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【第128回】教育費は総額いくら?幼稚園から大学までの金額と貯め方を解説【2026年最新】

2026年11月02日
教育費は総額いくら?幼稚園から大学までの金額と貯め方を解説【2026年最新】
「子ども一人にかかる教育費は、結局いくら必要なの?」と、これからの教育費に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。進学先が公立か私立かによってかかる金額は大きく変わり、大学まで進む場合は1,000万円を大きく超えるケースもあります。ただ、必要額が見えないままでは、どこから準備すればよいのか迷ってしまいます。
そこで本記事では、文部科学省などが公表している最新の公的なデータをもとに、幼稚園から大学までにかかる教育費を学校段階別に整理します。さらに、大学入学までに準備したい金額の目安や、預貯金・学資保険・新NISA・奨学金・教育ローンなど、教育費を準備する方法についても解説します。

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目次

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    2026/11/02 18:31現在。
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    1. 教育費とは?まず知っておきたい全体像と平均総額

    積み上げたコインの横で世界地図を見る子ども2人、教育費の全体像のイメージ画像

    教育費とは、学校に納めるお金だけではありません。授業料などの学校教育費に加え、給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含めて考えることが重要です。

    1-1 幼稚園から大学卒業までの教育費総額(すべて公立/すべて私立)

    幼稚園から高校までの「学習費総額」は、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」で、公立幼稚園が年約18.5万円、公立小学校が年約36.7万円、公立中学校が年約54.2万円、公立高校が年約59.7万円です。

    これを各学校段階の在学年数で単純計算すると、幼稚園3年間から高校卒業までの学習費は約617万円となります。さらに、国立大学4年間の入学料・授業料など約243万円を加えると、幼稚園から大学卒業まで約860万円が一つの目安になります。

    一方、幼稚園から高校まで私立に通い、大学も私立に進学する場合は、単純計算で約2,400万〜2,500万円が目安です。幼稚園から高校まで公立、大学は国立に進学する場合の約860万円と比べると、1,500万円以上の差が生じます。

    ただし、これらはあくまで平均値から算出した目安です。大学の学部や地域、塾・習い事の利用状況、一人暮らしをするかどうかなどによって、実際の負担額は大きく変わります。数字をそのまま「必要額」と考えるのではなく、まずは教育費の規模感を把握するための目安として活用しましょう。

    出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」

    1-2 教育費は「学校教育費・給食費・学校外活動費」の3つで構成される

    文部科学省の「子供の学習費調査」では、教育費を「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3つに分けています。学校教育費には授業料や教材費、通学費などが含まれ、学校外活動費には学習塾や習い事などの費用が含まれます。

    特に公立小・中学校では、学校教育費よりも学校外活動費の割合が大きくなっています。つまり「授業料がかからない=教育費がほとんどかからない」とは限りません。

    なお、2026年度から公立小学校などの給食費に対する国の負担軽減策が始まりました。完全給食の場合は児童1人あたり月5,200円を基準額として、11か月分が支援されます。ただし、実際の給食費が基準額を超える場合などは、自治体によって保護者負担が残る可能性がある点に注意しましょう。

    参考:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」

    2. 【学校段階別】教育費の金額はいくら?文部科学省の最新データで解説

    そろばんと電卓、「HOW MUCH」の文字|学校段階別の教育費はいくらかを表すイメージ画像

    ここからは、文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」をもとに、幼稚園から高校までの教育費を確認します。

    2-1 幼稚園でかかる教育費

    平均額
    公立(年額)私立(年額)
    約18.5万円約34.7万円

    文部科学省の調査では、幼稚園の学習費総額は公立が年間約18.5万円、私立が約34.7万円です。ただし、この数字には保育料だけでなく、給食費や学校外活動費なども含まれています。

    現在は、2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、3〜5歳の幼児について、幼稚園などの利用料が原則として無償化されています。幼稚園の場合、無償化の対象となる利用料には月額2万5,700円の上限があります。

    また、保育の必要性の認定を受けた場合は、幼稚園の預かり保育についても月額1万1,300円まで利用料が無償化の対象となります。

    通園送迎費、食材料費、行事費などは原則として保護者負担です。制服や指定用品、教材など、入園時にまとまった支出が発生することもあります。

    そのため、幼稚園では「保育料が無料になるから費用はゼロ」と考えるのではなく、無償化の対象外となる費用や習い事などを含めて家計を見積もることが大切です。

    2-2 小学校でかかる教育費

    平均額
    公立(年額)私立(年額)
    約36.7万円約174.2万円

    小学校の学習費総額の平均は、公立が年間約36.7万円、私立が約174.2万円です。6年間に単純換算すると、公立は約220万円、私立は1,000万円を超える水準になります。特に私立小学校では授業料などの学校教育費が大きく、公立との金額差が広がります。

    公立小学校では授業料がかからず、義務教育で使用する教科書も無償です。ただし、ランドセルや文房具、体操服、行事費、通学費などは必要です。

    また、2026年4月からは公立小学校などの給食費について国の負担軽減策が始まりました。完全給食の場合、月5,200円を基準額として11か月分が支援されますが、給食費が基準額を超える場合などには差額が発生する可能性があります。

    公立小学校で特に見逃せないのが、学習塾や習い事などの学校外活動費です。こうした学校教育費以外の支出も、教育費全体を押し上げる要因の一つになります。

    2-3 中学校でかかる教育費

    平均額
    公立(年額)私立(年額)
    約54.2万円約156.0万円

    中学校の学習費総額は、公立が年間約54.2万円、私立が約156.0万円です。3年間で見ると、公立は約163万円、私立は約468万円が一つの目安になります。

    公立中学校では授業料や教科書代の負担は基本的にありませんが、制服、通学用品、部活動、行事などの費用がかかります。また、高校受験を控える時期には、塾や通信教育などの学校外活動費が増えやすくなります。

    文部科学省の調査でも、公立中学校では学習費総額に占める学校外活動費の割合が6割を超えており、教育費の中で大きな部分を占めています。

    そのため、中学校の教育費を考える際は、学校に支払う費用だけでなく、高校受験に向けた塾代や教材費などがどの程度必要になりそうかも確認しておきましょう。

    なお、2026年度から国が行う給食費の負担軽減策は公立小学校などが対象で、公立中学校は一律の対象ではありません。ただし、自治体独自の支援が行われている場合もあるため、居住地の制度を確認しておくと安心です。

    2-4 高校でかかる教育費

    平均額
    公立(年額)私立(年額)
    平均約59.7万円約117.9万円
    (内 学校教育費)(約35.2万円)(約83.3万円)
    (内 学校外活動費)(約24.5万円)(約34.7万円)

    高校の学習費総額は、公立が年間約59.7万円、私立が約117.9万円です。3年間にすると、公立で約179万円、私立で約354万円が目安となります。

    高校では小・中学校と異なり、給食費が基本的にないため、「学校教育費」と「学校外活動費」が主な支出になります。公立では授業料に加えて、制服、通学費、教材、行事、部活動などがかかり、私立では施設設備費なども含めて学校ごとの差が大きくなります。

    また、2026年度からは高等学校等の授業料支援が拡充されています。公立高校については授業料相当額を支援する仕組みがあり、私立高校についても授業料への支援が拡充されています。

    ただし、支援の中心は授業料です。入学金、施設設備費、制服、教材、通学費、修学旅行費などがすべて無償になるわけではありません。また、大学受験に向けた塾や予備校などの学校外活動費も無視できません。

    高校では「授業料の支援があるから教育費は少なくて済む」と考えるのではなく、授業料以外の費用や大学進学に向けた費用も含めて、必要な金額を見積もっておくことが大切です。

    3. 【国公立・私立文系・理系別】大学でかかる教育費はいくら?

    青空の下に建つ時計塔のある大学キャンパスの校舎|大学の教育費のイメージ画像

    大学進学には、教育費の中でも特にまとまった資金が必要です。学費だけでなく、一人暮らしをする場合は住居費や生活費も加わるため、進学先と通学形態を想定して準備額を考える必要があります。

    3-1 入学初年度と4年間の費用の目安

    国立大学の標準額では、入学料が28万2,000円、授業料が年間53万5,800円です。入学料と4年間の授業料を合わせると、大学4年間の学費は約243万円になります。

    文部科学省の「令和7年度私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の初年度学生納付金は、大学学部で平均150万7,647円でした。内訳は、授業料96万8,069円、入学料24万365円、施設設備費17万2,550円などです。

    学部別の平均的な納付金をもとに4年間へ単純換算すると、私立文系は約419万円、私立理系は約567万円が一つの目安になります。ただし、実験実習費や施設設備費などは大学・学部によって異なるため、実際の納付金は志望校ごとに確認する必要があります。

    また、薬学部など6年制の学部では4年制より学費負担が大きくなります。医学部・歯学部などではさらに高額になる大学もあるため、志望学部が決まった段階で大学ごとの納付金を確認しましょう。

    なお、大学では学費以外にも教科書・教材、パソコン、通学用品の購入費、受験費用などが必要です。「授業料×年数」だけで予算を決めず、入学前後に必要な費用も含めて準備することが大切です。

    出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

    3-2 自宅通学と一人暮らしで変わる費用(仕送り・住居費)

    大学進学後の費用は、自宅通学か一人暮らしかによって大きく変わります。一人暮らしをする場合は、学費に加えて家賃、食費、水道光熱費、通信費などが必要になるからです。

    全国大学生活協同組合連合会の「第61回学生生活実態調査」によると、2025年の下宿生の1か月の仕送りは平均7万4,652円でした。また、住居費は約5万5,452円、食費は約2万9,853円となっています。

    住居費だけでも4年間で約266万円の支出になります。さらに食費や水道光熱費、通信費などを加えると、学費とは別に数百万円規模の負担になる可能性があります。

    一人暮らしを始める際には、敷金・礼金、仲介手数料、家具・家電などの初期費用も必要です。私立理系など学費が比較的高い進路で一人暮らしをする場合は、学費と生活費を合わせた大学4年間の総費用が1,000万円近くになるケースもあるでしょう。

    なお、下宿生の収入にはアルバイトや奨学金も含まれます。教育費を準備するときは、大学4年間にかかる総額だけでなく、「家庭が負担する金額」「子ども自身が負担する金額」「奨学金などで賄う金額」を分けて考えることが重要です。

    4. 教育費はいつまでに・いくら貯めればいい?

    電卓を手に持って計算する様子、教育費をいつまでにいくら貯めるか試算するイメージ画像

    教育費を考えるとき、幼稚園から大学までの総額を一度に貯めようとすると、必要以上に負担を感じてしまいます。ポイントは、毎月の家計から支払う費用と、大学進学などに備えて先に貯める費用を分けることです。

    4-1 目標は「大学入学まで」に300万〜400万円

    教育費の準備では、すべての費用を大学入学までに貯めておく必要があるわけではありません。幼稚園から高校までの費用は、毎月の家計から支払う部分が多いため、まずは大学入学時に必要なまとまった資金を優先して準備すると、教育資金の計画を立てやすくなります。

    大学入学までに準備する金額は、300万〜400万円を一つの目安にするとよいでしょう。国立大学の入学料と4年間の授業料は約243万円、私立大学では文系が約419万円、理系が約567万円と、進学先によって必要な学費は大きく異なります。

    そのため、300万〜400万円を準備していても、進学先や通学形態によっては追加の資金が必要になる場合があります。

    また、大学入学時には、入学金や初年度の学費だけでなく、受験料、受験に伴う交通費、一人暮らしを始める場合の住居費や家具・家電など、まとまった支出が発生することがあります。

    こうした費用を考えると、大学入学までに一定額を準備しておくことには意味があります。目標額をすべて事前に用意する必要があるとは限らないため、家庭の収入や現在の貯蓄、進学希望などを踏まえて、無理のない目標額を設定しましょう。

    特に高校3年生の後半から大学入学直後は、受験料、入学金、前期授業料、一人暮らしの初期費用などが集中しやすい時期です。教育費は「総額」だけでなく、「いつ、いくら必要になるか」を確認しておくことが大切です。

    4-2 毎月の積立は1.4万〜1.9万円から|早く始めるほど負担を抑えやすい

    300万円または400万円を目標にする場合、準備を始める時期によって毎月の積立額は大きく変わります。運用益や利息を考慮せず、目標額を積立期間で単純に割った場合の目安は次のとおりです。

    積立開始時期期間300万円400万円
    0歳から18年約1.4万円/月約1.9万円/月
    小学校入学から12年約2.1万円/月約2.8万円/月
    中学校入学から6年約4.2万円/月約5.6万円/月

    例えば0歳から300万円を準備するなら、毎月約1万4,000円です。400万円でも約1万9,000円なので、早く始めるほど月々の負担を抑えやすくなります。

    児童手当を教育費専用口座などに移して、そのまま貯める方法もあります。家計からの追加負担を抑えながら、大学資金を準備しやすくするためです。

    もちろん、子どもがすでに小学生・中学生になっていても遅すぎるわけではありません。現在の貯蓄額と目標額との差を確認し、児童手当などの収入と毎月の積立を組み合わせて、今後準備する金額を計算してみましょう。

    5. 【メリット・デメリット比較】教育費を準備する5つの方法

    「Merit」「Demerit」の木札と木製人形、教育費の準備方法のメリット・デメリットを比較するイメージ画像

    教育費の準備方法には、それぞれ特徴があります。「元本割れを避けたいのか」「多少の値動きを許容して資産が増える可能性を求めるのか」「不足分を借り入れで補うのか」を分けて考えると、自分の家庭に合った方法を選びやすくなります。

    方法元本割れ値上がりの可能性資金を使える時期主な注意点
    預貯金原則なし※小さい比較的自由インフレによる実質価値の低下
    学資保険途中解約で可能性あり小さい契約時に設定返戻率・受取時期
    新NISAありあり比較的自由価格変動・換金時の相場
    奨学金――原則として進学後貸与型は返還が必要
    教育ローン――入学前後にも利用可利息を含めて返済が必要

    ※預金保険制度の対象外商品などを除く。

    5-1 預貯金

    教育費の準備では、まず預貯金を土台にすると資金計画を立てやすくなります。円建ての一般的な預貯金は価格変動がなく、大学入学時など「必ず使う時期」が決まっているお金を確保する方法として使いやすいからです。

    2026年11月時点で、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行の普通預金金利が年0.5%へ引き上げられています。預金金利は以前より上昇していますが、物価上昇なども考慮すると、預貯金だけで大きく資産を増やすことを期待するより、「必要な時期に確実に使える資金をつくる」役割として考えるとよいでしょう。

    5-2 学資保険

    学資保険は、毎月保険料を払い込み、子どもの進学時などに祝い金や満期保険金を受け取る保険です。契約者に万一のことがあった場合に、それ以降の保険料の払い込みが免除される商品もあり、保障と教育資金の準備を組み合わせられる点が特徴です。

    一方、途中で解約すると、それまでに支払った保険料より解約返戻金が少なくなり、元本割れする可能性があります。また、商品によって返戻率や保障内容が異なるため、加入前に「保険料の総額、受取時期、受取額」を確認することが大切です。

    教育費の準備期間が長いからといって、必ずしも学資保険だけに限定する必要はありません。預貯金や新NISAなどと役割を分けて考える方法もあります。

    5-3 新NISAなどの資産運用

    新NISAは、投資による利益が非課税になる制度です。2026年時点の新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、非課税保有限度額が1,800万円となっています。

    教育費のように準備期間が長い資金では、長期・積立・分散を意識した運用によって、預貯金より資産が増える可能性があります。一方で、投資には価格変動があり、元本割れする可能性もあります。

    特に大学入学時など、使う時期が決まっている資金を全額投資に回すのは慎重に考えたいところです。運用する場合も、大学入学が近づいたら徐々に現金など値動きの小さい資産へ移すなど、使う時期に合わせてリスクを下げる方法があります。

    なお、2027年1月からは、未成年向けの「こどもNISA」が開始されます。0歳から17歳までを対象に、年間60万円、生涯600万円まで非課税で運用でき、親のNISAとは別枠で利用できる予定です。利用を検討する場合は、対象商品や払出しの条件など、最新の制度内容を確認しましょう。

    5-4 奨学金

    奨学金は、学生本人が受け取る給付または貸与によって、大学などの学費や生活費を支える制度です。日本学生支援機構(JASSO)では、返還不要の給付型と、卒業後に返還する貸与型があります。

    給付型は返還が不要ですが、家計や学業などの要件があります。貸与型は無利子の第一種と有利子の第二種があり、借りた金額は原則として卒業後に本人が返還します。

    そのため、利用するときは「いくら借りるか」だけでなく、「卒業後に毎月いくら返すことになるか」まで確認しておくことが大切です。

    5-5 教育ローン

    教育ローンは、保護者が借り入れて教育費にあてる方法です。入学金や初年度授業料、受験費用、一人暮らしの費用など、入学前後にまとまった資金が必要になったときにも利用できます。

    代表的なものに日本政策金融公庫の「国の教育ローン」があり、民間の銀行などでも教育ローンが提供されています。金利、借入可能額、返済期間、在学中の返済方法などは商品によって異なるため、複数の商品を比較することが重要です。

    教育ローンは、将来の返済負担を伴うため、利用する場合は「いくら必要なのか」「毎月いくら返済できるのか」を確認したうえで借入額を決めましょう。

    6. 教育費が足りないときは?奨学金と教育ローンの使い分け

    「学費」「奨学金」「学生ローン」などの単語カードと電卓、奨学金と教育ローンの使い分けのイメージ画像

    教育費をすべて貯蓄で賄う必要はありません。重要なのは、必要な時期に必要な金額を準備できるよう、貯蓄・支援制度・奨学金・教育ローンを組み合わせることです。

    6-1 国の教育ローン(日本政策金融公庫)の特徴

    日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、子ども1人につき原則350万円まで借り入れでき、一定の要件を満たす場合は上限が450万円になります。2026年11月2日時点の金利は固定金利で年4.60%です。

    固定金利のため、借入後に市場金利が変化しても契約上の金利が変わらない点が特徴です。返済期間は最長18年で、在学中は利息のみを支払う元金据置も選択できます。

    資金使途は入学金や授業料だけではありません。受験費用、住居費、教科書代、通学費、パソコン購入費など、幅広い教育関連費用に利用できます。

    一方、世帯の年間収入または所得に関する要件があります。扶養する子どもの人数などによって世帯の年間収入または所得の上限が緩和される場合もあります。申込み前に最新の条件を確認しましょう。日本学生支援機構などの奨学金との併用も可能です。

    6-2 民間の教育ローンの特徴

    民間の教育ローンは、銀行、ネット銀行、労働金庫、JAバンク、信販会社など、さまざまな金融機関が取り扱っています。商品ごとに金利や借入可能額、審査基準、返済方法が異なるため、条件を比較して選ぶことが大切です。

    借入可能額は商品によって500万円〜1,000万円程度など幅があり、医歯薬系や留学など、高額な教育費に対応できる商品もあります。金利も固定型と変動型があり、変動型を選ぶ場合は将来的な金利上昇にも注意が必要です。

    また、必要額をまとめて借りる「証書貸付型」のほか、必要なときに借り入れるカードローンタイプの商品もあります。どちらを借りるにしても、借入期間や在学中の返済方法も確認し、実際に必要な金額以上を借りないようにすることが重要です。

    6-3 奨学金と教育ローンの違い

    奨学金と教育ローンの大きな違いは、誰が借りて、誰が返すのかです。一般的に奨学金は学生本人が受け取り、貸与型なら卒業後に本人が返還します。一方、教育ローンは保護者が借り、保護者が返済します。

    もう一つの違いは、資金を受け取るタイミングです。奨学金は進学後の毎月の振り込みが基本のため、入学金など入学前にまとまった資金が必要な場合には間に合わないことがあります。

    そのため、入学時の費用は貯蓄や教育ローン、在学中の継続的な費用は奨学金や家計からの支出というように、必要な時期に応じて組み合わせる方法を考えましょう。

    7. 教育費の負担を軽くする支援制度

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    教育費には、国や自治体によるさまざまな負担軽減策があります。制度によって対象年齢や所得要件、申請方法が異なるため、子どもの成長段階に合わせて確認しておきましょう。

    制度主な対象支援内容の目安開始時期
    幼児教育・保育の無償化3〜5歳など利用料を無償化。私立幼稚園は月2.57万円まで2019年〜
    公立小学校の学校給食費の抜本的な負担軽減公立小学校など完全給食の場合、月5,200円を基準に11か月分2026年度〜
    高校授業料の支援高校生公立11.88万円、私立45.72万円を上限2026年度〜
    大学等の修学支援新制度低所得世帯・多子世帯など授業料等減免+給付型奨学金2020年〜

    7-1 幼児教育・保育の無償化

    幼児教育・保育の無償化では、3〜5歳までの子どもが利用する幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が原則無償です。子ども・子育て支援制度の対象とならない幼稚園は月2.57万円が上限となります。

    また、幼稚園の預かり保育は、保育の必要性の認定を受けることで月1.13万円まで無償化の対象になります。

    ただし、通園送迎費、食材料費、行事費などは原則として対象外です。申請や認定が必要なケースもあるため、利用している施設や自治体に確認しましょう。

    なお、0〜2歳については、住民税非課税世帯などが主な対象となっています。

    7-2 公立小学校の学校給食費の抜本的な負担軽減(2026年度〜)

    2026年4月から、公立小学校などの給食費について国による負担軽減が始まりました。完全給食の場合、児童1人あたり月5,200円を基準額として、年間11か月分が支援されます。

    ただし、実際の給食費が基準額を上回る場合、その差額については自治体によって保護者負担が残る可能性があります。また、すでに自治体独自の無償化を実施している地域もあります。

    そのため、「全国どこでも必ず自己負担ゼロ」とは限りません。居住する自治体の制度や学校からの案内を確認しておきましょう。

    7-3 高校授業料の実質無償化(2025〜2026年に拡充)

    高校では、2026年度から高等学校等就学支援金が拡充されています。2026年度からは所得制限が撤廃され、公立高校は年11万8,800円相当、私立高校は年45万7,200円を上限として授業料が支援されます。

    ただし、対象となるのは基本的に授業料です。入学金、施設設備費、制服、教材、修学旅行費などまで一律に無償になるわけではありません。私立高校では授業料が支給上限を超える場合、その差額も自己負担になります。

    また、低所得世帯を対象として、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」もあります。利用できる制度がないか、学校や都道府県の窓口で確認してみましょう。

    7-4 大学等の修学支援新制度

    大学などの高等教育では、授業料・入学金の減免と返還不要の給付型奨学金を組み合わせた「高等教育の修学支援新制度」があります。

    従来は住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯などが主な対象でした。2024年度からは私立の理工農系学部などの中間所得世帯にも支援対象が拡大されています。さらに、2025年度からは扶養する子どもが3人以上いるなど、所定の要件を満たす多子世帯について、所得制限なしで授業料・入学金を一定額まで減免する制度が導入されています。

    ただし、対象となる大学等には要件があり、申請も必要です。制度の対象となるかは、進学先の学校や日本学生支援機構の最新情報で確認しましょう。

    支援制度を利用しても不足する費用については、預貯金、貸与型奨学金、教育ローンなどを組み合わせて準備する必要があります。

    8. 教育費は「早めの把握」と「計画的な準備」がカギ

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    教育費は「幼稚園から大学まで全部でいくらかかるか」だけを見ると、とても大きな金額に感じます。しかし、実際には毎年の家計から支払う費用と、大学入学などに備えて事前に準備する費用を分けて考えることができます。

    まずは、子どもの希望する進路をある程度想定し、公立・私立、自宅通学・一人暮らしなどによって必要額がどの程度変わるのかを確認しましょう。そのうえで、大学入学までに300万〜400万円程度を一つの目標として、できるだけ早く準備を始めると、毎月の負担を抑えやすくなります。

    不足する場合も、すべてを保護者だけで用意しなければならないわけではありません。預貯金や学資保険、新NISAなどの資産形成に加えて、給付型奨学金、授業料減免、貸与型奨学金、教育ローンなどを組み合わせる方法があります。

    大切なのは、教育費を「いつか必要になる大きなお金」として漠然と捉えるのではなく、「いつ、いくら必要になるか」に分けて考えることです。早い段階で家計の状況と進路の希望を照らし合わせておけば、必要な金額も具体化されます。

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    ライター紹介

    新井 智美
    氏名
    新井 智美(あらい ともみ)
    保有資格
    ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
    主なキャリア
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,500本以上。
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