立大学の4年間約243万円に対し、私立文系では約419万円、私立理系では約567万円です。私立医歯系では6年間で2,000万円を超える水準となり、国立との差は約2,000万円に近づきます。

    私立大学を併願するなら、第一志望の国立大学だけでなく、私立の入学料や授業料まで含めて準備しておきましょう。

    出典:文部科学省|令和7年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額

    3-2 公立は国立とほぼ同額(入学料は地域内が安い)

    公立大学の授業料も国立大学に近い水準に設定されている大学が多く、学費だけを見ると大きな差はありません。

    ただし、公立大学では入学料について、大学が所在する自治体の住民か、それ以外の地域から来た学生かで金額を分けているケースがあります。文部科学省の資料でも、公立大学の入学料は地域内と地域外で差があることが示されています。

    住所地によって入学時の負担が変わる可能性があるため、公立大学を検討するときは「授業料はいくらか」だけでなく、「自分は地域内入学者に該当するか」まで確認しましょう。

    3-3 「学費の安さ」が国立大学のメリット

    国立大学の大きなメリットは、学費を比較的抑えながら高等教育を受けられることです。標準額なら4年間の学費は約243万円で、私立文系との差は約176万円、私立理系との差は約324万円です。

    特に理系では、実験や研究設備などに費用がかかるため、私立との学費差が大きくなりやすい傾向にあります。

    ただし、進学先は学費だけで決めるものではありません。教育内容、研究環境、通学距離、住居費、就職実績なども含めて、4年間の総費用で比較することが大切です。

    3-4 国立大学のデメリットは「受験科目の多さ」と「受験機会の少なさ」

    国立大学を目指す場合、受験科目の多さが負担になることがあります。共通テストで幅広い科目の対策が必要となる大学が多く、特定科目に集中した受験対策とは異なる準備が求められます。

    また、一般選抜では前期日程・後期日程などに分かれているものの、私立大学ほど多くの大学を受験できるわけではありません。大学によっては後期日程を実施しない場合もあります。

    そのため、第一志望の国立大学だけでなく、併願する私立大学まで含めて早めに受験計画を立てることが重要です。併せて、受験料や交通費なども事前に見積もっておきましょう。

    4. 【要注意】授業料を値上げした国立大学が増えている背景

    指先で「注意」マークをつまむリスク・警告のイメージ

    国立大学の授業料は「全国共通」というイメージがありますが、現在は大学ごとに異なるケースがみられます。なぜなら、国立大学は標準額の120%を上限として授業料を設定できるためです。
    ちなみに上限額は年64万2,960円です。

    4-1 【値上げ校一覧】東大など有力校が上限の年64万2,960円を採用

    授業料の値上げで特に注目されたのが東京大学です。東京大学は2025年度入学者から、学部授業料を標準額の53万5,800円から64万2,960円へ引き上げました。年額で10万7,160円の増額です。

    2026年度には、埼玉大学や山口大学でも同額への改定が実施されています。

    大学名 学部授業料(年) 適用時期
    東京大学 64万2,960円 2025年度入学者~
    埼玉大学 64万2,960円 2026年度入学者~
    山口大学 64万2,960円 2026年度入学者~
    名古屋工業大学 64万2,960円 2026年度入学者~

    「国立だから年53万5,800円」と決めつけず、志望大学の最新の募集要項や公式サイトを確認しておきましょう。

    4-2 【今後の動向】2026年度以降も名工大・山口大など地方へ波及

    授業料の値上げは、東京などの首都圏だけに限られません。上でも紹介したとおり、2026年度には埼玉大学や山口大学、名古屋工業大学など地方にある国立大学でも標準額を上回る授業料への改定が行われています。

    今後、すべての国立大学が値上げすると決まっているわけではありません。ただ、大学によって授業料が異なる状況はすでに生まれています。志望校を検討する段階で、授業料が今後変更される予定がないか確認しておきましょう。

    4-3 【値上げの背景】物価高騰や光熱費の上昇などが影響

    授業料の値上げには、大学運営に必要なコストの上昇が影響しています。光熱費や施設の維持費、人件費などが上昇する中、教育・研究環境を維持・改善するための財源確保が課題になっています。

    東京大学は、教育・学修環境を改善し、世界水準の教育研究環境を維持するため、法令上認められた上限まで授業料を引き上げると説明しています。

    山口大学も、物価高騰や光熱費の上昇などを理由に、およそ20年ぶりとなる授業料改定を行いました。

    授業料の値上げは、単に学生の負担を増やすだけでなく、大学側の財政事情や教育研究環境の維持といった背景もふまえて判断されている点を理解しておきましょう。

    5. 学費以外にかかるお金(生活費・初期費用)

    図書館で学ぶ日本の大学生のイメージ画像

    大学進学では、授業料だけを準備すればよいわけではありません。特に一人暮らしをする場合は、入学時の住居・家具などの初期費用に加えて、毎月の生活費も必要です。
    自宅通学か自宅外通学かで、大学4年間の負担は大きく変わります。

    5-1 一人暮らしの初期費用は約70万円以上かかる

    親元を離れて一人暮らしを始める場合、賃貸住宅の敷金・礼金、最初の家賃、家具・家電などの費用が必要です。

    東京私大教連の2025年度調査では、自宅外通学者の受験から入学までの費用のうち、敷金・礼金が平均25万4,300円、生活用品費が37万2,000円、家賃1ヶ月分が7万1,800円でした。これらだけで約70万円になります。

    さらにパソコン、教科書、通学定期なども必要になるため、一人暮らしなら学費とは別に入学時の初期費用を準備しておくことが重要です。地域によって家賃や契約費用は異なるため、志望校周辺の相場も調べておきましょう。

    参考:東京私大教連「私立大学新入生の家計負担調査 2025年度」

    5-2 生活費は下宿で年約126万円、自宅で年約50万円

    日本学生支援機構の「令和6(2024)年度 学生生活調査」では、大学学部・昼間部の学生について、居住形態によって生活費に大きな差があることがわかります。

    全国平均では、自宅通学者の生活費は年約49万円〜50万円に対し、下宿・アパートなどの自宅外通学者では年約126万円となっています。住居・光熱費や食費などが加わるため、自宅通学との差は大きくなります。

    また、東京圏など都市部では生活費が高くなる傾向があります。日本学生支援機構の調査でも地域によって学生生活費に差があるため、全国平均だけで予算を決めるのではなく、進学先の家賃や通学費を調べて具体的に試算しましょう。

    参考:日本学生支援機構「令和6(2024)年度 学生生活調査」

    5-3 8割超の学生がアルバイトに従事している

    大学生の多くは、学業と並行してアルバイトを経験しています。日本学生支援機構の「令和6(2024)年度 学生生活調査」では、大学学部・昼間部のアルバイト従事率は86.4%でした。

    アルバイト収入を生活費の一部に充てれば、家庭からの仕送りを抑えられる可能性があります。ただし、アルバイトに頼りすぎないように注意しましょう。

    試験期間や実験・実習が多い学年などは、十分な勤務時間を確保できない場合があります。特に理系・医療系では学業が忙しくなることもあるため、基本的な生活費は家庭からの支援や奨学金などで確保し、アルバイトは補助的な収入として考えるとよいでしょう。

    6. 教育資金を準備する方法は?(貯蓄・保険・ローン)

    学資保険で子どもの教育資金に備える家族のイメージ

    大学の教育費は一度にすべて支払う必要はありませんが、受験時からまとまった資金が必要です。
    具体的には預貯金や学資保険などの自己資金を基本に、奨学金や教育ローンを組み合わせる方法があります。

    6-1 多くの家庭は貯蓄・節約・奨学金で工面

    教育費を準備するときは、貯蓄だけ、奨学金だけといった一つの方法に頼る必要はありません。

    日本政策金融公庫の調査では、教育費への対応として、「教育費以外の支出を削る」「奨学金を利用する」「子どもがアルバイトをする」「預貯金や保険を取り崩す」など、複数の方法が挙げられています。

    ただし、教育費の支出が始まってから家計を切り詰めるだけでは負担が大きくなります。大学入学までの期間から逆算して、毎月いくら準備できるかを考えておくことが大切です。

    参考:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」

    6-2 学資保険・預貯金のつみたてで計画的に貯める

    教育資金を計画的に準備する方法として、学資保険があります。一般的には、親が契約者となり、子どもの進学時期に合わせて満期保険金や祝い金を受け取る仕組みです。

    契約者に万一のことがあった場合、以後の保険料の払込みが免除され、予定どおり保険金を受け取れる商品もあり、保障と貯蓄を組み合わせられる点が特徴です。

    ただし、途中解約すると払込保険料を下回る場合があります。また、商品によって返戻率や保障内容は異なるため、教育資金をすべて学資保険で準備するのではなく、預貯金を併用するなど、役割を分ける考え方も取り入れましょう。

    6-3 足りない分は教育ローンで借りる(国・民間の違い)

    貯蓄や奨学金だけでは教育費が足りない場合は、教育ローンを利用する方法があります。

    代表的なのが日本政策金融公庫の「国の教育ローン」です。入学金や授業料だけでなく、住居費やパソコン購入費など、一定の教育関連費用にも利用できます。世帯年収などの要件があるため、申込み前に条件を確認しましょう。

    民間の教育ローンは、金融機関によって金利や借入上限、返済期間などが異なります。奨学金との大きな違いは、教育ローンは保護者が借りて返済する点です。

    例えば、入学前に必要な費用には教育ローン、在学中の生活費は奨学金を検討するなど、必要になる時期と返済する方を考えて使い分けることをおすすめします。

    7. 大学の授業料の支払いが難しいときに使える支援制度

    学費の支払いに頭を抱える人のイメージ画像

    学費の負担が大きい家庭には、国による高等教育の修学支援新制度、日本学生支援機構の奨学金、大学独自の授業料免除・減免制度などがあります。
    特に2025年度からは、多子世帯への授業料・入学金減免が所得制限なしで拡充されています。

    7-1 修学支援新制度で入学金・授業料が減免される

    高等教育の修学支援新制度は、経済的な理由で進学をあきらめないよう、授業料・入学金の減免と返還不要の給付型奨学金によって学生を支援する制度です。対象となる大学や学生には一定の要件があります。

    ここで注意したいのが「年収460万円なら無償化される」といった一律の考え方です。実際には、世帯構成や扶養人数などによって支援区分が変わるため、年収だけでは判断できません。

    また、2025年度からは、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯について、一定の要件を満たす場合、所得制限なしで国が定める上限額まで授業料・入学金の減免を受けられる制度が始まっています。

    国立大学の場合、授業料の支援上限は年53万5,800円、入学金は28万2,000円です。

    参考:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」

    7-2 奨学金は給付型(返済不要)と貸与型がある

    奨学金には、卒業後に返還する必要がない給付型と、卒業後に返還する貸与型があります。

    日本学生支援機構の貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があり、利用するには家計や学力などの要件を満たす必要があり、制度によって条件が異なります。

    日本学生支援機構以外にも、大学、自治体、民間団体などが独自の奨学金を設けています。返済不要の給付型をまず確認し、不足分について貸与型や教育ローンを検討すると、将来の返済負担を抑えやすくなります。

    参考:日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」

    7-3 大学独自の免除・減免制度も使える

    国の制度とは別に、大学独自の授業料免除・減免制度も確認しましょう。成績優秀者向けだけでなく、経済的な理由や家計急変などを対象とする制度もあります。

    例えば東京大学では、授業料の免除制度を設けており、一定の家計・学業要件などを満たした学生が申請できます。授業料値上げに伴い、学生支援を拡充する方針も示されています。

    大学独自の制度は、所得基準や申請時期、免除額が大学ごとに異なります。国の制度だけで判断せず、志望校の公式サイトで「授業料免除」「奨学金」「学生支援」などを確認しておきましょう。

    国立大学の授業料についてよくある質問(FAQ)

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    ここでは、国立大学の授業料について、よくある質問と回答を紹介します。

    授業料はいつまでに払う?分割できる?
    国立大学の授業料は、前期・後期の2回に分けて納めるのが一般的です。標準額なら1回あたり26万7,900円が目安です。
    入学時には入学料と前期分の授業料を納め、後期分は後期の納付時期に支払う形が一般的です。ただし、納付期限は大学ごとに異なるため、合格後に届く案内を確認しましょう。
    授業料はクレジットカードで払える?
    授業料の支払方法は大学によって異なります。口座振替や銀行振込などが一般的ですが、クレジットカードなどに対応している大学もあります。
    カード払いが可能でも、決済手数料がかかる場合があるため、支払方法だけでなく、手数料の有無や納付期限まで確認しておくと安心です。
    地方と都心で学費は違う?
    国立大学の授業料は標準額を基準に決められるため、「東京だから高い」「地方だから安い」という仕組みではありません。
    ただし、大学ごとに標準額を上回る授業料を設定できるため、現在は大学による差が生じています。東京大学では2025年度から、埼玉大学・山口大学・名古屋工業大学では2026年度から年64万2,960円となっています。
    無償化の対象になる年収はいくら?
    無償化の対象を年収だけで判断することはできません。高等教育の修学支援新制度では、世帯の収入・所得だけでなく、家族構成や扶養する子どもの人数なども考慮されます。
    さらに、2025年度からは扶養する子どもが3人以上の多子世帯について、所得制限なしで一定額まで授業料・入学金の減免を受けられます。ただし、給付型奨学金まで所得制限なしになるわけではない点に注意が必要です。
    教育ローンと奨学金はどう使い分ける?
    大きな違いは「誰が借りて返すか」です。奨学金は学生本人が借りて卒業後に返すのが基本ですが、給付型なら返還不要です。一方、教育ローンは保護者が借りて返済するのが基本です。
    また、教育ローンは入学前から利用できる商品があるため、入学金など早い時期に必要な費用への対応に向いています。奨学金は在学中の授業料や生活費などに充てる方法として検討するとよいでしょう。
    これから全大学が値上げする?
    すべての国立大学が値上げすると決まっているわけではありませんが、標準額を超える授業料を設定する大学は増え始めています。
    事実、2025年度には東京大学、2026年度には埼玉大学・山口大学・名古屋工業大学などが授業料を引き上げました。
    志望校が現在の標準額を維持するとは限らないため、受験年度の募集要項や大学公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。

    9. 総額の見通しを立てて、納得の進路選びを

    大学のキャンパスで微笑む高校生の男女の画像

    国立大学の授業料は、2026年度時点で年53万5,800円が標準で、入学料を含む4年間の学費は242万5,200円です。ただし、東京大学などでは年64万2,960円への値上げが行われ、大学によって負担額が異なります。
    さらに、受験費用や一人暮らしの初期費用、4年間の生活費まで考えると、必要な教育資金は学費だけでは決まりません。
    まずは「志望大学・学部」「自宅通学か一人暮らしか」「私立併願の有無」を決め、4年間の総額を具体的に試算してみましょう。そのうえで、貯蓄や学資保険、奨学金、教育ローン、授業料減免などを組み合わせることで、支出時期や返済負担を調整しやすくなります。
    特に多子世帯への支援は所得制限なしで授業料等の減免対象となるため、対象となる家庭は忘れずに確認しましょう。
    「国立だから安い」と考えるのではなく、自分の家庭では4年間にいくら必要なのかまで落とし込むことが、安心して進路を選ぶための第一歩です。

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    ライター紹介

    新井 智美
    氏名
    新井 智美(あらい ともみ)
    保有資格
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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